そら豆ふわふわコロッケ

ボルサリーノ関好江の笑食同源おしゃべりごはん #3

FOOD
2020.06.24

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芸人ボルサリーノ関好江さんに料理を作ってもらいながら、おいしさのポイントなどを伺う本連載。今回のメニューは、いわゆる普通の「コロッケ」よりも手順が少なく、想像以上に簡単に作れるコロッケ!揚げ物作りに苦手意識がある方にも、ぜひチャレンジしてほしいメニューです。


材料(6個分)

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  • そら豆…10粒
  • 白はんぺん…1枚
  • むきエビ…5〜6尾
  • スライスチーズ…2枚
  • 卵…1個
  • カレーパウダー…小さじ1
  • 塩コショウ…少々
  • パン粉…適量
  • スイートチリソース
  • みりん…大さじ2
  • 酢…大さじ2
  • 砂糖…大さじ1
  • ケチャップ…小さじ1
  • 豆板醤…小さじ1/2
  • おろしにんにく…少々
  • 片栗粉…小さじ1

作り方

1. はんぺんは袋に入れてつぶし、エビは半分をすりつぶしてペーストに、残り半分を一口大に切ってまぜる。そら豆は薄皮をむいて2つ割にする。
2. ボウルに1と卵、調味料を入れて混ぜ、6等分して、真ん中にチーズを入れて丸く成形する。
3. 2にパン粉をまぶし、170度の油できつね色になるまで揚げる。
4. スイートチリソースの材料を混ぜ、レンジ(500w)で30秒加熱し、一旦混ぜてさらに30秒加熱する。

季節の食べ物で梅雨を乗り切ろう

6月も半ばを過ぎ、じっとり湿りがちな日々が続いています。

「湿気が増えると、人間もむくみがちになっちゃうんです」と関さん。

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「なので今回は、むくみがとれるような料理にしようと思って、スパイスが入ったカレーパウダーや、5〜6月に旬をむかえるそら豆を入れています。ちゃんと旬のものを食べていると、季節ごとの不調で体が辛くなりにくいんです。」

ところでそら豆の名前の由来をご存知でしょうか。空に向かってサヤが成長するから「そら豆」なのだそう。すごく直球な名前!

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「そら豆、いつもは薄皮を剥かずに食べるんですけど……、剥いたそら豆の食感の方がこのレシピに合うので、今日は剥きます!」

むきエビは、半分をすりつぶして、もう半分は小さめの一口大に切り分けます。

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「すりつぶしたエビが、コロッケのタネの『つなぎ』になるんです。全部つぶさないのは、口にしたとき、エビのかたまりがあると、『当たり感』が出るかなと思って。エビのごろっとした感じ、うれしいですよね。」

はんぺんが主役だから「ふわふわ」

ふだんコロッケでよく聞く擬態語は「ほくほく」ですが、今回作るコロッケは「ふわふわ」。なぜなのでしょう。

その理由は白はんぺんを使うから。

はんぺんで作るコロッケの大きな魅力は、じゃがいものコロッケよりも簡単に作れるところ。じゃがいもだと、まずは茹でたり蒸したりする必要があるけれど、はんぺんの場合にはその必要がゼロ。潰すのも簡単であっという間に形が作れます。

「はんぺんは使い勝手がとってもいいんです。」

はんぺんをビニール袋に入れ、わしゃわしゃっと崩します。躊躇せず、思いっきりいっちゃって大丈夫です。それにしてもこの工程、横で見ているとなんだか楽しそう……。

「ね!これは、けっこうみんなやりたがります。ストレス解消にいい!」

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はんぺんがしっかり潰れたら、そら豆、エビ、卵を投入。まんべんなく混ざったら、さらにカレー粉を加えて混ぜ合わせ、手で丸めていきます。

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丸める際には、6等分しておいたスライスチーズを、真ん中にぎゅっと詰め込みます。もし丸める際にうまくまとまらなかったら、タネにパン粉を少し足してみてください。

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コロンと丸めたら、周りにパン粉をまぶします。パン粉は細かめのほうがくっつきやすいのでおすすめです。

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スイートチリソースは作れる

ふわふわのコロッケに添えるソースは、スイートチリソース。よく生春巻きなどに添えられている甘辛いソースですが、このソース、材料を混ぜてレンジでチンするだけで「自宅で作れます!」と関さん。

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「スイートチリソース、瓶で買うと結構余ってしまいがちで。ならば自分で作っちゃおうと思ったんです。」

調味料やソースを手作りしたいと思ったらまず、既製品の原材料をチェックするのだそう。

「何が入っているかを確認して、代用できそうなものを集めて作るんです。前に、食べるラー油が大流行してなかなか手に入らなかった時にも、原材料を調べて、自力で作りました。分量はなんとなくで。」

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レンジで加熱すると、記憶のなかのスイートチリソースと同じ香りが立ち込めてきました。これはまさしく、1回分だけスイートチリソースが欲しいときに重宝しそうなレシピです。

油はフライパンに1センチでOK

さて、コロッケを揚げていきます。撮影では、鍋になみなみと油を注いでいますが、もっと少ない油でも大丈夫とのこと。

「たっぷり入れるのは、なかなか勇気がいりますよね。油は、フライパンに1センチくらいで、揚げ焼きみたいな感じで大丈夫です。私も普段はそうやって作ってます。」

「新しい油だと衣に色がつきにくいので、古い油もとっておいて、足して使うのでも良いです。」

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……とコツを聞いているうちに、こんがり揚がりました。おいしそうなキツネ色のなかに、そら豆の黄緑のアクセントがみずみずしく、なんとも食欲をそそります。

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さっそく実食。

口にすると、ふわふわした食感とともにぴりりとカレー粉の刺激が伝わってきました。やさしいのに刺激的。エビやそら豆のごろっとした感触を口のなかで感じるとうれしい気持ちになります。さっきのエビ、すごい効いています。そして、とろけるチーズがいい仕事をしている……!

もし、お弁当に入っていたらニコニコしてしまうだろうし、夕食に出てきたら、ツイてなかった日でも、「今日は良い日だったなぁ」って、がらっとその日1日の印象が変わってしまいそうな感じ。つまりおいしい。簡単に作れるのにご馳走です。

「そら豆は、揚げるとカリカリしつつほっくりとした食感になるんです。カレー味だからお子さんも喜ぶはず。ちなみに、そら豆以外にも、とうもろこしやえだ豆を入れて作ってもおいしいです!」

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実家は「麦茶が出る家」だった

ところで、関さんの作ったごはんを食べてみて、切実に思ったことがあります。

「おかわりしたい」もしくは「明日も食べたい」。無性に「続き」が食べたくなるのです。

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そして、そう思っているのはきっと、わたしだけではないようにも思いました。というのも、関さんの自宅には、芸人仲間をはじめ、たくさんの人たちがごはんを食べにやってくるから。

「しゃべったことのない後輩に、不意に『関さん家に行ってもいいですか?』って聞かれたこともありました。ある先輩に悩みを相談したら、『関さんち行ったらなんとかなるよ!』っていわれた……って。そんな風に紹介されているみたいです(笑)。」

そうやって家にやってきた人たちに、日々手作りのごはんをたっぷり振る舞っている関さん。

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「なんで、たくさんごはんを作っているの?って聞かれることもあるんですが、わたし自身も、よくわからなくて。でも、ふと気がついたんです。うちの実家も、人がいっぱいくるような……、近所の子がきたら、それこそ『晩ごはん食べていきなさいよ』っていう家だったなぁと。」

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「麦茶を配る家でもありました。実家が、小学校の通学路の途中にあって。小学生のころ、友達がうちに寄って麦茶を飲んだんですよ。そうしたら、『あそこの家は、麦茶をくれる』っていう評判が広まって。どんどん小学生たちが、チャイム鳴らして『お茶くださいー』って尋ねてくるようになったんです。」

家に帰ると、知らない子が麦茶を飲んでいる……なんていうこともあったのだそう。

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「このまえ母親に『なんであんなに、みんなに麦茶をあげていたの?』って聞いたんです。そうしたら、母親は『わかんない』って……。わかんないけど、いつの間にかみんなにごはんを作っていたり、みんなが集まっていたり。そういう家系なのかもしれません。」

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取材・文・イラスト:ネッシーあやこ
撮影:美坂広宣(SHAKTI)
フードスタイリング:吉村佳奈子(Smile meal)