牡蠣と春菊、しめじの味噌汁
スープ作家 有賀薫さんの声で“聴くレシピ”をお届けします。ぐっと冷え込む季節に、体が喜ぶごちそうスープはいかがでしょう?今回作るのは「牡蠣と春菊、しめじの味噌汁」。濃厚で栄養豊富な旬の牡蠣と香り高い春菊を使って、満足感たっぷりのお味噌汁に仕上げます。冬のうまみがぎゅっと詰まった、ほっと温まる一品です。ラジオのように聴きながら、ぜひ一緒に作ってみてください!
牡蠣と春菊、しめじの味噌汁
材料(2~3人分)
作り方
- 1. 鍋に水600mLと昆布を入れ、中弱火でじわじわ煮て、だしをとる。煮立ったら昆布を取り出す。
- 2. (1の間に)牡蠣はあら塩 大さじ1ほど(分量外)をまぶして混ぜ、ボウルの中で水を2〜3回取り替えながら振り洗いしておく。
- 3. 春菊は4cmほどのざく切り、豆腐も4cmほどに切る。しめじはいしづきを取って手でほぐす。
- 4. 1の鍋にしめじと牡蠣を入れ、中弱火で5〜6分煮る。
- 5. 牡蠣にしっかり火が通るまで煮たら、豆腐を加え、味噌を溶き入れる。
- 6. 春菊を入れて火を止め、お好みでゆず皮を散らしたら、完成!
おいしいポイント
自分好みのだし&味噌を探してみよう!
2023年11月に『私のおいしい味噌汁』(新星出版社)という本を出版し、味噌汁について深く考える機会となりました。味噌汁は日本人のソウルスープと言ってもいいと思います。でも、意外と他の人がどんな作り方をしているのか、どんなだしや味噌を使っているのか、知らないものですよね。
私がよく使うだしは、昆布と煮干しです。煮干しをメインに、昆布を少し入れるのがお気に入り。煮干しだけの時もあれば、今回のレシピのように牡蠣や魚、肉を入れる時は昆布だけという形で使い分けています。煮干しはポイポイッと入れて煮て、そのまま食べてしまってもいいのでとっても簡単ですよ。もちろん、顆粒だしやだしパックを使う日もあります。だしの味は好みが分かれると思うので、それぞれの好みで選べばいいと思います。
味噌は「選び方が難しい」という声をよく聞きます。味噌は地域性が出やすいですよね。私は関東出身なので、米麹からできる米味噌をメインに使っています。今回使用した味噌は、京都の味噌屋さんの米味噌です。しっかり熟成されていて、野菜にもあうので毎日の味噌汁にぴったりです。九州・四国では麦麹を使った麦味噌。東海地方の赤だしは、濃い色の赤味噌で、豆麹を使った豆味噌です。東北地方の味噌は麹が多めだそうで、エリアによって大きな違いがありますよね。皆さんのご実家でどんな味噌を使っているかを聞いてみると、意外と「今使っているのと違っていた!」なんてこともあるかもしれません。味噌は種類が豊富で、香りも味も全然違うので、好みのものを選べると、自分だけの「おいしい味噌汁」になるはずです。
誰かにとっておいしい味噌汁が、他の人にとっておいしいとは限りません。だしも味噌も少しずつ試しながら「おうちだけの味」ができてくると、それが自分にとっての「正解」なのだと思います。ぜひ自分好みのだしと味噌を探してみてください!
冬の味わい、牡蠣をいろいろな料理で食べてみよう!
今回は牡蠣を入れた、ごちそう味噌汁を作りました。このレシピを思いついたのは、味噌で仕立てる「牡蠣の土手鍋」がきっかけ。土手鍋を作るのは少し大掛かりですが、味噌汁に牡蠣を入れれば簡単に作れるのではと考えました。実際に作ってみたら大成功!貝の味噌汁と言えばあさりやしじみがポピュラーですが、牡蠣はむき身で売られていて、砂抜きの必要もなく、サッと洗うだけで使えるので、実はすごく簡単に味噌汁が作れるんです。冬になると安く買える時もあるので、ぜひ作ってみてください。牡蠣の味噌汁が食卓に並ぶと、存在感とごちそう感が出るので、おかずは軽めでもいいのではないでしょうか。
ちなみにわが家では、牡蠣のクラムチャウダーもよく作ります。クラムチャウダーはあさりで作るのが一般的ですが、私の実家では牡蠣のチャウダーだったんですよね。母がよく作ってくれた、思い出のスープです。牡蠣の他の食べ方としては、そのままフライパンで焼いて、バターをぽとんと落として、こしょうをガリッとひいて食べるのもおいしいです。意外なところでは、牡蠣と野菜をくるくるっと巻いて揚げるだけの春巻きもオススメ。牡蠣がおいしいシーズンに、いろいろな食べ方で味わってみてください!