フライパンも包丁も使わない、トースターで焼くだけの「パリパリお好み春巻き」
元TBSアナウンサーで、現在は広島在住のフリーアナウンサー枡田絵理奈さんによる「聴くコラム」。毎回「食」や「暮らし」にまつわる様々なお話をしながら、枡田さんおすすめの「おうちごはん」を一品紹介してもらいます。
第21回は、リクエストがあった「妊娠・出産」についてのお話です。おうちごはんのレシピは、幼稚園児でも作れる「パリパリお好み春巻き」です。簡単でおいしい!レシピとともに、コラムをお楽しみください。
読者の方からのメッセージにお答えします!
先日、感想フォームにメッセージをいただきました。今日はそちらを一つご紹介しますね。
マスパンさんへ、いつも楽しいコラムをありがとうございます。マスパンさんが毎回教えてくださるお料理のレシピに日々助けられています。
手軽にやってみようと思えるものが多いので、現在第二子妊娠中なのですが、つわりのひどい時期にも夫や子どもに作ってあげたいと思い、がんばって作れていました。
あまりコラムと関係ない内容で申し訳ないのですが、マスパンさんが2番目のお子さんを妊娠中から、出産後の間で大変だったエピソードなどがありましたら、差し支えなければ、お話ししていただけたら励みになります。これからも楽しみにしております。
ということで、メッセージありがとうございます!私のこのズボラレシピがお役に立てているとしたら、本当にうれしく感じます。せっかくですので、今回はリクエストいただいた「妊娠・出産」についてお話しようかなと思います。
つわりと体重と二人目と
妊娠中と出産後のエピソードということですが。わが家には2歳、4歳、6歳の子どもがいるので、そんなに昔の話でもないんですけどね、なんでだろう…?あんまり思い出せないものなんですよね(笑)。そのときのことを一生懸命思い出してみました。
イメージしていた妊婦さんというのは、日々お腹の中の赤ちゃんと対話をして、成長を喜びながら穏やかな時間を過ごす…というものだったんですね。
でも実際は、つわりが辛かったり、なんというかこう、日々、自分の体が自分の体じゃなくなっていくような、どんどん変化する体に気持ちがついていけなくなったりするような時期もあったりして。それに加えて、お腹は重いし、しんどいし、寝てたら足もつるし…とかね。けっこう、「ああ辛かったな」って思う記憶もあるんですよね。
だけど産んでしまうと、そういった記憶はほとんど消えてしまうんです。なんか今となっては、しんどかったことも含めて本当にいい思い出として残っています。
メッセージをくださった方は二人目のお子さんを妊娠中ということなので、今回は私の二人目妊娠中のときのお話をしますね。
私は二人目の妊娠中はつわりが辛くて、例えると、毎日ノロウイルスみたいな感じで本当に大変だったんです。ただありがたかったのが、つわりの期間が1か月間だけだったということ。ちょうど主人がキャンプ中で、その1か月間まるまるアスリートのごはんを作らなくてよかったっていうのが、せめてもの救いだったんです。
一人目のときは、つわりで辛ければ、自分が横になればいいだけの話だったんですけど、やっぱり上の子がいると、自分がしんどくても「ママ遊ぼうよ」とか「ママお腹空いたー。あれ食べたい」とか言われるんですよね。「ちょっとごめん、今はごはんの炊ける匂いは辛いよー」って思いながら、でも顔をなるべく遠くにして、おにぎりを握ったり、子どもの料理を作っていたのを覚えています。
あと私はその時期ごま油の香りがすごくダメで、ちょっとごま油の香りがふわっとするだけで、ウッてなっていたんです。逆に、それまで私は甘いものってほとんど食べられない体質だったんですけども、その時期はとにかくチョコレートと生クリームがおいしくて!味覚が変わったような感じでした。
なんとかつわりを乗り越えたなと思ったら、今度は食べ物が全部おいしく感じられて。すごく幸せな気持ちになっていたら、太ってしまったんです。通っていた産婦人科がけっこう体重管理に厳しいところだったので、何回も呼び出されて(笑)。「堂林さん、このペースで体重増えたらまずいよ」ってよく注意されていました。
栄養指導みたいなのを受けたりもするんですけど、気をつけていても、水だけでも体重が増えていくという感じで。
もう、何をしてもどんどん増えちゃうんだよ、と悩んだ結果、私は検診の度にどんどん薄着になっていきました(笑)。なんとか洋服を軽くして体重を減らそうと…。。妊娠初期は冬場だったので、ニットとかデニムとかを履いていたんですけど、もう最後の方はワンピースとかを着て体重を測りに行っていたのを思い出します(笑)。
長男のイヤイヤ期と重なった出産時
出産のタイミングがちょうど、上の子が2歳になる頃で、イヤイヤ期だったんですよね。それがすごく大変で。
出産時には主人と上の息子が立ち会ってくれたんですけど、出産中のビデオを見ると、私が「ちょっと待って、そっちは行かない」とか、「その管は触っちゃだめ」とか言っていて(笑)。主人も「ちょっと静かに」と言っていたり、そんな声が響き渡りながらの出産で、とにかく大変だったのを覚えています。
息子はママっ子で、これまでずっと一緒にいたのに、私が入院して初めてママがいない夜を体験しました。ほんと今でも思い出すんですが、主人から息子が泣き止まないって夜中にテレビ電話がかかってきて、そのテレビ電話で泣いてる息子の顔を見て、私ももう不安で不安で、寂しくて寂しくて、入院している部屋で枕がグシャグシャになるまで泣いてしまって。
でもね、 3日ぐらいするとだんだん一人の時間が快適になってきたりもして(笑)。こんな自由な時間っていうのはなかなかないから、今のうちに味わおうと思ったりしてね。
退院して家に帰ったら、本当にたった4、5日間ぐらいのことなんですけど、息子がすごく立派に成長していて。
私も二人目のお母さんとしてのスタートだけど、息子ももうお兄ちゃんとしての人生をスタートしたんだなと感じました。
赤ちゃん返りとかを心配している方もいらっしゃるかもしれないので、ちょっとだけわが家の赤ちゃん返り対策をご紹介しようと思います。私はまず、息子の気持ちになって考えてみたんですね。
きゅうに、えたいのしれない、よく泣くやつがやってきた。今までぼくだけのママだったのに、こいつはママをうばった。しかもなんか、こいつのせいで「やっと寝たのに」とかっておこられるぞ。なんなんだ、ぼくはもうこいつきらいだぞ。
って。こうなってはいけないなあと思ったんです。
だから例えば、「おっぱいマン」だった息子には授乳する姿をなるべく見せないようにして、「僕のおっぱいをあの子が取った!」と思わせないようにしたり。あとは赤ちゃんを腹話術の人形みたいにして、「お兄ちゃんこんにちは!私はお兄ちゃんに会いたくて、お兄ちゃんといっぱい遊びたくて、このうちに来たんだ」と言ってみたり。
なにかあったら「お兄ちゃんって天才だね」とか、「もうお兄ちゃん大好き。世界で一番大好き」って、ことあるごとに、赤ちゃん腹話術でお兄ちゃんのことをほめたたえていました。
あとは、赤ちゃんがやっと寝たときに、息子が走ってきて起こしちゃったりしても、「もうやっと寝たのに起こさないでよ」とか、「それやったら危ないでしょ?」と言いたくなる気持ちをグッと抑えて、「あ、泣いちゃったね。もう 一回寝かしつけてみようか?でもありがとうね、赤ちゃんのこと気にしてくれたんだよね」というような声がけをしながら、なるべく赤ちゃんのことでお兄ちゃんを怒らないようにと気をつけていました。
そのおかげなのかどうかは分からないんですけども、息子は超「妹ラブ」な子に育ちまして。妹が泣いて、私が急いで駆けつけたら、息子が自分の洋服をまくり上げておっぱいを飲ませようとしていたこともありました(笑)。そんな感じで、愛情あふれるお兄ちゃんに育ってくれたなあと感じています。
妊娠中にぜひ試してほしい、おすすめの一品。
妊娠中のごはんにおすすめのメニューがあるのでご紹介しますね。
これは、管理栄養士さんが教えてくださったメニューなんですが、「あさりとトマトとひじきのポン酢和え」というものです。
缶詰のあさりの水煮とミニトマトを細かく切ったもの、そして水で戻したひじきにポン酢を入れて混ぜるだけの一品なんです。
つわりの時期、こってりしたものは気持ち悪いぞというときぴったりのメニューで、すごくさっぱり食べられます。
あさりは栄養たっぷりですし、ひじきも鉄分が豊富ですし、妊娠中に必要なエネルギーや栄養素をとることができるので、ぜひ妊娠中の方は試してみてくださいね。
一人目でも 二人目でも 三人目でも、妊娠中っていうのは幸せな反面、大変なこともあると思いますし、特に今の状況だと面会とかもできなかったりと、不安な気持ちになる方もいるかと思います。本当に、こんなご時世ですのでみなさんご自愛くださいね。私の妊娠中のエピソード、少しでも参考になったらうれしいなと思います。
親子で料理。幼稚園児でも作れる「パリパリお好み春巻き」
「聴くコラム」で毎回ご紹介している、わが家のおうちごはん。今回は、子どもと一緒に作ることができる「パリパリお好み春巻き」です。これはフライパンも使わないし、包丁も使わないお料理です。
材料
作り方
- 1. 耐熱容器にキャベツともやしを入れて、塩こしょうをふる。
- 2. 1の上から卵を割ってのせる。黄身につまようじで穴をあけておく。
- 3. 2にラップをして、電子レンジで1分30秒〜2分加熱する。
- 4. 春巻きの皮の上に半分に切ったチーズをのせ、その上に3の具をのせて巻く。
- 5. 水溶きの小麦粉や片栗粉でのりづけする。
- 6. オーブントースターで3〜4分、焼き色がつくまで焼いたら完成!ソース・マヨネーズをかけて食べる。
パリッとした食感がとっても良くて、これにソースとマヨネーズをつけたら、味はお好み焼きだけど、おやつのような感覚で野菜が食べられるメニューになります。
春巻きの皮って、揚げないといけないのかな?と思っていたんですけど、実はそのままでも食べられるらしいんです。
なので、そのまま食べられる春巻きの皮であれば、焼き色さえ付いたらオッケーです。油も使わなくていいですし、フライパンも使わなくていいですし、危なくないので、子どもたちと一緒に楽しく作ることができる料理だと思います。
うちの子どもたちは三時のおやつに出すと「おかわり!」と言ってどんどん食べてくれます。油を使っていないので、手がベタベタしないんですよね。
子どもたちが油分のあるものを食べた後に、リモコンとかテーブルとかドアノブとか…いろんなところを触ると、指紋がペタペタ付いて気になっちゃいますよね。これだと食べた後も手がさらっとしていて家が汚れないというメリットもあります。
すごく手軽ですので、ぜひみなさん作ってみてくださいね。
さいごに
感想をいただけますと、私もとても励みになりますし、今回のようにリクエストにもお答えしていきたいと思いますので、みなさんぜひ気軽に送ってみてください。お待ちしています!
それではまた次回お会いしましょう、枡田絵理奈でした !