わが家の食卓に欠かせないむらさき醤油
調味料…それはちょっとのさじ加減で料理を良くも悪くもするもの。中でも特に存在感が大きいのが「醤油」です。
醤油を入れると他にどんな調味料を入れても「醤油味」の料理になる気がするほど主張が強く、分量を間違い多く入れてしまうと「ただのしょっぱい料理」となってしまいます。
たとえば寿司を食べる時に多くの人は醤油をつけて食べると思いますが、大半の人はネタの味を楽しむというよりは、醤油の味(+わさび)で食べているのではないでしょうか。
醤油は上手に使えば何段階も料理を向上させられますが、入れ過ぎるとただのしょっぱい料理になるという、まさに諸刃の調味料なのです…。だからこそ、料理にはそこまでこだわりのないわが家ですが、醤油にだけはこだわっています。
その醤油とは・・・「<特選かつおだし>越のむらさき」という銘柄です。
新潟県にある会社が作っており、なんと江戸から続く伝統の味を、今日に至るまでずっと守っているそうです。かつおのおだしが良く効いており、とりあえずこれをかけておけば失敗しないというほどの一品。
ちなみに「冷ややっこ」という料理がありますが、ねぎやしょうがなどを載せ、醤油をかけて一品として仕上げます。でも、むらさき醤油(わが家ではこう呼んでいます)であれば、豆腐にかけるだけ。こんなに簡単な「料理」が他にあるでしょうか。手間の点から見ても優れています。
もちろんここにねぎやしょうがを乗せればさらにおいしくなりますが、なくても十分おいしいのです。
しかもこれは、ヘルシーなおやつ代わりにもなります。基本的に子ども達のお腹は夕食までもたないので、お菓子代わりにこの醤油豆腐を出すこともあります。
手軽に出せる上、たんぱく質が摂取できるからか満腹感も得られ、子どものお腹をもたせることができるので、主フとしても大変重宝しています。
また、この醤油の良さが一番発揮されると思うのは、調理中に熱している時です。食材を炒めながらこの醤油をかけると、何とも香ばしい匂いが漂ってきて食欲を刺激し、味見の箸が止まらなくなるほどです。
わが家は昼間のうちに夕食を作ってしまうことも多いのですが、たまにそれが子ども達の帰宅時間に重なると、いつもは自分の部屋にまっすぐ向かう子ども達も、この時ばかりは部屋には向かわずキッチンに来て、「おいしそう!今日の料理何!?」と聞いてきます。
こういう反応をされるのはとても嬉しいものです。残りの料理も頑張ろうと思えます。それだけおいしいそうなにおいを、このむらさき醤油は醸し出してくれます。
この醤油を使い始めてから明らかに醤油を使った料理が増えました。料理に使った時に「醤油の味」を主張し過ぎないのも良い点です。いわゆるしょっぱいだけの料理になりにくいんです。
そんなわけで、かつて親戚からもらって虜になり、以後ずっとこの醤油を使い続けています。
新潟県外でも販売しているとは思いますが、東京で売っているところを見かけたことがなく、基本的に通販購入です。とはいえその手間をものともしないおいしさがこの醤油にはあります。それに通販で購入すると、「わが家だけの特別感」のようなものも生まれます。
さてそんなむらさき醤油ですが、かつてストックを切らしてしまい、別の醤油を使った時期があります。
むらさき醤油は少し高めなので、問題なければ安いものに変えようかな…とひそかに考えていたのですが、結局はむらさき醤油に戻りました。
なぜなら、味にあまりうるさくないわが家の子ども達も「醤油変えた?」と気付いたからです。甘みと深みのある味は、大人だけでなく子ども達にとってもお気に入りの一品として定着していたようです。
料理の作り手ならば誰でも同じだと思いますが、どうせなら、食べた時に家族が笑顔になる料理を作りたいものです。でも、素材にこだわるとスーパーで売っているものでは納得できなくなったり、こだわり過ぎて家族の満足度が逆に下がったり、ということも十分にあり得ます。
それに、食材費もどんどん増していきます。こういうのは際限がありませんから。でも調味料であれば一度に使う量も少ないので、少々こだわって高い物を使っても、出費があまりにかさむということはそうそうありません。
もっとも、調味料もあれこれとこだわり始めたらキリがないとは思うので、わが家はとりあえず醤油にだけこだわっています。
今ではこの醤油を使うたび、わが家の食卓はこのむらさき醤油に支えられてきたのだなとつくづく思います。