お疲れの日の一品に。栄養満点!レンジで簡単「野菜たっぷりナムル」
元TBSアナウンサーで、現在は広島在住のフリーアナウンサー枡田絵理奈さんによる「聴くコラム」。毎回「食」や「暮らし」にまつわる様々なお話をしながら、枡田さんおすすめの「おうちごはん」を一品紹介してもらいます。
第29回のテーマは「おいしい香り」。香りが好きな食べ物や、香りにまつわる思い出などをお話します。またコラムの最後では、おうちで簡単に作ることができる「野菜たっぷりナムル」の作り方も。簡単でおいしい!レシピとともに、コラムをお楽しみください。
一番好きな季節、秋
いろいろな食べ物が旬を迎えて、実りの秋を感じますね。夜もだんだんと長くなってくる頃ですが、みなさんいかがお過ごしですか?
私はいつも犬の散歩をしているんですけど、夏に聞こえたカエルとセミの大合唱が、今ではスズムシやコオロギ、マツムシの歌っているような鳴き声に変わっていて。歩いていると、涼やかな風をふわっと感じるんですよね。一年で一番好きな季節だなあと思っています。
子どもが外遊びが大好きで、外遊びに関してもやっぱりこの時期がゴールデンですよね。すごく過ごしやすいなと感じながら過ごしています。
「食べたい!」の気持ちが湧き上がる香りの演出
秋は本当においしいものがたくさんありますよね。味覚だけじゃなくて、目でも楽しみたいし、嗅覚でも楽しみたいと思うのですが、みなさんは「おいしい香り」というと、どんな香りを思い浮かべますか?
私はこの時期だと、やっぱりさんまを焼いている香りです。さんまの塩焼きを七輪で焼くのはちょっと難しいので、わが家では赤外線の調理器、「ザイグル」というもので焼いています。これが本当に香ばしくて、いい香りがするんです。一瞬で秋を感じることができるので、この時期はさんまの塩焼きをよく焼きます。
あとは、たまにですが松茸ごはんも作ります。炊飯器を開けた時に、ふわっと香るあの香り、ときめきますよね。香りからおいしさと幸せを感じられるのっていいなと思っています。
食べる時って嗅覚もすごく大事だと思っているので、料理をする時には「香りで演出する」というのも結構心がけているんですね。
特に主人が試合を終えて、疲れた体で家に帰ってきた時に、台所からふわっと食べ物の香りがすると、「帰ってきたなあ。おいしそうな香りがするな」って幸せな気持ちになるんじゃないかなと思っていて。帰る頃を見計らって、ニンニクを火にかけ始めたり、スパイスたっぷりのカレーの香りが立つようにしてみたりと工夫をしています。
これからの時期だと、おでんの出汁のやさしい香りとかがふわっと香ると、嗅覚から食欲のスイッチが入るとでも言うのでしょうか、 「おなかがすいてきた、今からおいしいものを食べるぞ!」っていう、心と体の準備ができるんじゃないかなと思うんですよね。
レストランに入った時においしそうな香りがすると、それだけで気持ちが上がりますよね。レストランみたいにはなかなかできないんですが、それでも「いい香りがする」というのは、大事にしたいなと思っています。
ただやっぱりね、大根おろしとかを使ったりもするので、ときどきすごくきつい匂いになっちゃう時もあるんですけどね(笑)。
香りにまつわる、母との時々
私の母はピアノの先生をしていて、生徒さんを家に迎えて教えています。元々は外で教えることもあったんですが、私が生まれた時に家の中で教えるようにしようと思ったらしいんです。
私が幼稚園とか小学校から帰ってきた時に、手作りのおいしいお菓子の香りがする家で迎えたい、と母は思っていたようなんです。それが母なりのこだわりで。
学校が終わって家に帰ると、玄関を開けた瞬間に、焼きたてのケーキやクッキーの香りがふわっと広がるんです。すると、「安心できる家に帰ってきたなあ」とすごく感じられて、そのドアを開ける瞬間、というのが大好きでした。
このコラムにもよく出てくるんですけれども、母は結構おおざっぱな人で、味付けは全部すき焼きのたれとか、この料理おいしいなと思ってももう二度と同じものは出てこないとか、そんな感じなんですね(笑)。
それと同じで、お菓子も決して、お店みたいなスイーツというわけではなくて、ホットケーキミックスで作ったたねを丸めて揚げて、お砂糖をパラパラッとかけただけのものとか、スーパーにあるミックス粉を使ったスポンジケーキとか、そういったものだったりするんです。
それでも、学校から帰ってきて、母のピアノレッスンが始まるまでの30分ぐらいの間に、手作りのおやつを食べながら、二人で牛乳とか紅茶を飲んでその日あったことを話す、というのが今思い出しても、すごく愛しい時間でした。
私も子どもたちにそうしてあげたいとは思うんですけども、なかなか日々の生活に追われるとできなくて。母は私のためにがんばってくれていたんだなあと、大人になって、母になって、また改めて感謝の気持ちでいっぱいになっています。
寂しさと幸せをセットで思い出す。初めてのホームベーカリー
結婚が決まった時、私の大親友でもある、同期の加藤シルビアアナウンサーに「どんな家庭にしたい?」と聞かれたんです。私は「憧れるのは、焼きたてパンの香りがするような家かな」というような話をしました。
そうしたら、TBSを退社する時、女性アナウンサー一同でホームベーカリー(パン焼き器)をプレゼントしてくれたんです。「これで朝からパンの香りに包まれた新婚生活を送ってね」って。
作り方は本当に簡単で、材料を入れてスイッチを押しておけば、翌朝パンができあがっています。朝、リビングのドアを開けたら、ふわーっと焼きたてのパンの香りに包まれるので、すごく幸せな気持ちになっていました。
この頃って、広島に来たばかりで友達が一人もいなくて、めっちゃくちゃホームシックになっていたんですね。なので部屋に入ってそのパンの香りがすると、みんなのことを思い出してすっごく心がいっぱいになってしまったりして。その、一番寂しくて、でも幸せだった時期、みたいなのを今でも思い出したりします。
でもそのいただいたホームベーカリー、もう壊れちゃったんですけどね(笑)。でも、またいつかやりたいなと思っています。本当に、焼き立てパン最高でした!
お散歩をしていると、よそのおうちからカレーの香りがしてきて「今日の夜ごはんはカレーなのかな?」って思ったりしますよね。そういう時間もすごく好きだったんですけど、そういえば最近、あまりよそのおうちから料理の香りがしてこないな、なんでかな?と思っていたんですけど。
よく考えてみたら、マスク生活のせいなのかな?と。五感っていうけど、最近嗅覚って休み気味なのかな、とふと感じました。
そう思うときっと子どもたちも香りに触れる機会が減ってきていますし、香りで何かを思い出す、というような経験がもしかしたら少なくなってしまうのかなと思ったりしたんですよね。
ですので、おいしい香りだけじゃなくて、家の外や公園で人がいない時には、あえてマスクを外して、金木犀のいい香りとか、銀杏のちょっとクセのある香りとか、これから雨が降りそうだなという香りとか、雨が降ったあとの濡れた土とか葉っぱの香りとか…。
そういうものを一緒に嗅いで、嗅覚を大事にしていきたいなと、今回このコラムのお話を考えながら感じました。
常備菜としても活躍してくれる「レンジで簡単!野菜たっぷりナムル」
「聴くコラム」で毎回ご紹介している、わが家のおうちごはん。今回は「レンジで簡単!野菜たっぷりナムル」です。
材料
作り方
- 1. にんじん、小松菜、えのきを細かくみじん切りにして、ひき肉と一緒に耐熱容器に入れる。ひき肉がなければ、普通のバラ肉をフードプロセッサーにかけるとおいしいです!
- 2. 塩、鶏ガラスープの素、ごま油をふりかける。お好みで砂糖を入れても。
- 3. ラップをして電子レンジ(600W)で4〜5分加熱する。
- 4. ひき肉に火が通っていなかったら、追加で1分くらい、火が通るまで加熱し、ひき肉をよくほぐして全体を混ぜ合わせてできあがり!
ごはんの上にかけてビビンバ風にして食べても。コチュジャンをつけると、さらにビビンバっぽくなります。
あとは、キンパの具にしてもとってもおいしいです。ほかにも焼きそばとか、油そばの具としても使えます。ラーメンに入れても、チャーハンにしてもとってもおいしいですよ。
常備菜として作っておくと、いろんな料理に使うことができます。
全部の野菜が混ざっていてお肉と一緒に食べられるので、わが家では子どもたちも大喜びで食べてくれます。フライパンとか火を使わずに、お茶碗一つだけで栄養がしっかりととれるメニューなので、「今日はもう疲れたから勘弁してくれー」っていう日に、ぜひ試してみてくださいね。
私は砂糖を少し入れた方がおいしいかなと思って足していますが、味見してみて何か足りないなと思ったら、お好みで色々足してオリジナルの味を作ってみてください。甘みづけには、昆布茶とかもおすすめです。
さいごに
枡田絵理奈の「聴くコラム」、今回は「おいしい香り」についてお話ししました。
今回は編集部から質問があるみたいなので、それにお答えしたいと思います。
秋といえばお米がおいしい季節ということで、おいしいごはんの食べ方や、おすすめの炊き込みごはんレシピがあれば教えてください。
実は私、「超白米派」なんです。ですので、炊き込みごはんはあまりやらなくて。たまに、きのこの炊き込みごはんとか、あとは釣れたての鯛をもらった時に、鯛の炊き込みごはんとかを作ったりするんですが、基本は白米をおいしく味わうタイプなんです。
ただ、わが家は子どもたちが混ぜごはんが大好きなのでよく作ります。すごく簡単で、子どもたちがよく食べてくれるレシピをご紹介します。
冷凍のコーンと、ポークビッツとかソーセージ、ベーコンなど、ちょっと塩気があるお肉を、コーンのサイズぐらいに細かく切って、バター醤油で炒めます。それをごはんに混ぜるだけ。これはもう、子どもたちがモリモリと何杯でも食べてくれますので、わが家ではよく作るメニューです。
混ぜごはんならお米を炊いたあとに変更可能ですし、冷凍ごはんとかも使えるので、困った時の救世主としてみなさんのレシピの中に入れていただけたらうれしいです。
それから、もはや作ってもいないんですけど(笑)、茅乃舎の「混ぜごはんの素」が私は大好きで、季節にあったおいしい混ぜごはんが売っているので、見かけたらそれを買ってストックしています。疲れた時に「買っておいてよかった」となるので、もしよければみなさんもチェックしてみてくださいね。
感想やリクエストは、アイスムのページからお送りいただけます。感想をいただけると私もとても励みになりますし、リクエストや質問にもなるべくお応えしたいと思いますので、ぜひ気軽に送ってみてください。Voicyのコメント欄でもOKです。お待ちしています!
それでは、また次回お会いしましょう。枡田絵理奈でした!
<編集部より>
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