「男前かぼちゃサラダ」「ちくわのツナマヨサラダ」ほか、四種のおつまみレシピ
アイスムとnoteによるエッセイコンテスト第四弾では、三名の受賞者を選ばせていただきました。「おつまみレシピ」をテーマに、お酒を飲む人にも、飲まない人にもおすすめの”ごはんがすすむ”オリジナリティあふれるレシピをご紹介します。「おつまみ」である手軽さと、誰でもおいしく作れるレシピが揃いました!
今回は、発酵食料理教室「ふんわり糀家」を主宰している笠原なつみさんによるレシピ。「食べたければ家で作るしかない…!」と自分の体質や好みにあう一品を生み出して、”自分らしく食を楽しむ”笠原さんのレシピからは、料理や食べることへの愛を感じます。
カリッと!ベーコン&Wペッパー「男前かぼちゃサラダ」
「いちばん好きな料理ってなんですか?」と聞かれたら、「かぼちゃ料理全般です」と答えるくらいかぼちゃが好きです。
でも、乳製品アレルギーになってからは
・かぼちゃのスープ(牛乳NG)
・かぼちゃサラダ(クリームチーズNG)
・かぼちゃコロッケ(生クリーム入りの場合NG)
と、市販品やお店のほとんどのかぼちゃ料理が食べられなくなりました…。
食べたければ家で作るしかない…!
ただ、かぼちゃを使う料理って、夫があまり好まないこともあるので、ムズカシイ…。
ならば、カリッとするまで焼いたブロックベーコンの塩気と、Wペッパー(白黒こしょう)をきかせて、「男前かぼちゃサラダ」を作ろう!と思ったのです。
ワインやビールのおつまみにピッタリなので、甘い物(スイーツ)よりもお酒が好き、という女性にもよろこんでもらえるはずです。
では、さっそくレシピにまいりましょう。
材料(2人分)
作り方
かぼちゃ300gをひと口大に切って、茹でるか蒸します。このあとつぶすので、大きさがだいたい同じなら形は気にせずOK。
かぼちゃのお手軽な蒸し方
私はいつも、鍋底に少量の水(だいたい大さじ2)とかぼちゃを入れ、ふたをして、蒸しています。蒸し器がなくてもできるし、水が少ないので茹でるよりもベチャっとなりにくいのでオススメです。
かぼちゃを蒸している間に、具材の準備をしましょう。
玉ねぎをおいしく食べる切り方
まずは、玉ねぎ100gの繊維を断つように薄切りにします。ふつうの玉ねぎでもOKなのですが、赤たまねぎは彩りもキレイなので、ぜひ見つけた時は買ってみてください。
玉ねぎを生のまま食べる際は、繊維を断つことで、辛味が少なく柔らかい食感を楽しめます。
切った玉ねぎは塩(適量)で揉んでおきます。しんなりしたら、水で洗ってぎゅっと水気をしぼっておきましょう。
ブロックベーコン、推しです!
もう一つの具材は、ベーコン!
40gをサイコロ状に切って、断面がカリッとするまでフライパンで焼きます。
スライスベーコンでもいいのですが、もしあればブロックベーコンが断然おいしいです。かぼちゃのむっちり感と、ベーコンのカリッとした食感のコントラストが、やみつきになるんです…!
ブロックの方がベーコンの存在感(お肉らしさ)も強くなるので、かぼちゃ料理を好まない夫も「これ好き!!!」ってなりました。
さて、具材の準備が終わった頃には、すっかりかぼちゃが柔らかくなっているはずです。
つぶす時は、めん棒よりもフォークのほうが楽です。
この時点では、7〜8割ほどつぶせばOK。マヨネーズなど入れてからのほうが、小さいかたまりはつぶしやすくなります。
塩もみして水気をしぼった玉ねぎとカリッと焼いたベーコン、マヨネーズ 30g、マスタード 10g(小さじ2くらい)を入れて混ぜます。
マヨネーズとマスタードはお好みで調整してください。全体を混ぜたら、必ず味見を。
ここで塩こしょうで味を整えます。とくに、白こしょうを強めに入れるとパンチが出るので、お酒のおつまみにする場合は必須です。
うつわに盛り付けたら、今後は黒こしょうをガリガリガリッと強めにかけます。
ベーコンと白黒こしょうのかけあわせで、味のパンチとカリッと食感が楽しい「男前かぼちゃサラダ」のできあがりです。
3分で高たんぱくおかず!元気がなくても作れる「豆まめ塩マスタード炒め」
このレシピは、いんげん豆と大豆の2種類のお豆さんを使います。
豆を使うという時点で「あ、これ以上読むのをやめよう…」と思った方は、ちょっと待って!たった3分で作れるんです。
ゆで大豆を使うから「楽チン」
豚こま肉といんげんをザクザク刻む。
ゆで大豆を使う。
あとは、炒め合わせるだけです。
味付けは、塩とマスタード。マスタードがなければ、柚子胡椒やワサビでもOK。
とってもシンプル&たった3分でできるのに、おかずにもなり、おつまみとしても絶品なのです。いんげんが口の中でにぎやかにはじける様子も楽しんでみてください。
箸がとまらなくなることをお約束いたします。
では、さっそくレシピにまいりましょう!
材料(2人分)
作り方
豚こま肉といんげんは、1cm幅に切っておきます。大豆は、ゆでてあるものを買ってくると楽チンです。
フライパンにオリーブオイル 大さじ1を入れて熱します。豚こま肉 100gを赤みがなくなるまで炒めましょう。
ここで塩1〜2つまみとこしょう適量でお肉に味をつけておきます。
いんげん 100gと大豆 60gを入れて、いんげんの色が鮮やかになるまで炒めます。ここでさらに、塩を1〜2つまみ入れて味をつけます。
仕上げにマスタード 小さじ2をいれて全体になじませます。マスタードの酸味が飛ばないように、すぐに火を切るのがポイント!
マスタードがない場合は?
塩だけでもおいしいですが、柚子胡椒やワサビのようにピリッとするものを入れると味が締まります。
他の豆でもアレンジはできます!例えば、ひよこ豆・レッドキドニーなどのお豆でアレンジしてみてもおもしろいです。
レッドキドニーは名前のとおり赤茶色の豆なので、いっそう彩りも良くなります。他の野菜にはあまりない色なので、シックで映えるのでオススメです。
先日、スパイスカレーのお店に行ったときに「レッドキドニーと万願寺とうがらしのコリアンダー炒め」を食べて、塩のきいたお豆ってなんておいしいんだろう!そういえば最近お豆を食べてないな…と気づいたのが、このレシピをひらめくキッカケになりました。
豆料理って「むずかしい」「めんどくさい」というイメージのある方も多いかもしれません。料理の仕事をしている私でさえも、意識しないとなかなか作ることがありません。
豆料理なんて作ったことがない!という方は、まずはおためし感覚でゆで豆を買ってみるのがおすすめです。
ヘトヘトでも作れる1分おかず。切って混ぜるだけ「ちくわのツナマヨサラダ」
小さい頃、ちくわが大好きでした。
穴の中にきゅうりを入れて斜めに切り、醤油をつけて食べるのが実家での定番料理でした。ちょっとお腹が空いたときに冷蔵庫の中を開けて、ちくわのつまみ食いもよくしていました。
香川に住むようになってからは「じゃこ天」を年に何度かいただくようになったのですが、それでもやっぱり私はちくわ派です。
「ツナマヨ」感覚でごはんにも合う
今回のレシピは、サラダや和え物というくくりになりますが、ちくわのおかげでボリュームも出ますし「ツナマヨ」感覚でごはんに合います。
材料(2人分)
作り方
ちくわ 2本(100g)は、食べやすい大きさに切っておきます。洗い物を少しでも減らしたい方は手でちぎれば、包丁なしで作ることもできます。
写真では、見た目が楽しくなるように切り方を1本ずつ変えてみました。
油を切ったツナ缶 1個、マヨネーズ 大さじ1程度、醤油麹または醤油 小さじ1を入れて混ぜます。
かいわれ 1パックを、包丁か調理用はさみでザクザク切ります。
かいわれを加え、最後にこしょうで味を整えます。
これで完成。何度でも作れる手軽さです…!
パパッと作って食べたい時に…!
肉でもなく、魚や刺身でもなく、火を通さずに食べられる手軽な食材「ちくわ」。
そのまま食べてもおいしいですが、ほんの少しだけ手を加えることでボリュームもおいしさもアップ!
「混ぜるだけでパパッと作って食べたい」
「あと1品おかずがほしい」
「洗い物も最小限がいい」
って時にぴったり。ぜひ作ってみてください。
ブレない、悩まない、迷わない!「ワタシの鶏の唐揚げ」
「私だけの正解」が無性に欲しくなった
唐揚げみたいな定番料理って、もう無限にレシピがあって正直なにが正解なのか、訳わからなくなりませんか?
何を隠そう、私がそうだったんです。
ある日、岡山県のパン屋さんで買った唐揚げが、目を見張るほどおいしかったんです。パン屋さんで唐揚げを売ってること自体がめずらしいし、パン屋さんでパンを買わずに唐揚げだけ買って帰るお客さんもめずらしいと思うんですが…。
とにかく見た目もコロンとふわんとしてかわいくて、もう家に帰るまで我慢できなくて、平日の昼間だったので電車にはほとんど人も乗ってなくて、瀬戸内海を一望できるタイミングでひとつ摘んでパクッと食べたら、幸せが口っぱいに広がったんです。
瀬戸内海を見ながらだったら何食べたっておいしいじゃん!ってツッコミが入りそうですが、それを抜きにしたって「なんてやさしくて味わい深い唐揚げなんだろう…!」ってしみじみ思ったんです。
それで、私もこんな味が作りたいなって。
これまで何度も家で作っていたけれど「正解」が無限にあって味付けが毎回少しずつ違ってブレてしまうのが嫌で「私だけの正解」が無性に欲しくなったんです。
「順番」と「いちいち」が大事
今回ご紹介するのは、シンプル イズ ベストな王道レシピです。大事なのは、調味料の順番。
1.塩こしょう
2.しょうが(にんにく)
3.酒
4.味噌や醤油
(塩にプラスして味や風味をつける)
この順番を守って、一つの調味料ごとに「いちいち」揉み込んでいってください。
「1〜4」まで全部入れてから揉み込むと、味がぼんやりしちゃうんです。同じ調味料を使っていても、この手順の差で味があきらかに違ってきます…!
「順番」と「いちいち揉み込む」のが大事です。
あとは、「粉の二度付け」と「160/180℃で二度揚げ」も調味料の順番ほどではないけど、大事です。では、作り方をご紹介します!
材料(2人分)
作り方
食べやすい大きさに切った鶏もも肉 400gに塩 4g(だいたい小さじ1弱)と、こしょう適量をふって揉み込みます。
「(だいたい小さじ1弱)」について補足させてください。
塩 小さじ1を入れてしまうと5〜6gになってしまうので、2/3よりちょっと多いかな?くらいを目安にしてくださいね。
次に、すりおろししょうが15gを加えて揉み込んでください。よりパンチを効かせたい場合は、すりおろしにんにく5gも足してください。
私は、味噌味の時にはにんにくは入れません。醤油味の時には入れます。ご参考までに。
次に、酒 大さじ1を加えて揉み込みます。
続いて、
赤味噌 大さじ1/2
or
醤油 大さじ1/2
or
白味噌 大さじ1
上記のいずれかを加えます。
味のベースは「塩」なので、味噌や醤油は風味とコクをプラスする役割です。
塩分が気になる方は、無しでもOK。ただ、揚げ上がった時のこんがりとした色が出にくく白っぽい仕上がりになります。
ここまでできたら、揚げ油の準備をしておきます。鍋の高さ2cm程度の油を注いで、まずは160度にセットします。
油の温度が上がるのを待っている間に、衣をつけておきましょう。
まず、適量の米粉(または小麦粉)をまぶします。わが家は夫が小麦アレルギーなので米粉を使っていますが小麦粉でももちろんOKです。
目安は、8割くらいまぶす感覚で。残り2割は、片栗粉で仕上げます。
鶏肉の赤みが見えなくなっちゃうくらい隙間なく、ぎゅうーっと片栗粉を押しつけます。顔におしろいをはたくように、きれいに真っ白に。
こうすることで、表面がカリッと仕上がります。
いよいよ揚げていきましょう。
ちょっと面倒かもしれませんが、温度を変えて二度揚げすると表面がカリッと、中がジューシーに仕上がります。
まずは、160度で3分揚げます。1分30秒たったら表と裏をひっくり返します。それ以外は、触らないようにしてください。
すべての鶏肉の一度揚げを終えたら、今後は油を180度まで上げます。
こうして二度揚げを待っている間に余熱でじわじわおいしくなっているのです。
温度が上がるまでの時間があれば、お皿に添えるレモンや葉物の準備をするのもいいですね。
庭からレモンをとってきました。完全無農薬(完全放置!)のおいしい瀬戸内レモンです。
さて、いよいよ最終工程。
180度で1分揚げていきましょう。30秒たったら表裏をひっくり返します。高温で一気に揚げることで表面がカリッと仕上がります。
見た目の色も一度目を終えた後より、一層香ばしくおいしそうに色付いています。
できあがったらレモンをギュッと絞って、揚げたてのうちに召し上がれ。
唐揚げのお供に。白菜とりんご
揚げ物やガッツリお肉料理のときにはいつも「りんご」を使ったサラダ(和えもの)を添えています。
胃腸の働きが元々弱い人や、年齢とともに揚げ物がちょっとしんどくなってきた人におすすめの食べ合わせです。
作り方はとってもかんたん。
白菜かキャベツを塩麹で揉んで水気を絞ったものと、スライスしたりんごを和えるだけです。あれば、ゆずやレモン汁を絞るとりんごの酸化を防いでくれて味もさらに爽やかになります。
サラダに使う時は「赤りんご」より「青りんご」がおすすめです。写真では「王林」を使いました。
笠原なつみさんのnoteはこちら