コウケンテツさんに休日かぞくごはん&防災レシピを学ぶイベントを開催!
アイスムでこどもが自分で作ることのできるレシピコーナー「つくってみよう!休日かぞくごはん」を連載しているコウケンテツさん。9月28日、京都にてコウさんが観客の前で料理をするイベントを開催しました。読者をお招きしてコウさんの料理を間近でご覧いただき、試食や質問などもできるイベントです。
作ったのは、休日かぞくごはんで反響の大きかった「韓国混ぜごはんおにぎり(チュモッパ)」と「辛くないキムチチゲ」。また、少ない材料と調味料で作れて防災レシピとしても役立つ「じゃがいものチヂミ」もご紹介しました。
コウさんの温かいトークにより、終始なごやかな雰囲気に包まれたイベント会場。今回は、そんなイベントの様子をレポートします。
混ぜて握って簡単おいしい!具だくさんの「チュモッパ」
コウケンテツ:皆さん、ヤッホー!コウケンテツです。
コウケンテツ:まずは韓国のおにぎり、チュモッパから作っていきます。韓国語で「チュモ」はげんこつ、「パ」はごはんという意味で、「チュモッパ」はげんこつごはん。なんでも入れてキュッと握っちゃうごはんです。
ほかほかのごはんに材料を全部入れて混ぜます。おいしく作るコツは、違う食感のものを入れること。今回は、たくあんのコリッとした食感やとびっこのつぶつぶした食感がアクセントになっています。今日紹介する具のほかにも、自由に好きな材料を入れてくださいね。ハムや青菜を炒めたものを入れてもおいしいですよ。
混ぜれば混ぜるほどおいしいので、しっかり混ぜてくださいね。僕のルーツでもある韓国や東南アジアの料理って、いろんな味を混ぜる食文化なんですよ。ピビンパの「ピビン」も混ぜるという意味ですし、沖縄の「チャンプルー」も混ぜるという意味。いろんな味や食感を混ぜて楽しむのが和食との違いです。
では、ごはんを握っていきます。手のひらにラップを広げて、ごはんをのせたらキャンディのように包みましょう。これでもう完成!ラップのまま置いておけば、時間が経ってからも食べられるし、温めなおすのも簡単です。
コウケンテツ:ちなみに、おいしいおにぎりの握り方も教えちゃいますね。空中でごはんを回すように膝を使ってリズムよく、ふわっ、ふわっと握るんです。すると、口の中でふわっとほどけるおにぎりになりますよ。
やさしいお味でお子さんでも食べられる「辛くないキムチチゲ」
コウケンテツ:次はキムチチゲ。まずは玉ねぎとズッキーニを切ります。
実は包丁って握り方がすごく大切。つい柄の部分をガシっと握ってしまいがちだけど、刃と柄の接続部分を親指と人差し指でつまんでから他の指を添えるように握ると安定します。人差し指を伸ばすのもアリですよ。
コウケンテツ:僕は4人兄弟の末っ子で周りが大人ばかりだったから、子どもの頃は母の作る辛い料理が食べられなかったんです。そういうときは、キムチを洗って辛みを取りましょう。表面の唐辛子を落としても、うまみはしっかり残っているから大丈夫。キムチを洗った汁は大人のスープに入れれば無駄なく使えます。
このキムチチゲはとてもすっきりしてるんです。韓国語には「시원하다(シウォナダ)」という言葉があって、「清々しい」とか「すっきりした」という意味。風を浴びたときやビールを飲んだあとに「シウォナダ」って言います。おもしろいのが、韓国人はスープを飲んだときも「シウォナダ」って言うんですよ。だから、チゲって実は濃厚すぎない辛みとうまみが大事なんです。
コウケンテツ:豚肉を炒めたら、キムチ、玉ねぎ、味噌、にんにく、酒を入れてさらに炒めます。キムチを仕上げに入れるやり方もありますが、僕は一緒に炒めたほうがコクが出るから好き。
僕が中学生の頃、部活から帰ってきて塾に行くまでの30分の間に、母がさっとチゲを作ってくれたんです。子どもながらに「なんでこんなに短時間でおいしいものを作れるんだろう」と思いました。僕にとって思い出の料理です。
ここでお水を加えてグツグツ煮ます。日本のお出汁を使ったスープの場合、弱めの火加減でやさしく煮ることが多いと思いますが、韓国のスープは強火でグツグツ煮るものも多いんです。余分な水分を飛ばしてうまみを凝縮させるんです。
コウケンテツ:ズッキーニはすぐ柔らかくなるので、最後に入れます。ズッキーニに火が通ったらできあがり。ねぎやお豆腐、きのこを入れてもおいしいですよ。
食べてみて、辛味が足りない方は唐辛子をプラスしてもいいし、生姜をすりおろしてもいい。アジアや韓国のお料理は、味付けを自分好みに調整するのも楽しさの一つなんです。だからアジア料理や韓国料理のお店はテーブルに調味料が置いてあるんですね。
最小限の材料でできる!シンプルな「じゃがいものチヂミ」
コウケンテツ:このじゃがいものチヂミは、塩をかけるとおかずになるし、砂糖ときな粉をかけるとおやつになるんですよ。子どもの頃、学校から帰ってきたら自分で作っておやつに食べていました。
まずはじゃがいもの皮を剥きます。まず皮をひと剥きして、剥いた面を下にしてまな板に置くと安定しますよ。その後は落ち着いて、転がしながら剥いていく。じゃがいもの皮はごま油でこんがり焼くとパリッとしておいしいので、ぜひ捨てずに使ってくださいね。
フライパンにごま油を引いて、じゃがいもをおろし金ですりおろしていきます。すりおろしたら、薄く伸ばして形を整えてください。じゃがいものでんぷんのおかげで、しっかりと固まります。
コウケンテツ:焼き色がついたら裏返して、同様にこんがり焼いてください。カリッとしたら塩を振ってできあがり!
アレンジするとしたら、チーズをかけたり、桜えびや刻みねぎを入れてもおいしいですよ。
みんなで試食タイム!気になる料理のお味は…?
完成した料理を参加者の皆さんにも試食していただきました。あちこちから「おいしい!」という声が上がります。中には、あまりのおいしさに驚きの表情を見せる人も。
コウケンテツ:皆さん、お味はいかがでしたか?
参加者:おいしかったです。チュモッパは、とびっことたくあんの食感をしっかりと感じられました。キムチチゲは味付けがシンプルでさっぱり食べられます。じゃがいものチヂミは、「シンプルな材料だけでこんなに素材の味を活かせるんだ!」とびっくりしました。
コウケンテツ:ありがとうございます!食レポ、とってもお上手ですね!
コウケンテツ:久しぶりに皆さんの前で料理を作らせていただいたんですけど、直に皆さんのリアクションを見ることができて楽しかったです。今日紹介したレシピはどれも簡単なので、ぜひ皆さんもおうちで作ってみてください!
料理のお悩みをコウさんが解決!
参加者の皆さんやアイスム編集部からの質問に、コウさんが答える場面もありました。
参加者:食材を切るとき、あちこちに飛び散ってしまいます。どうすればきれいにまとまりますか?
コウケンテツ:ひと手間なんですけど、特にきゅうりなどの棒状の野菜を切るときは、一面だけさっとピーラーで剥くとまな板の上で安定します。あとは、落ち着いてスピードを落として切れば、そんなに散らばらなくなると思いますよ。剥いた部分は刻んで料理に使っちゃってください。
参加者:海外の料理でおいしかったものを教えてください。
コウケンテツ:僕は便利な舌と性格をしていて、どこの国で何を食べてもおいしいと思えるんです。でも、特に好きなのはトルコやギリシャ、イタリア、モロッコなどの地中海沿岸の料理。トルコや中東に近い東地中海や、北アフリカ側ではスパイスを使う頻度も高く、地域によってどんどん調理法が変わっていくのもおもしろいですね。
アイスム:コウさんのお子さんは料理をしますか?
コウケンテツ:もちろんしますよ。中学生の息子は休みの日に家族分のホットケーキを焼いてくれるし、小6の長女はケーキ作りが大好きです。小1の次女とは毎日一緒に料理していますよ。
アイスム:お子さんのやる気を育てるにはどうしたらいいのでしょうか?
コウケンテツ:最初から最後までやるとなると親も子も大変。だから僕は一工程だけ選んでもらっています。たとえばキムチチゲを作るなら、「玉ねぎを切る」「ズッキーニを切る」「炒める」などの工程の中から一つだけ選んでやってもらう。これを重ねていくと料理を覚えやすくなるし、成功体験のまま終われるからいいと思います。
アイスム:お子さんが料理をする際に気をつけることは?
コウケンテツ:お子さんは集中すると視野がかなり狭められ、意識が指先に一点集中してしまい、腕を火傷するケースが多くあります。だからフライパンの中だけに集中せず、フライパンの周りや全体を見るように指導してあげてください。また、お子さんは小さいのでコンロとの距離が近く、フライパンの柄に身体が当たってしまうこともあります。親御さんはフライパンの柄が当たらないように気を付けてあげてくださいね。
イベント終了後はコウさんが参加者のテーブルを回って記念撮影をするなど、和気あいあいとした雰囲気。参加者の皆さんも笑顔で、とっても楽しそうでした。
また、今回のイベントではマンションライフの良さを伝えるLINEコミュニティ「We LOVEマンションライフ」による住まいと防災のミニセミナーもあり、料理だけではなく家族との暮らしやマンションの住み替えについても考えていただける時間になりました。
アイスムでは今後も料理研究家の方々とさまざまなイベントを開催していく予定です。今後の開催についてはアイスムの公式 LINEアカウントでもお知らせいたします。今後も、一緒に「おうちごはん」を楽しんでいきましょう!