冬こそキャンプ!達人だけが知っている「冬キャンプの楽しみ方」

特別企画・冬キャンプを楽しむ【後編】

LIFE STYLE
2022.02.04

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前編の「寒い冬だからこそ楽しめる、あったか冬キャンプごはん」では、「ソトレシピ」代表の千秋広太郎さんに、焚火のコツとブイヤベースのレシピを教えていただきました。

引き続き、千秋さん・FLOWのギタリストTAKEさん・キャンプYoutuberのRISAさん。キャンプ愛が強い3人に、冬キャンプの醍醐味や楽しみ方をたっぷり教えていただきます。

お話を伺ったみなさん

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千秋広太郎さん

キャンプ料理のレシピサイト「ソトレシピ」を運営するほか、TV出演、レシピ本監修など幅広く活動中。YouTubeチャンネル「ソトレシピTV」ではレシピのほか、ギア(道具)の使い方のコツなども紹介している。

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TAKEさん

ミクスチャーロックバンド・FLOWのメンバーであり、ギター・コーラス・プログラミングを担当。登山好き・キャンプ好きとして知られている。昨年、所属事務所であるアミューズが富士山麓に移転したこともあり、キャンプ熱がさらに高まっている。ソロキャンプではお肉を調理して食べるのが定番。

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RISAさん

北海道を拠点にアウトドア系YouTuberとして活動中。外遊びの楽しさをもっと広めたいという思いから、YouTube「りさらいずチャンネル」でキャンプや釣りの動画を配信している。雪中キャンプなど雪国ならではのキャンプの達人。

冬キャンプには、お酒好きにはたまらない醍醐味がたくさん

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ーー「キャンプ=夏」というイメージ一般的に強い気がしますが、冬キャンプならではの楽しみは何ですか?

TAKE

冬は空気が澄んでいて星や景色がきれいに見えるし、キャンプするのにぴったりな季節だと思いますね。

千秋

TAKEさんは大変な寒がりだと聞いてますが、どうですか?

TAKE

寒いのと高いのは苦手ですね。けど、ついつい山に登っちゃう(笑)。

RISA

冬キャンプはメリットもたくさんありますよね。キャンプ場のお客さんが少ないですし、空気が澄んでいるし、虫があまりいないから過ごしやすいです。そして、ごはんがよりおいしく感じられる!

千秋

RISAさんはいつも北海道でキャンプをされてますけど、今日いる山梨よりももっと寒いんじゃないですか?

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RISA

そうですね、北海道はもっと寒いです。私は雪中キャンプをよくするんですけど、寒いと、ごはんがよりおいしく感じられるんですよね。あとは寒い中キンキンに冷えたお酒を飲んだりとか……そういう楽しみが、たくさんあります。

TAKE

すごい、ベテラン(笑)!玄人っぽい!

RISA

雪中キャンプだと、クーラーボックスを持っていく必要がないんですよね。キャンプ場に着いたら、まず瓶ビールを雪にぶすっと刺して冷やします(笑)。

ーー豪快で楽しそうですね!千秋さんとTAKEさんも、冬キャンプではお酒を楽しんでますか?

千秋

僕は冬キャンプでは温かいお酒を飲みたいので、お湯割りが多いですね。焼酎のお湯割りだったり、ホットウイスキーだったり。メスティンにお湯をはって、そこにチタンカップを入れてお酒を温めてます。

ーーすごい、メスティンの使い方って、無限大なんですね!

TAKE

僕も温かいお酒が多いですね。ストーブの上にシェラカップを置いて、いろんなお酒を温めてます。ホットワインにしたり、ほろよいの「白いサワー」を温めてホットミルクみたいにしたり、レモンサワーを温めてホットレモンみたいにしたり……冬もお酒を楽しんでいます。

キャンプ飯を楽しむコツは”非日常”のトッピング

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ーーみなさん、キャンプでは料理もお酒に合わせて作っているんですか?

RISA

お酒が大好きなので、やっぱりおつまみ系が多いですね。家で仕込んだ焼き鳥をホットサンドメーカーで焼いたり。簡単なものが多いです。あとは燻製とかも!

TAKE

燻製いいですよね~!燻すと何でもおいしくなる。

RISA

私はビール、日本酒、ウイスキー……何でも飲むんです。お酒から考えることもあるけど、行動から計算することも多いですね。釣りも好きなので、釣った魚を捌いて刺身にするときは日本酒、肉ならビールとか。

TAKE

グルメだな~!ペアリングも楽しんでる。

千秋

食材も現地調達……!すごい!

ーー千秋さんはキャンプ飯のプロですが、いかがですか?

千秋

僕はパエリアを作ることが多いかな……”やった感”があるし、フライパンでも簡単に作れますし。火加減はちょっと気をつけないといけないけど、前編で紹介したブイヤベースの材料とほぼ一緒なので、どちらもチャレンジしてほしいです!

TAKE

パエリアって、普段はなかなか作らないですよね。

千秋

キャンプって非日常なので、普段家で作らないものにチャレンジしたくなるんですよね。

TAKE

僕はキャンプ=BBQのイメージがあって、お肉や野菜を焼くことが多いですね。岩塩プレートで牛タンを焼いたりとか。あとは、ドイツ製の「ターク」っていうメーカーのフライパンを最近買って。これですき焼きをやるのが夢だったんですけど、最近やっと叶いました!

ーー初心者におすすめの冬キャンプアイテムはありますか?

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千秋

ホットサンドメーカーですかね。簡単だし、最近流行ってますよ。中に好きな具材を入れて焼くだけだし。最近はお肉を焼いたり、お好み焼きを焼いたりする人も多いみたいです。

RISA

私もホットサンドメーカーは重宝してます。家で仕込んできた焼き鳥を焼いたり、冷凍餃子を挟んで焼いたり。色々使えて便利ですよね。

食材は使いまわし前提で少なめに持っていくのが通

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ーー食材をどのぐらい持っていくか、どうやって決めているか知りたいです。多すぎて余っちゃったり、逆に足りなくて夜中にお腹がすいちゃったりすることはありませんか?

千秋

食材をあれこれ持っていくんじゃなくて、同じ食材を使いまわして複数のレシピを作ったりしますね。調味料を変えれば違う料理が作れますし。是非「ソトレシピ」のサイトを参考にしてください(笑)。

RISA

冬キャンプでは鍋ものを作ることが多いんですけど、〆にラーメンを作ったりしてスープまで残らず食べるように工夫しています。あとは、献立を決めずに行って、その土地のおいしいものを食べるときもあります。私は現地調達(釣り)をすることが多いので。

ーーリアルどうぶつの森みたいで楽しそうですね!

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TAKE

僕は調理器具を絞って持っていくタイプなので、献立はそこから作れるものを決めていきますね。食材は余らないように、家でカットしたものを持っていく。その代わり、夜中にお腹がすいちゃったときの非常食として、お菓子を持っていくのがマイルールです!

千秋

すでに味がついているフレーバーオイルなどを活用して、食材や調味料の荷物を減らすという手もあります。「ソトレシピ」でも、よくキャンプ料理で使うオリーブオイル、にんにく、玉ねぎが混ざっているアウトドアソース「ガリオニ」というのをオリジナルで作りました!現地でカットすると生ごみが出ちゃいますし、楽ですよ。

ーーこれがあると便利!という調味料は、なんですか?

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千秋

僕は、「これ一つで味が決まる!」っていう調味料を必ず持ち歩くようにしています。和風なら白だし、洋風ならコンソメ、中華ならウェイパー。

TAKE

僕は「ほりにし」ですね。肉にまぶして焼いて食べると最高!中でも辛いほりにしが好きです。体が温まるので、冬キャンプにもってこいですね。

ーー調味料は家からそのまま持っていくんですか?詰め替えたりとかしてますか?

千秋

僕はコンビニでミニサイズのボトルを買って持って行くことが多いですね。家で使うサイズを持ち歩くと重いし、かといって毎回詰め替えるのも面倒なので。

RISAさんおすすめのキャンプギアは……鹿の頭蓋?

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ーーお気に入りのキャンプギア(道具)などあれば教えてください。

TAKE

僕は360度回転するチェアが結構気に入ってます。座ったまま方向転換出来るので、薪を持ち上げて焚火にくべて…っていう繰り返しの作業をする時なんかに便利です。

千秋

今回キャンプをご一緒してみて、TAKEさんと僕は結構お揃いのギアを持っていることが判明しましたよね。

TAKE

そう、焚火台とか。「サイズ選び間違ってなかったんだ!」って、安心しました(笑)。

RISA

私は北海道でキャンプの時必ず持っていくものがあって……鹿の頭蓋です。

一同

頭蓋……?

千秋

どういうこと?ツノじゃなくて?(笑)

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RISA

川で釣りをしていた時に、鹿の頭が落ちてるのを発見したんです。その場で火をおこして6時間ぐらい煮沸消毒をして、持って帰りました。それ以来、キャンプの時に持っていって、テントの前にオブジェとして飾ってます。他のキャンパーさん達の反応が三者三様で、おもしろくって(笑)。

ーーキャンプって「荷物は少なく・軽く」というイメージがありますが、気分のあがるものを思い切って持っていく、というのも楽しそうですね!

RISA

鹿の頭蓋はすごく場所をとるので、他のものをコンパクトにしたりと工夫しています。

千秋

実は、僕も鹿の頭蓋持ってます。キャンプ場で売ってたんですよ。女性のソロキャンプは防犯面が気になるし、鹿の頭蓋を置いておくだけで、防犯にもなりそうですね。

TAKE

流行るかもしれないですね、鹿の頭蓋。「テントの次に買うのは頭蓋」って特集がされたりして(笑)。

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ーー頭蓋は少しハードルが高いので(笑)、一般の人でも手に入れやすい、おすすめのギアはありますか?

RISA

コンパクトなギアが便利だと思います。定番のギアですけど、イワタニの「ジュニアコンパクトバーナー」がおすすめです。畳むとすごく小さくなるので持ち運びもしやすくて。私は釣りをするので、釣りしながらこのシングルバーナーでカップラーメンを作ったりしています。

TAKE

お湯も沸かせるし、ちょっとした調理もできるし、便利ですよね。

千秋

自分で焚火を作るより簡単ですよね。前編では頑張ってフェザースティックを作って火をおこしたけど、キャンプ初心者の方はまずシングルバーナーを使ってみるのがおすすめです。

TAKE

最初は簡単で便利なギアを選ぶのが良いと思います。僕も最初はバーナーを使っていたけど、途中から焚火で料理してみたくなって道具を揃え出したり……ハマると色々欲しくなってきちゃうんですよね。まずは気軽にキャンプを楽しんでほしいです!

キャンプ場選びの軸は、「自分のこだわり」が最重要

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ーーキャンプ場選びのポイントなどはありますか?

千秋

僕は料理メインのキャンプが多いので、水場でお湯が出るかどうかを結構重視してますね。冬の寒空の下、冷たい水で洗い物するのは辛いので……。

RISA

私はInstagramのハッシュタグを活用して、普段から候補を探しています。ネットで探す時は「北海道 海 キャンプ」「キャンプ 夕日」など重視したいワードと一緒に検索すると、好みのキャンプ場が見つけやすいですよ。

TAKE

僕は新規開拓したいので、基本的に同じキャンプ場には行きません。「〇〇県ベスト10」みたいな人気ランキングを参考にして、そこに行っている人のYoutube動画を観たり。下調べは結構入念にするタイプです。

ーーYoutubeの動画では、どういうところをポイントに観ているんですか?

TAKE

場内の雰囲気ですね。あとはどういう景色が見えるのか、どういう層のお客さんが多いのか。「グループのお客さんが多そうだったら、夜はちょっと賑やかそうだな、」とか。僕は基本ソロキャンプなので、そういうところも見て決めています。

冬キャンプ、デビューするなら今のうち……?

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ーー冬だとキャンプ場の予約も取りやすかったりするんでしょうか?

RISA

私がこのあいだ北海道で雪中キャンプをした時は、キャンプ場にお客さんが私一人でした(笑)。まだまだ冬キャンプの良さみたいなものが浸透していないのかな~と思いつつ、今のうちに楽しんでおこう!と。

千秋

でも今、キャンプブームきてますよね。キャンプでビジネスをやっている側としては嬉しいことだけど、いちキャンパーとしては複雑(笑)。

TAKE

これからは冬のキャンプ場も混んでくる気がするなー。始めるなら今のうちだと思います!僕の周りはここ1、2年でキャンプにハマったバンドマンがすごく多いんです。初心者の友達を連れて行くこともたまにありますけど、ハマらなかった人は一人もいないんですよ!

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ーー冬キャンプに対してハードルの高さを感じている方々に、一言お願いします。

千秋

道具をいきなり揃えなくても、コテージがあったり道具がすべてレンタルできて手ぶらで行けるキャンプ場があったりするので、まずは“キャンプ”というものを気軽に体験してみてほしいですね。

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取材・構成:小沢あや(ピース株式会社)
文:鈴木成美
撮影:村上未知
ロケ地協力:富士すばるランド
撮影協力:(株)アミューズ