ちょっぴり料亭気分で、三つ葉の消費にも便利な「えのきと三つ葉のおひたし」
元TBSアナウンサーで、現在は広島在住のフリーアナウンサー枡田絵理奈さんによる「聴くコラム」。毎回「食」や「暮らし」にまつわる様々なお話をしながら、枡田さんおすすめの「おうちごはん」を一品紹介してもらいます。
第40回のテーマは、「こだわりの調理道具」について。愛用している基本の調理道具や調理道具へのちょっとしたこだわりなどをお話します。またコラムの最後では、おうちで簡単に作ることができる「えのきと三つ葉のおひたし」の作り方も。簡単でおいしい!レシピとともに、コラムをお楽しみください。
歯が抜けるお年頃の食事事情
みなさんお元気ですか?わが家では、もうすぐ8歳になる長男の前歯がようやく抜けそうです。下の歯は4本抜けているのですが、上の歯はこの夏休みに初めてグラグラし始めて、今ブラーンという状態なんです。
こういう時ってごはんに気を使いますよね(笑)。実は今回の収録は、子どもたちの夏休み中の朝8時から行っています。今も元気な子どもたちが家にいるんですが、今朝は収録もあるし、さっとごはんを食べてほしいなと思い、ソーセージとクロワッサンととうもろこしを出したんです。
そうしたらソーセージを食べた息子が、「ちょっとこれ食べられないかも…ごめん」と言うんですね。じゃあ、とうもろこしは?と出したら、「これも無理だわ」って言われて。とうもろこしを一粒ずつこそぎ落として出しました。
すると今度は「クロワッサンもあかん」となって(笑)。奥歯とかで食べてくれたらいいんですけど、やっぱりまだ器用に奥歯だけで食べる、というのが難しいみたいで。歯が抜けると子どもの食事にすごく気を使うなあと思いました。
先日子どもがキャンプに参加した時に、隣のテーブルの男の子がごはんと一緒に前歯を飲んじゃったそうで、こういったこともこの時期の「あるある」なのかなと思います。でも「歯がグラグラするからごはんがなかなか食べられない」というのも、後から振り返ったらきっとかわいい思い出になるんだろうなと感じています。
調理道具、一番のこだわりは「包丁」
みなさんは普段、どんな調理道具を愛用していますか?
私の一番こだわりのある調理道具は包丁です。お肉、お魚、そして野菜。料理の中で「切る」作業は本当に多いので、その度にストレスがかかるのか、それとも幸せな気持ちでときめきながら切ることができるのか、それだけでお料理の時間は大きく変わってくるんじゃないかなと思っています。
私が愛用している包丁は、京都にある「義定」というところのものです。肉も野菜も切れる「三徳包丁」などすべてここで揃えているのですが、野菜を切るための「菜切り包丁」が一番のお気に入りです。
よくある普通の包丁って三角形だと思うんですけども、ここの菜切り包丁は四角い包丁で、先がとがっておらずちょっと丸くなっていて、重みがあるんです。この重みのおかげで、野菜を切る時にグッと上から押さなくてもストンストンと勝手に下に降りてくれるような感じなんですね。
玉ねぎのみじん切りとかキャベツの千切りはもちろん、大根の皮むきとか、もう何をやっても気持ちよく切ることができるんです。
そして、この包丁がまな板に当たった時のスコンスコンという音が大好きです。この音が、またすごく料理上手に聞こえるようで、私がこの菜切り包丁で野菜を切っていると、子どもたちが寄ってきて「おー上手だね!」なんて褒めてくれたりします。なんとなくプロっぽい雰囲気が出るのが、この包丁だなと思います。
ほかにも、果物用のペティナイフや、よくお魚をさばくので、出刃包丁や刺身包丁も「義定」でそろえています。
広島の三越というデパートで、年に一回「京都展」というのをやっているんですね。そこに職人さんが毎年来て包丁を販売してくれます。そこで職人さんに、自分の生活スタイルやよく作る料理を話すと、「じゃあこの包丁がいいんじゃない?」といった感じでアドバイスをしてもらえるので、ちょっとずつ買い足しています。
さらに、買い足しに行く時に、それまでに買った包丁を持っていくと、そこで研いでくれるんですね。やっぱり作った方が研いでくださると、また新品に戻るように感じられます。長く大事に使っていきたいなと思っています。
魚をさばかない方にも刺身包丁はすごくおすすめです。お刺身は切り身よりもサクの方が安く売られていますし、消費期限も長めでお得です。このサク、普通の包丁だとなかなかきれいに切れないですけど、刺身包丁だと自分の好きな薄さにすごくきれいにスライスできるんです。
今日はお魚でしゃぶしゃぶにしようとか、ちょっと角切りっぽくしようかなとか、さまざまな用途に合わせて使うことができるので、刺身包丁があると料理の幅が広がると感じます。
ちなみにキッチンばさみも同じ「義定」で買っています。例えば鯛の骨ってめちゃくちゃ硬くて、包丁で切ると刃がダメになっちゃうし、ケガもしてしまいそうですが、このはさみだと切れ味がよくて、鯛の骨もボリッと切ることができるんです。
刃物類は切れ味がいい方が安全に使うことができるので、ぜひみなさんもこだわりの包丁などを見つけてみてはいかがでしょうか。
おすすめの愛用している調理道具
包丁とちがい、私はまな板はわりと消耗品と捉えています。細かい傷などができてしまうと、そこから菌が繁殖してしまうんじゃないかと気になるので、食洗機の高温でしっかりと洗いたくて、薄くて食洗機に入るサイズを買って、定期的に買い替えるようにしています。
ただ、この聴くコラムの料理写真でも使っている栗原はるみさんの「丸まな板」は、たくさんの食材を切る時にくるくる回しながら使うことができて、まな板を取り替えずに済むのがすごく便利で愛用しています。
それからもう一つおすすめしたいのが、「ToMay」のマルチポット。スープはもちろん、炒め物も揚げ物もできて、一台で七役使えるんです。ポットなので高さがあって、油がはねても鍋の中のみで、やけどもしないしキッチンも汚れない。揚げ物の時も少しの油で深さが出るので、すごく揚げやすくて気に入っています。
あと、これから買いたいものは七輪です。友達家族が遊ぶ時に持ってきてくれるんですけど、ソーセージやお肉、マシュマロを串に刺して焼いていて、べっこう飴も作ったりとすごく楽しいんですよね。お手入れもすごく簡単そうなので、わが家もそろそろ七輪デビューしたいなと思っています。
みなさんのこだわりの調理道具についてもぜひ教えてくださいね。
子どもが食べやすく、大人はピリ辛で「えのきと三つ葉のおひたし」
聴くコラムで毎回ご紹介している、わが家のおうちごはん。今回ご紹介するのは「えのきと三つ葉のおひたし」です。副菜メニューなのですが、これが食卓にあると本格的な雰囲気になります。とってもおいしくてわが家では子どもも大好きな一品です。
材料
作り方
- 1. うどん出汁をお吸い物くらいに薄めて沸かし、えのきを入れて煮る。(えのきはそのままでも半分くらいに切ってもどちらでもOK!)
- 2. えのきに火が通ったら火を止めて、三つ葉を加える。
- 3. 余熱で三つ葉に火が通ったら、冷蔵庫でよく冷やす。
- 4. 器に盛ってお好みで糸唐辛子とごまをのせて完成!
ポイントは、できあがったらキンキンに冷やすこと!三つ葉が入るとなんだか「料亭感」が出ておしゃれに見えますよね。三つ葉ってお料理とかの添え物で使っても余りがちなので、そんな時に消費メニューとして試してみていただけたらと思います。
大人用には糸唐辛子のようなものとごまをかけていただけるとさらにおいしくなります。みなさんもぜひ試してみてください。
さいごに
枡田絵理奈の聴くコラム、今回は「こだわりの調理道具」についてお話ししました。みなさん楽しんでいただけたでしょうか?ちょっとでも参考になればうれしいです。
ここで編集部からの質問にお答えしたいと思います。
秋といえば秋刀魚や鯖、鮭などいろいろな魚が旬を迎える時期ですが、枡田さんが特に好きな魚はありますか?また、魚をおいしく食べるおすすめのレシピもあれば教えてください。
魚はなんでも大好きです。広島だったら「小イワシ」というのがあって、カタクチイワシのちょっと大きい感じの魚なんですが、広島では「10回洗うと鯛の味」と言われていて、ていねいに洗うと鯛みたいに甘味のある味になるとされている魚なんです。その小イワシを天ぷらで揚げて食べるのが好きです。
あと、アイスムの連載の初期の方でご紹介した「エビのクリーム煮」は、そのまま白身魚でも応用ができるおすすめの魚レシピです。私はタラが好きなのでそれでよく作っています。タラに塩こしょうをして、ちょっと小麦粉をかけて、オリーブオイルでカリッと焼いたら、そこに生クリームをドボドボッと入れて煮るだけで完成です。あとは、塩と黒こしょうで味の調整をしてください。
これは本当においしくて、わが子もよく食べます!「あれ?四切れあったのにもうなくなっちゃったの!?」という感じで、あっという間に平らげてくれます。魚というと塩味とか焼き魚のイメージがありますが、このクリーム煮もぜひ試してみてくださいね。
こちらから感想やリクエストをお送りいただけます。コラムを聴いて感じたことやテーマに関するみなさんのお話など、ぜひ気軽に送ってみてくださるとうれしいです。もちろんVoicyのコメント欄でもOKです。お待ちしています!
それでは、また次回お会いしましょう。枡田絵理奈でした!