肉団子と夏野菜の中華スープ(ゲスト:山口祐加さん)
スープ作家 有賀薫さんの声でお届けする“聴くレシピ”。夏の特別編は、川のせせらぎや鳥のさえずりが耳に心地良いキャンプ場からお届けしています。テーマは「アウトドアで楽しめるスープ」。前編では、自炊料理家の山口祐加さんに「ピーマンとなすのチキンカレースープ」の作り方を教えていただきましたが、後編では有賀さんが「肉団子と夏野菜の中華スープ」を作ります!肉団子というと手間がかかりそうだと思われるかもしれませんが、ポリ袋を使うので手も汚れず簡単。キャンプ場へ行った気分で、楽しみながら作ってみてくださいね!
肉団子と夏野菜の中華スープ
材料(4人分)
作り方
- 1. ひき肉と塩をポリ袋に入れてよくもみ込んでから、長ねぎのみじん切りとしょうが、水100mLを加えてさらにもみ込む。
- 2. トマトは1/6個のくし切り、しいたけは千切り、長ねぎは斜め薄切り、オクラは二つに斜め切りする。
- 3. 大きな鍋に水1000mLを入れて沸かす。ここに肉団子をスプーンですくって落としていく。
- 4. アクをとったら、トマトとしいたけ、長ねぎ、塩小さじ1/2、中華スープの素小さじ1を加えて、6〜7分ほど煮込む。
- 5. 春雨とオクラを入れ、3分煮る。
- 6. 醤油とごま油で味をととのえて、完成!
お待ちかねの試食タイム!
どうぞ、お召し上がりください!
トマトとオクラが入っているから、色もきれいです!う~ん、おいしい!肉団子がやわらかいですね!
そうですね、肉団子に水をたくさん入れているので、ふわっとしますよね。それにしても山口さん、ほんとおいしそうに食べるんですよね(笑)。
ふふふ(笑)。だしがよく出ていますね。
野菜とお肉のだし、特に肉団子からよくだしが出るんです。
トマトの酸味、しいたけの旨み、ねぎの香り、全部がこのスープに凝縮されています!お酢が合いそうだと思ったのですが、トマトが酸味の役割を果たしてくれるんですね。
はい、中華スープにはよく酢を入れますが、アウトドアに酢を持っていくのも大変なので、トマトの酸味が代わりになってくれます。スープがキュッと引き締まる感じになりますよ。トマトは、彩りも加えてくれるので、良いアクセントになっています。
アウトドアでのスープ作りで、心豊かなひと時を
今回、アウトドア企画第2弾(第1弾はこちら)なのですが、山口さんはアウトドア好きですか?
大好きです!子どもの頃からキャンプによく行っていました。
私も小学生の頃からキャンプで料理をしていたので、基本的に外で料理するのが大好きなんです。
人間って遠い昔からこうやって外で火を囲み、料理をしていたんだろうなと思いますよね。先日、友人と海に行った時、浜辺で流木を集めてたき火をしながら、家から持ってきたスープを温めて食べたんです。最高でした!
それは最高ですね!料理をしなくても、何かを串に刺して温めたりするだけでも、豊かな気持ちになるし、温かいものを囲むということが人間の本能に触れるんですかね。
今の季節なら、カセットコンロをベランダに持っていって、何か温めるだけでも楽しいですよね。
私も家族でやっています!カセットコンロとホットサンドメーカーをベランダや近所の公園に持っていって、外でホットサンドを作ったり、コーヒーを挽いてお湯を沸かしたり。たったそれだけのことで、家で同じことをするのと全然違うんですよね。そこがアウトドアのおもしろいところです。
そうですよね。それに、アウトドアだとスープ料理のメリットがより感じられますよね。洗い物が少ないとか、多少煮すぎても大丈夫とか。
スープって原始的な料理だからこそ、アウトドアにぴったりなのかもしれませんね。
さて、この連載は『耳で楽しむおいしいスープレシピ』ということで、アウトドアならではの鳥の声、風の音、川のせせらぎとともに、料理の音も楽しんでいただきたいと思っていました。いかがでしたか?
すごく楽しかったです!何かを切る音って、意識的に聴かなければ聴こえない音だと思うんです。例えば、しょうがを切る時に「サクサク」じゃなくて、繊維を「ザクザク」切っているなぁとか。野菜によって切る音もまったく違いますよね。
今回も、トマトとしいたけとねぎ、それぞれ違いましたよね。しいたけは「モケモケ」するような音がしたり(笑)。意識して聴いてみると、それだけで豊かな気持ちになりますよね。
本当にそうですね。今回は久しぶりにアウトドアで料理ができて楽しかったです。ありがとうございました!