堤人美さんに教わる季節のジャム作り・冬においしいゆず茶

特集・旬を楽しむ #3

FOOD
2022.01.20

旬の食材で季節を感じてみませんか。ジャム作りの名人、料理研究家の堤人美さんに教わるジャムレッスンも今回で3回目。真冬の食材として選ばれたのは、ゆず。少量をお湯で溶かして楽しむゆず茶、お好きな方も多いのでは?自宅でかんたんに作れるレシピを考えていただきましたよ。さあ、あのいい香りを瓶の中に閉じ込めましょう。

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堤人美(つつみ ひとみ)さん

京都生まれ。大学卒業後、テレビやCMのフードコーディネートに長年携わる。家庭料理からハレの日のごちそう、和洋中にスイーツまで幅広いジャンルに造詣が深い。子どもの頃からジャム作りが好きで、毎シーズン様々なフルーツを使ったジャム研究を続けている。


材料(作りやすい分量)

はじめての方、またひとり暮らしの方でも作りやすいよう、「なるべく最小限で」をポイントに量を考えていただきました。

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  • ゆず…400g
  • はちみつ…300g
  • グラニュー糖…100g
  • 水…60mL

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今回はゆずのジャムをお湯で溶いて、ゆず茶で楽しむことを前提としたレシピです。そのままパンなどに塗るだけなら、グラニュー糖はなくてもOK(その場合、はちみつを400gにします)。また、お水の量は60mLだと少しかための分量です。トロッと仕上げたい場合は80mLで作ってください。

用意するもの

・鍋 

「ホウロウ鍋かステンレス製の鍋がジャムづくりには向いています。厚みのある鍋がいいですね。ミルクパンでも作ることができますよ。」

・できたジャムを入れる瓶

「私は瓶専門のネットショップでいつも購入しています。ジャムを入れる前に、必ず煮沸殺菌をしましょう。と言っても、難しいことをするわけではありません。
水から瓶を入れて、沸騰したら20分ほど煮ます。ふたは3分ほど煮ればOK。」

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鍋の底にキッチンペーパーや清潔な布をかますと、瓶がぐらぐらと動かずヒビ割れの防止によい

「お湯から上げるときは、シリコンのカバーがついたトングがおすすめ。金属製のトングでふたをさわると傷がつくことがあり、そこから錆びて腐敗の原因にもなるんです。」

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「煮沸したあとは、拭いてしまうと菌がまたついてしまうので、瓶もふたも自然に乾くように置いてください。」

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作り方

1. ゆずはまず横に切り、それをタテ半分に切ってワタとタネを分けておく。ワタ、タネはそれぞれ捨てずにおく。
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2. ゆず皮を細切りにしてボウルに入れ、はちみつ、グラニュー糖も加える。そのまま30分ほど常温でおく。
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3. ゆずのワタをみじん切りにする。タネをお茶パックなどにまとめて入れておく。
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ゆずのワタには果肉がいっぱい入っています。みじん切りにして汁ごと鍋に加えましょう。ワタやタネの周りにはペクチンが多く、加えることで全体がトロンとなめらかな口当たりになります。お茶パックに入れるのは後で取り出しやすくするため。さらしなどに包んでもいいですよ。
4. 鍋に2、刻んだワタ、水を入れて強めの中火にかける。沸騰したらアクを取りのぞきつつ5分間煮る。
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煮始めたらあまりかきまわさないで。糖分が鍋肌についてジャリッとしてしまうことがあります。
5. お茶パックに入れたタネを加えてさらに5分間煮る。
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堤さんポイント3

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混ぜるときに使うヘラはシリコンのものがおすすめ。金属のものは色が悪くなることがあります。また他の料理に使った木べらなどは油を吸い込んでいることがあり、味わいに影響が出ることも。ジャム作り専用のシリコンベラを一つ持っておくといいですよ。
6. 3~4分ほど、様子を見ながら煮詰める。少量を冷たいお皿にとってみて、かたまるようなら完成。
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さあ、次はジャムを瓶に詰めましょう。「ジャムが熱いうちに、煮沸したての瓶に入れる」のが理想です。くれぐれも、やけどに気をつけて。瓶を持つときは、ミトンや厚手の布手袋などを使ってください。

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ふたをしめる前に一度、反対方向にひねってから回すと、瓶とふたが平行になってしっかり閉められます。
なるたけ瓶いっぱいに詰めてふたをしてください。そして熱が冷めるまで、逆さにしておきます。こうして中を真空に近づけることで、保存性も高まります。

「ゆずジャムはあまり寝かせず、すぐに食べるのがおすすめ。少量をお湯で溶いてゆず茶にするのはもちろん、紅茶に入れるのもいいですよ。クリームチーズやカマンベールチーズにのせてもおいしいです。」

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「ゆずジャム、お料理に使うのもいいんです。オリーブオイルと相性がいいので、ワインビネガーと一緒にドレッシングにしてもいいですし、味噌と混ぜたものを焼いた厚揚げに塗る、なんて使い方もおすすめ。
また、煮るときにカルダモンやクローブなどのスパイス、あるいはショウガ、山椒などを加えて作ってもおいしく仕上がります。」

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堤さん、今回もありがとうございました。また春に季節のジャム作りを教えていただきます。次回もどうぞお楽しみに!

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取材・文:白央篤司
撮影:村上未知