冷凍保存もできる!キャベツたっぷり「鉄板味噌キャベツメンチ」
芸人ボルサリーノ関好江さんに料理を作ってもらいながら、おいしさのポイントなどを伺う本連載。今回は、メンチの具にも下敷きにも、キャベツをふんだんに使うのがポイントの「鉄板味噌キャベツメンチ」。野菜の割合が多めだから、見た目よりもずっと軽い仕上がりに。時間のあるときにまとめて調理して冷凍しておけば、未来の自分の救世主になってくれるはずです。
鉄板味噌キャベツメンチ
材料(7〜8個分)
作り方
- 1. キャベツは粗めに刻んで塩少々(分量外)をふって揉み、5分ほど置いて水気をしぼる。 玉ねぎはみじん切り、大葉は千切りにする。豚こまは粗く刻む。
- 2. 1と卵を合わせてこね、塩こしょうで味付けしてパン粉(大さじ3強)で固さを調整し、丸く形成する。
- 3. 2にパン粉をまぶし、170°Cの油で揚げる。(少なめの油で揚げ焼きにしてもOK)
- 4. 味噌だれの材料を鍋に入れ、とろりとするまで煮詰める。
- 5. 大きめのスキレットや鉄板を温めて千切りにしたキャベツを敷き詰め、3を並べて4の味噌だれをかけて白ごまを散らす。
冷凍方法
揚げたメンチカツを冷ましてから一つずつラップに包み、保存袋などに入れて冷凍。自然解凍か、レンジで半解凍してからトースターで焼いて、お好きなソースをかけて。揚げる前に冷凍しても大丈夫です。
メンチカツの野菜の分量を増やすと軽やかになる
今回のレシピのテーマは「冷凍してもおいしいおかず」です。
「メイン料理にもお弁当にもできる、おかずのストックがあると、いざというときにうれしいんじゃないかなぁと思ったんです。私はよく揚げ物を冷凍保存しておいた過去の自分に感謝することがあります(笑)」と関さん。
「メンチカツって、とんかつやハンバーグよりも重いイメージが私の中にはあって。でも野菜の分量を増やせば、重さがぐっと軽減されて、いっぱい食べられる気がするんです。」
これまでにも、あらゆる野菜を入れることを試みてきたのだそう。
「お肉と同量の白菜を入れてもおいしいんですよ。あと、菜の花や刻んだにんじん、ごぼうもいける!割となんでも合うんです。でもブロッコリーはいまいちうまくまとまらなかったかな…(笑)。」
今日はキャベツをたっぷり入れて作ります。まずはざくざく粗めのみじん切りに。
塩をふって揉んで、5分置いてから水気をしぼります。この下ごしらえをすることで、キャベツのカサが減って、メンチのたねがグンとまとまりやすくなります。
キャベツは普段からよく食べているという関さん。
「キャベツ、煮ても焼いても生でもおいしいですよね。そうそう、キャベツといえば昔、レイザーラモンRGが営業先でもらった雪下キャベツをくれたことがあったんですが、なぜかティファニーのでっかい紙袋に入ってて。思わず『ティファニーじゃん!』って言ったら、『まあ、(キャベツは)宝石みたいなもんなんで』って言っていました(笑)。」
ほかの食材もどんどん刻みます。大葉は千切りに、玉ねぎは粗みじん切りで。
豚こまも粗めに刻んでいきます。
「食べ応えを出したくて、豚こまを刻んで入れています。でも、刻むのがめんどうな場合にはひき肉を使っていただいても!」
材料をすべて刻み終わったらボウルにまとめて、卵を割り入れて、こねていきます。
ある程度混ぜ合わせたら、塩とこしょうを振り、さらに生パン粉を入れて、たねの固さを調整します。
「パン粉の量は、たねの水分量をみながら調整してくださいね。」
ほどよい固さに落ち着いたら、丸めていく作業に入ります。
「大きさは自由で!」と関さん。
全部同じくらいの大きさにしてもいいのですが、大きいものと小さいものを両方作っておくと、食べたい量に応じて選べるのでおすすめです。状況に合わせてお好みで。
丸く成形したたねに生パン粉をまぶしたら…
ジュッ。
熱した油のなかへ。フライパンと少しの油だけでも十分揚げられます。たっぷりの油を使って揚げるのが好きな場合は、もちろんそれでもOK。
「生パン粉は衣が色づくまでに時間がかかるから、揚げるものの内側にしっかりゆっくり火を通したいときには、生パン粉を使うのがいいと思っているんです。」
徐々にこんがりと焼き色がつきはじめてきました。ころんとした姿がなんとも愛らしい。彼らを眺めていると、食べる前からもう、ハフハフしながら口に入れる瞬間のことを想像してふわふわ微笑んでしまう。
冷凍保存する場合は、揚げ終わったメンチカツをしっかり冷ましてから、一つずつラップに包み、保存袋などに入れて冷凍庫へ。1か月以内をめどに食べ切るのがおすすめです。
食べる際は、自然解凍もしくは電子レンジで半解凍してから、オーブントースターで焼くとこんがり仕上がります。
名古屋風アレンジをプラス!
さて、そのまま食べてもおいしいキャベツメンチなのですが、ここからは、赤味噌と鉄板の名古屋風アレンジを加えて、さらにバージョンアップをさせていきたいと思います。
味噌だれの材料をぜんぶ鍋に入れて、とろりとするまで煮詰めておきます。
鉄板がある場合には鉄板、ない場合にはスキレットなどを温めて、千切りキャベツをたっぷり敷き詰めたら、メンチカツを並べて。味噌だれをたっぷりかけたら…
完成!
赤味噌だれがぎゅっと染み込んだ、キャベツメンチからわき立つ湯気や香りが、ものすごい勢いで食欲をそそってくるので、勢いよくいただきたいと思います。
メンチの下に敷かれた味噌味のキャベツもたまらない
わあ!とにかくまず食感が楽しい…!粗めに切り刻んだ豚こまの歯応えが効いていて、お肉を味わっている実感がしっかりとあります。一方で、キャベツや玉ねぎ、大葉がたっぷり入っているので、不思議とお腹にズンとたまらない。
だからつい、もう1個食べたいなぁという気持ちが押し寄せてきて、次から次へと食べているうちに、あれよあれよと完食してしまいそうになる。
さらには、たれや油を吸い込んで、くったりした質感になった千切りキャベツたちの味わいもたまらないという。ああ、おいしさがこわい。
無心に食べ続ける筆者に「メンチカツの下に敷かれている、味噌だれが染みたキャベツ、すごくおいしいですよね」とにこにこ語りかけてくれた関さん。
「名古屋にも、こういう風に敷かれた状態のキャベツが食べられるお店があって、すごくおいしいんですよ。ザ・ぼんちのまさと師匠(里見まさとさん)がそのお店が好きで、以前「これ(敷かれたキャベツ)がうまいねんな」って連れていってくれたんです。それで、「私もこれ好きです!」って伝えたら、以来お会いするたびに「今日キャベツ行くか?」って誘ってくださって(笑)。」
思いっきり揚げ物をほおばりたい気持ちと、野菜をたっぷり食べたい気持ち。その両方を見事に両立させてくれる上に冷凍保存までできちゃう、頼もしいキャベツメンチ。ぜひこの頼もしさに身を委ねて、これからの暑い時期ももりもり、自分の心とからだが「おいしい!」って感じられるものをいっぱい味わっていきましょう。
ちょっと余裕があるときに作っておいたら、少し先の未来で、余裕がない日の自分がきっと救われるはず。