堤人美さんに教わる季節のジャム作り・甘い香りのいちごとバナナのジャム
ジャム作りの名人、料理研究家の堤人美さんに教わるジャムレッスンもいよいよ最終回。春にぴったりな若々しく甘い香りがたまらない、いちごとバナナのジャムに挑んでみませんか。ビギナーの方にもぴったりな作りやすさも魅力です。
材料(作りやすい分量)
はじめての方、またひとり暮らしの方でも作りやすいよう、「なるべく最小限で」をポイントに量を考えていただきました。
堤さんポイント1
バナナは熟しているものが向いていますが、あまり黒ずんでいると仕上がりの色も悪くなりやすいので、ご注意ください。
用意するもの
・鍋
「ホウロウ鍋かステンレス製の鍋がジャムづくりには向いています。厚みのある鍋がいいですね。ミルクパンでも作ることができますよ。」
・できたジャムを入れる瓶
「私は瓶専門のネットショップでいつも購入しています。ジャムを入れる前には、必ず煮沸殺菌をしましょう。と言っても、難しいことをするわけではありません。
水から瓶を入れて、沸騰したら20分ほど煮ます。ふたは3分ほど煮ればOK。」
「お湯から上げるときは、シリコンのカバーがついたトングがおすすめ。金属製のトングでふたをさわると傷がつくことがあり、そこから錆びて腐敗の原因にもなるんです。煮沸したあとは、拭いてしまうと菌がまたついてしまうので、瓶もふたも自然に乾くように置いてください。」
作り方
- 1. いちごはヘタの下の部分から切り取り、固い軸が残らないようにする。大きいいちごは半分に切っておき、水分が出やすいようにする。
- 2. バナナは皮をむいて筋を取り除き、1~2㎝幅に切る。
- 3. ボウルに1と2、レモンスライス、グラニュー糖を入れて全体をざっくり混ぜ合わせ、ラップをして常温で5時間ほど置く。
堤さんポイント2
- 4. ボウルからレモンスライスを取り出し、ざるでこしてフルーツとグラニュー糖の液体に分け、液体の方を鍋に入れて強火にかける。
- 5. 沸騰して鍋中が泡立ち、とろみがついたらフルーツを加えて煮ていく。
堤さんポイント3
- 6. アクを取りつつ強火のまま煮詰めていき、バナナが溶けてほぼなくなったら、少量を冷たいお皿にとってみて、固まるようであればレモン汁を加えて完成。
堤さんポイント4
さあ、次はジャムを瓶に詰めましょう。「ジャムが熱いうちに、煮沸したての瓶に入れる」のが理想です。くれぐれも、やけどに気をつけて。瓶を持つときは、ミトンや厚手の布手袋などを使ってください。
「いちごのジャムはとても一般的なものですが、実はとろみのつけ具合が難しく、慣れていても作りにくいものなんです。しかしバナナを入れることで全体のまとまりがよくなり、初めての方にも作りやすく、なおかつ香りもよくなる一石三鳥のジャムなんですよ。両方とも手に入りやすいのもいいですよね。」
「私はこのジャム、ガーリーな感じがして大好きなんです。ヨーグルトやチーズケーキによく合いますし、バタートーストやミルクアイスなどに合わせるのもおすすめ。ババ(ラムシロップをブリオッシュ生地にしみ込ませたイタリア菓子)にサワークリームと一緒に添える、なんていうのもとってもおいしい。」
あまり寝かさず、すぐに食べるのがおすすめです。是非みなさん、作ってみてください。
これまでの堤人美さんの季節のジャム作り
・冬においしいゆず茶
・秋を感じるいちじくジャム
・初心者にもやさしいブルーベリージャム