樋口直哉さんに教わる、最高においしいなすの食べ方
料理研究家の樋口直哉さんに「旬野菜の最高においしい食べ方」を考えてもらうシリーズ、第3回目です。日頃何気なく使っている食材が、ちょっとしたごちそうになる驚きのアイディア、今回も教えていただきました!
今回の食材:なす
和風や中華風で食べることの多いなすですが、洋風もとてもおいしい。今回はなすでグラタンを作りましょう。一度丸ごと焼いてから使うのがポイント。蒸し焼き状態でゆっくりと加熱すると、うま味成分のグアニル酸が多く生成されます。同時に、焼いたなすはしっとりとして、油を吸い過ぎることもありません。
買うとき&保存のポイント
持ってずっしりと重く、張りがあり、色がきれいなものを選んでください。なすは鮮度が落ちやすく、日が経つとどんどん水分が抜けて軽くなります。なり口が硬くなっておらず、みずみずしいものが鮮度のよい証拠。ヘタをめくってみて、白さが際立つものがよく育ったなすです。
「へたのとげがしっかりしているものを」とも言われますが、最近はとげのない品種も多く出回っています。
なすはインド原産で低温には弱い野菜。10度で保存するのが理想的です。できれば、買ったらすぐに使い切るのがベストです。残ったらジッパー付きの袋に入れて、野菜室で保存します。
さあ、それでは作っていきましょう。
なすのグラタン
材料(2人分)
作り方
- 1. 茎から1㎝ぐらいを残してヘタを切る。こうすることで、後で皮がむきやすくなる。
- 2. タテに4か所、包丁の先で浅く切り目を入れる。
- 3. コンロの五徳に焼き網を置き、中火にかけてなすを回しながら焼く。
樋口さんポイント
火をしっかり入れないと、皮はむけません。大きさにもよりますが、5分ぐらいかけて皮が黒くなるまで焼きましょう。オーブントースターでもOK!その場合は1000Wで10~15分ぐらい、魚焼きグリルなら強火で10分程度です。
- 4. なすの一番下の部分を少し切り落とし、竹串を入れて皮をむく。
樋口さんポイント
下から上にむいていくとやりやすい。熱かったらサッと水につけて構いません!水に入れて味が抜けるということはありませんよ。
- 5. むいたなすを鍋に入れて、生クリーム、にんにく、塩こしょうを加えて中火で煮る。
- 6. ぐつぐつと沸いた状態で2分ほど煮詰め、軽くとろみがついたら耐熱皿に移し、粉チーズを好みの量かける。
- 7. オーブントースター(1000W)で3分30秒から4分ほど加熱する。軽く焦げ目がつけば完成。仕上げに、細切りにした青じそをのせる。
旬野菜の味わい方・なすのポイントまとめ
なすは独特のアクがありますが、それがまた味の個性であり、魅力です。生クリームのコクとなすの味わいとうま味、フレッシュな青じその香りがいい相性なんですよ。青じそ以外に、バジルやミントも合います。
樋口さんおすすめ調理道具
焼き網
これは100円均一で買ったものです。一つあると便利ですよ!魚焼きグリルやオーブントースターでもいいけれど、野菜を直火で焼いたときのおいしさはやっぱり格別。特に夏野菜がいいんです。なす以外に、ズッキーニやとうもろこしなんかを焼くのもいいですね。とうもろこしを焼くときは一度ゆでてから、軽く醤油をぬって焼いてください。
今回の「なすのグラタン」を味見して、スタッフ一同そのおいしさにしばし言葉を失ってしまいました。和風や中華風で楽しんでいるおいしさとまた全然違う味わい。焼くことで生まれるなすのうま味と生クリームの相性の良さ、ぜひみなさん、体験してみてください。
次回は秋口にまた教えていただく予定です。樋口さんが次は何の野菜を選ぶのか、どうぞお楽しみに。