ナポリの郷土料理をアレンジ!「しらすゼッポリーニ」
芸人ボルサリーノ関好江さんに料理を作ってもらいながら、おいしさのポイントなどを伺う本連載。今回は青のりとしらすがたっぷり入った「しらすゼッポリーニ」。ナポリの郷土料理・ゼッポリーニを関さん流にアレンジした、お酒を飲む人も飲まない人も楽しめる、おつまみにおすすめのメニューです。少ない材料とシンプルな工程で作れるのもポイント!
しらすゼッポリーニ
材料(作りやすい量)
作り方
- 1. (A)の材料をボウルに入れ、ぬるま湯を注いで混ぜ、⻘のりとしらすを加えてヘラや手で混ぜる。
- 2. 1 にラップをして常温で1時間ほどおいて、1.5〜2倍に膨らませる。
- 3. 2を、油を塗ったスプーン2本で小さめにすくいあげて丸めて、170°Cの油で2〜3分揚げる。
- 4. お好みで追加の塩、⻘のりをかける。オリーブオイルを添えてもOK。
名前は「絶望」に似ているけど幸せのかたまり
ゼッポリーニとは、海藻を練り込んだピザ生地で作る、外はサクサク、内側はもちもちっとした揚げパンのこと。イタリア・ナポリの郷土料理で、日本のイタリアンのお店でも時々見かけます。
「立ち飲みワインバーの前菜プレートにのっていたのが最初の出会いでした。『なんだこれおいしい!』って衝撃を受けて、ゼッポリーニだけおかわりしちゃいました(笑)」と関さん。以来お店で見かけると注文しているのだそう。
「知らないっていう子には『これ、おいしいんだよ(ドヤッ)』って自慢したりもしています(笑)。だけどゼッポリーニ、名前がなかなか覚えられないんですよね。『絶望みたいな名前!』って言っちゃったことがありました。ペペロンチーノに『絶望している時でもおいしく食べられる』…というような意味合いがあるって話を聞いていたから、それとごっちゃになっちゃっていたみたいです(笑)。」
そんな絶望に似た名前をした、幸せのかたまりをさっそく作っていきましょう。まずは強力粉と薄力粉をボウルに入れます。
関さんのレシピは強力粉6:薄力粉4のバランス。
「強力粉が多いともっちり、薄力粉が多いとさくさくになる感じです。」
塩、砂糖、粉チーズ、ドライイーストを加えたら、ぬるま湯を注いでいきます。お湯の温度は熱すぎないことがとっても重要。
「指をスッと突っ込んでも大丈夫なくらいの“ぬるま湯”がいいんです。熱湯だとイーストが働かなくなっちゃうんですよ。」
ヘラなどでもちっと混ぜ合わせたら…
青のりとしらすを投入。しらすは関さん流のアレンジです。
「青のりとしらすは海のもの同士だから、相性がいいんじゃないかなと思ったんです。桜海老などを入れてもおいしいですよ。」
「青のりの量はお好みで!私の場合は、せっかく自分で作るのなら…って惜しみなくたっぷり入れちゃいます。たくさん入っていたほうが、なんというか、香りも豊かでうおおお!ってなるんです(笑)。揚げたあと仕上げにお塩を振って食べると、のり塩チップスみたいな味わいになるんですよ。」
「手に入れやすいから粉末状の青のりを使っているけど、生のりを入れてもOKです。ただその場合、結構塩っけがあるので、塩の量を調整するのがよいと思います。」
まんべんなく混ざったら、ラップをかけて常温で1時間ほどおき、発酵を促します。
大きさは均一じゃなくて大丈夫
そして1時間後の生地がこちら。発酵がすすみ、ふわっとしたいでたちになりました。
揚げ油を熱して170度くらいになったら、こびりつき防止のために油を塗ったスプーン2本で生地をすくい上げて…
くるんと丸めて。
この工程、楽しそう!
油に入れると…ふわっ。結構膨張するので、どのくらいふくらむのかを確認しつつ、お好みの大きさに調整していくのがおすすめです。
「全部同じ大きさにしなくても大丈夫。ちょっと大きいもの、少し小さいもの、いろんなサイズがあってもいいと思うんです。それから、先っぽのほうを細く尖ったような感じにして揚げると、カリッとした食感が楽しめておもしろいんですよ。」
2〜3分くらい揚げて、焼き色がついたら油をきります。
コロン。ごろん。ちょっとずつかたちが違うのがかわいらしい!完成しました。
ふわふわ!青のりのパワーが全開
自宅で揚げ物を作ることの醍醐味は、なんといっても揚げたてほやほやをふうふう言いながら食べられるところ。塩と青のり、お好みでオリーブオイルなどを添えて食卓に並べたら、あつあつのうちにいただいちゃいましょう。
「うーん!青のりたっぷり!おいしい!」と歓声を上げている関さんの様子を見ながら、筆者もえいっと頬張ります。
わあ、青のりすごい!全力で香ってくる…!
カリッとした歯ごたえを楽しんだあとは、ふわふわもちもちの食感に満たされ、食べ終わるとともにもう1個、すぐにでも口に運んでしまいたくなる中毒性。ああ、これはどうにも止められないやつだ。自分では制御できないので誰かに止めてほしい。食べ過ぎるのがこわいから。でも、やっぱり誰にも止められたくないかもしれない。こわくても、お腹がぱんぱんになるまで食べ続けたい…って願ってしまう。
「生ハムを巻いて食べてもおいしんですよ」と関さん。なんと!それはそれは、なんという贅沢なアレンジ術なのでしょう…。(なお撮影後に試したところ、ばっちりおいしかったことをここに報告させていただきます。)
「普段は自宅でみんなが集まった時とかに作っています。揚げたてのほうがおいしいから生地を先に作っておいて、ちょっとずつ揚げるようにしている感じですね。で、ゼッポリーニを揚げたから新たにお酒を用意しよう…ってなって、それを飲んでいるうちに今度はゼッポリーニが終わっちゃって。じゃあまた揚げよう!ってゼッポリーニを用意すると再びお酒が終わっちゃって。そんなことを繰り返しているうちに、タイミングがわからなくなって、飲み会が終わらない(笑)。」
エンドレスループな飲み会。でもそうなる気持ち、ゼッポリーニを味わってしまった今はもう納得感しかありません。
「冷めたものや冷凍で保存しておいたものをトースターで焼いて食べても、おいしくいただけます。」
お酒のお供にぴったりだけど、お酒を飲んでいない時のお供にもなる。そんなゼッポリーニは、少ない材料とシンプルな工程で作れるのもうれしいポイントです。揚げ物用のお鍋がない方はフライパンで揚げ焼きでもOK。みずからの手で作りあげた揚げたてもちもちでお腹と心を満たすの、最高です!ぜひぜひ試してみてほしいです。