白菜と油揚げ、豆腐の精進スープ/高菜入りの炒り卵
スープ作家 有賀薫さんの声でお届けする“聴くレシピ”。また新たな年を迎え、この『耳で楽しむおいしいスープレシピ』もあと少しで3周年を迎えます。今年もいろいろなスープ作りの音をお届けしますので、料理の音を感じながら一緒に作っていただけたら嬉しいです!
新年最初にご紹介するのは、「白菜と油揚げ、豆腐の精進スープ」。旬の白菜と大豆の旨みがたっぷりで、ごま油としょうががふわりと香る、滋味深く、からだにやさしい一品です。さらに、サッと作れる副菜「高菜入りの炒り卵」もあわせてご紹介します!
白菜と油揚げ、豆腐の精進スープ
材料(3人分)
作り方
- 1. 豆腐は水切りをしておく。キッチンペーパーに包んでレンジに1〜2分かけるか、斜めにしたまな板の上に置いて重しをのせておく。
- 2. 白菜を2cmほどに切り、えのきはいしづきを取って3等分に切る。白菜の軸、葉、えのきの順に鍋に入れる。
- 3. 油揚げは1cm幅に切り、しょうがは千切りにする。
- 4. 2の鍋にしょうがを散らし、塩、ごま油、水1カップを加える。ふたをして、中火で6〜7分ほど蒸し煮する。
- 5. 水2と1/2カップと油揚げ、手でちぎった豆腐を加え、2〜3分軽く煮込む。
- 6. 味を見て塩で調節し、仕上げにごま油(分量外)をふって、完成!
高菜入りの炒り卵
材料
作り方
- 1. 高菜を刻む。
- 2. 卵を割って溶き卵にし、1を加えて混ぜる。
- 3. フライパンを中火にかけ、油を引く。フライパンがしっかり温まったら2を流し入れ、混ぜながらふんわり炒めて完成!
おいしいポイント
食卓全体で「旨みのバランス」を考えよう
今回のスープの材料は、白菜・えのき・油揚げ・豆腐・水。だしも肉類も使わず、味付けは塩とごま油だけという非常にシンプルなスープです。作って食べてみるとビックリすると思いますが、食材それぞれの旨みが重なり合ってとてもおいしいです。
豆腐と油揚げからは大豆の旨みが出ますし、えのきからは、きのこならではの旨みが出ます。さらに白菜は、実は野菜の中でもグルタミン酸が多く、旨みをしっかり出してくれる野菜なんです。また、たっぷりのしょうがと仕上げのごま油で風味付けをしています。この「風味で食べる」ということを覚えていただくと、だしや肉類の旨みに頼りすぎない食べ方ができると思います。
日々の献立を考える時に、食卓の料理すべてに強い旨みがある必要はないと思うんです。お肉やお魚にしっかりと旨みがあれば、添えるスープは塩味や旨みが少し薄くても、セットで食べた時に「ちょうどいい」と感じるはずです。一口目に旨みを強く感じる料理ばかりが食卓に並んでしまうと、食べ終わった時に「食べ疲れたな」「旨みがありすぎたな」と感じると思います。今回のようなあっさりスープを食卓に取り入れて、食卓全体の「旨みのバランス」がとれるよう工夫できるといいですね。