旬をたっぷり味わう「夏野菜の冷やしおでん」
芸人ボルサリーノ関好江さんに料理を作ってもらいながら、おいしさのポイントなどを伺う本連載。今回は、ぐつぐつ煮込む必要がないのがうれしい「夏野菜の冷やしおでん」。旬の野菜をふんだんに味わえて、卵、タコ、ちくわでたんぱく質もしっかり摂れるので、暑さにエネルギーを持っていかれがちな夏の時期の食卓にぜひ。
夏野菜の冷やしおでん
材料(2人前)
作り方
- 1. 卵は沸騰したお湯に入れ、7分ゆでたら冷水に取り、殻をむく。とうもろこしは3〜4cmの輪切りにし、ラップをして3分ほど加熱する。
- 2. オクラは板ずりしてヘタの先端とがくを取る。ズッキーニは1〜2cmの輪切りに、みょうがとちくわは半分にカットする。トマトは湯むきをする。タコは一口大に切って串に刺し、枝豆は楊枝に刺す。
- 3. 鍋につゆの材料とちくわを入れ、沸騰したらズッキーニとオクラを入れて3分ほど煮て火を切り、残りの材料を加える。
- 4. 粗熱がとれたら冷蔵庫へ。3時間ほど冷やすとおいしいです。
ひんやり感がたまらない!夏だからこそのおでん
くたっとなってしまいそうな猛暑日が続きますが、だからこそ、口にスッと入りやすくて栄養があって、なによりおいしいものを食べて、少しでも元気に過ごしたいもの。
今回教えてもらうのは、そんな気持ちにぴったり寄り添ってくれる、旬の野菜がたっぷり入った冷やしおでんのレシピです。
「具材は、結構なんでもいけます!」と関さん。
用意したのは、色とりどりの夏野菜と、さっと調理ができるたんぱく質。
一般的なおでんのように、ぐつぐつ長時間煮込む必要はありません。冷蔵庫でひんやり冷やして完成させる、夏ならではのスタイルです。
まずは下準備から。
卵は、お好みのかたさにゆでたものを用意。コンビニなどで販売している、できあいのゆで卵を使ってもOKです。
とうもろこしは、ほかの具材よりも火が通るのに時間がかかるので、輪切りにしたら、ラップでくるんで、電子レンジ(600W)で3分ほど温めておきます。
オクラは、ほぼまるごと入れます。まな板の上に塩をまぶし、ゴリゴリ押し転がしながら板ずりをしたら、ヘタの先端とがくを取りのぞいて。
ちくわとみょうがは半分にカット。ズッキーニは1〜2cm程度の輪切りにします。
トマトは、口当たりをやわらかくするために、湯むきをしておくのがおすすめ。おしり(ヘタと逆側)に十字の切れ目を入れたトマトを、沸騰させたお湯の中でコロコロさせ…
氷水に入れて少し置いたら、するんと皮がむけます。
「そういえば、昔自分のイベントでトマトのハニーマリネを作って出すことになって、トマトを一気に200個くらい湯むきしたことがありました」と関さん。
200個!
「自分でやるって決めたのに、いざやってみたら、あまりの数の多さに、なんで私今こんなことしているんだろう…って、ちょっと気が狂いそうになっていました(笑)。」
タコは、一口大にカットしたあと串刺しに。
「おでんのタコ、好きなんです。祭りっぽくなる!」
「普段おでんに入れるときは、やわらかくなるまでしっかり煮るんだけど、このおでんでは、タコの食感をしっかり楽しみたいから、煮込まなくてOKです!」
枝豆も一粒ごと、楊枝に刺していきます。
「労力のわりに、食べるとあっという間になくなっちゃうけど(笑)、枝豆を楊枝に刺すと、子ども達とかが喜んで食べてくれるんです。」
煮込み時間は少し。あとは冷蔵庫で冷やすだけ
おでんつゆの作り方は、とてもシンプル。水に白だしと醤油、みりんを入れて沸騰させたらOKです。
「冷やして食べることをふまえて、普段よりも少し濃い味付けにしています」と関さん。
まず最初に入れるのは、ちくわ。沸騰したらズッキーニとオクラを入れます。
3分ほど煮たら、あとの食材を一気に投入して…
そのあとはもう、煮込む必要はありません。
粗熱がなくなるくらいまで冷ましたら、冷蔵庫でキンキンに冷やして完成です。
猛暑にくたっとしてしまったときにも、するっと食べられる
赤、緑、白、黄色、むらさき。
鮮やかさとひんやり感がたまらない夏おでん。枝豆のぷりんとしたつぶつぶが、アクセントになっていてとてもかわいいです。
なにから食べるか悩む…。
まずはズッキーニから食べてみたところ、わあ、染み込んだ出汁との相性がいい…!トマトも皮をむいてあるから、口当たりがやわらかくて、すっと体内に吸い込まれていきました。
ほかの野菜たちもひたすらさっぱりしていて、「涼」を食べている感じ。かんかん照りの太陽にエネルギーをがっつり奪われてしまったときでも、これを口にすれば、みるみる心とからだが生き返りそうです。
楊枝に刺さった枝豆は妙に食べやすくて、タコは、関さんが言っていたように、歯応えがちゃんとあることが、この味わいとよく合っている…!卵はちょっと半熟で、ごはんにのせて食べたら最高だろうなぁと思いました。
そして、これまで食べてきたおでんとはまったく違う姿と温度をしていて、煮込み時間も全然違うのに、味はしっかりと「おでん味」なのがおもしろい!
「誰かが家にくる時とかによく作るんです、おでん」と関さん。
「冷やしおでんには、普段のおでんには入れないような夏野菜も入れているけど、トマトは普段も結構使っていますね。かぶやじゃがいも、里いもなども入れたりします。
名古屋名物のみそおでんだったら、ソーキ(骨付きあばら肉)などの豚肉を煮込んでもおいしいし、あと、お餅を入れてもおいしい!ちなみに、みそおでんも夏食べるとおいしいんですよ。赤味噌(八丁味噌)の塩分が効いているから。」
冷やしおでんも素敵だけど、赤味噌たっぷりのみそおでんも気になってまいりました。
まだまだ暑さは続きそう。でも、私たちには、今だからこそおいしく食べられる食材や食べ方がある、ということを心にきざみながら、ちょっとでも快適に乗り越えていけたらいいなぁと思います。