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春満開!内側まで華やかな「しらすのあられコロッケ」

ボルサリーノ関好江の笑食同源おしゃべりごはん #47

FOOD
2024.04.22

芸人ボルサリーノ関好江さんに料理を作ってもらいながら、おいしさのポイントなどを伺う本連載。今回のレシピは、コロンと愛らしい姿と開けた時の華やかさにきゅんとなる「しらすのあられコロッケ」。長年いろんな角度からコロッケのアレンジを楽しんできた関さんならではの食材のチョイスにぜひ注目してほしい一品です。

しらすのあられコロッケ


材料(6個分)

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  • じゃがいも…2個(300g)
  • 玉ねぎ…1/2個
  • 菜の花…3本
  • しらす…30g
  • 塩昆布…大さじ1
  • 和風だしの素…小さじ1/2
  • 塩…少々
  • こしょう…少々
  • バッター液
  • 卵…1個
  • 小⻨粉…大さじ3
  • 水…大さじ1.5
  • あられ…適量
  • パン粉…適量

作り方

1. じゃがいもは皮をむいて切り分け、串が通るまで茹でつぶす。
  • 耐熱容器に入れてレンジで6分(600W)加熱するのでもOK。
2. 玉ねぎはみじん切りにしてラップで包んでレンジで1分(600W)加熱。菜の花はさっと茹で、水にさらして水気を絞り 1cm 程度に切る。
  • 菜の花もラップに包んでレンジで30秒(600W)加熱するのでもOK。
3. 1と2をボウルに入れ、じゃこと塩昆布、だしの素と塩こしょうを加えて混ぜ、6等分して丸く成型する。
4. バッター液の材料を混ぜて3をくぐらせ、半分はパン粉、半分はあられをまぶす。
5. 170度の油でカラリと揚げて完成。

コロッケの懐はとても深い

コロッケを作るのが好きで、これまでいろんなコロッケを作ってきた関さん曰く、コロッケは「懐が深い料理」。

「いもの種類、衣、具材、味付け、いろいろ変えて作れるから自由で楽しいんです!」

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「じゃがいもの代わりに里いもで作ってもいいし、チープなのが食べたい気分の時は、お肉を入れずにじゃがいもだけのコロッケを作ってみるのもあり。パン粉の代わりに砕いたそうめんを使ってもパリパリでおいしいんです。
少ないお肉でいっぱい作れて、満足度がしっかり高いのもうれしいですよね(笑)。一人暮らしを始めたてのころから、家に人が来る時にもよく作っています。残ったきんぴらを入れてもおいしいんですよ。レシピが無限にある料理だと思います。」

今回具材に選んだのは、菜の花としらす。

「コロッケを割った時に、菜の花の緑色が見えたらきれいかなと思って!」

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まずはじゃがいもの皮をむいて、いくつかに切り分けるところからスタート。

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「じゃがいもと菜の花は、鍋で茹でてもいいし、電子レンジでチンしてもどっちでもお好みで!」

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お湯から出して水にさらしたら、水気を絞って、食べやすいように1cm幅程度にカット。

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鮮やかな緑色がまぶしい。春の色!

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玉ねぎはみじん切りにしたら、ふわっとラップをかけて電子レンジで加熱します。

しらすたっぷり!塩昆布とだしで和風味に

それぞれの具材に火が通ったら材料を混ぜ合わせていくのですが、その前にじゃがいもをつぶしておきます。

「つぶす道具は、じゃがいもがつぶれればなんでもOK!私は普段マッシャーを使うことが多いですね。でもたまに家にマッシャーがあるのを忘れて、うっかりフォークでつぶしていることもある(笑)。」

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力強く手早く、じゃがいもをつぶしていく関さん

「じゃがいもの粒感をどの程度残すのかは、お好みで!ただ、あんまりゴロンとしたのが入っていると、ぱくっと食べた時にコロッケがえぐれちゃうから、そこまでは大きくないほうがいいかもしれません。ちなみに私、ポテトサラダの場合はゴロゴロッとしているほうが好みです。」

じゃがいも、玉ねぎ、菜の花、じゃこ、塩昆布、だしの素、塩こしょう。材料を全部ボウルに入れたら、それぞれがまんべんなく行き渡るように、よく混ぜます。

「ここで調味料をしっかり入れるので、ソースなどをかけなくても味が感じられるはず。だしが効いた和風味のコロッケになります。」

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この段階で、もう既においしそう。ポテトサラダとしても楽しめそうです。

「うふふ、そうかもしれません(笑)。ちなみに塩昆布は、ポテトサラダに入れるのもおすすめです。あと、かつおぶしを混ぜるのもいいんですよ。いぶりがっこ入りのポテサラってすごくおいしいんですけど、それと似た、燻したような風味になるんです。」

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五色あられの衣は、昔食べたエビフライがヒント

コロッケのたねがしっかり混ざったら、6等分にして丸めます。

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ポイントは、大きな丸にしすぎないこと。

「このあと衣として五色あられをまとわせると、一回りくらいでっかくなるんですよ。なので、ここでは控えめな丸にしておくほうが賢明なんです。」

卵を溶いたあと、小麦粉と水を加えて混ぜ、バッター液を作ったら…

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丸く成形したコロッケのたねをくぐらせて、そのうち半分にパン粉をまぶし…

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残り半分には五色あられをまぶします。かわいい!

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ところで実は今回のレシピのテーマは「華やかな料理」。それを初めて聞いた時、関さんは内心「これは困ったぞ…」と思ったのだそう。

「以前、うちによく来る女芸人たちにパプリカがいっぱい入ったサラダを出したら、『関さんちでこんな色鮮やかなものが出てくると目がちかちかする』って言われたことがあって…(笑)。」

華やかさをどう出すか。悩んだ末にひらめいたのが、この「五色あられ」。

「昔、いいお店に連れていっていただいた時、五色あられの衣がついたエビフライに遭遇したことがあったんです。『こんな使い方があるんだ!』とびっくりして、いつか使ってみたいと思っていました。」

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「それで今回、五色あられはどこで売られているか調べるところから始めて。試作の時には富澤商店まで買いに走ったんですが、あとで確認したらネット通販でも手に入るってわかりました(笑)。ダイソーにもお弁当コーナーなどに小さいパック入りのものがあるみたいですね。あられ、かわいいですよね。お茶漬けやお弁当に入れても華やかできれいです。」

衣をまぶしたコロッケは、170度の油で数分ほどからりと揚げると、ほどよくきつね色がのった香ばしい姿に変身。おいしそう…!

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コロッケは宇宙かもしれない

完成しました!

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まるっとしていてかわいい。春の景色のような色合い。

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関さんの満面の笑みを浴びながら、さっそくいただきます!

これは…!コロッケだと思いながら食べるとかなり個性的。まず、五色あられの衣の食感がポリポリさくさくで新鮮。

内側のじゃがいもゾーンは、基本さっぱりとした風味なんだけど、ソースなしでもしっかり味が感じられて、しらすの風味、塩昆布の旨味、菜の花の苦味がぎゅんぎゅん伝わってきます。

食感や風味のレパートリーがたくさんあって、食べ進めるのが楽しい!

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気持ちまで華やかになる…

コロッケにこうやって何かをたっぷり忍ばせるのっていいですね…!

興奮でふんふん息を荒くした筆者を見ながら、「うふふ(笑)。忍ばせるといえば、じゃがいもとほぐした鮭を混ぜて、中心にいくらを忍ばせる…っていうコロッケもおいしいんですよ」と、豪華なサプライズコロッケのエピソードを話してくれた関さん。

「いくらが入っていることは秘密のまま、食卓に出すんです。だから食べてびっくりするコロッケ(笑)。昔うちでみんなに出したら、鬼奴が『(こんなに豪華なものを忍ばせておきながら)なんでそんなにしれっとしていられるんですか!』って驚いていました。『自分だったら、どうだ入ってるぞって気持ちが隠しきれなくて、食べている人の表情を見ながら、もっとにやにやしちゃう』って。」

なんとも楽しそうで、おいしそうな話。考えただけで顔がほろほろ緩んでしまいました。

食べる人がどんなリアクションをするのか、わくわくしながら、想定外のおいしい何かを忍ばせてみるのっていいですね。もしかすると、忍ばせた本人ですら、実際に口にしてみたら「想像していたのと違った!」となって、新しい気持ちに出会えるかもしれません。

もしかしてコロッケって宇宙…?

ちょっと極端かもしれませんが、そんな気すらしてきてしまいました。

ぜひ、今回のレシピはもちろんのこと、お好みで思い思いの具材を入れてみるなどして、チャレンジを広げてみてほしいです。コロッケの懐は深い!

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取材・文:ネッシーあやこ
撮影:美坂広宣(SHAKTI)
フードスタイリング:松井あゆこ(Smile meal)