ボルサリーノ関好江さんと語る、「日々の献立どうしてる!?」
「アイスム座談会」では、食や料理にまつわるさまざまなことを、アイスムユーザーのみなさんと編集部のメンバーで楽しくお話ししています。第2回のトークテーマは「献立」。家族が食べたいメニュー、冷蔵庫にあるもの、使い切りたい食材など、あれこれ思考を巡らせながら献立を決めるのは大変なことです。今回は、『笑食同源おしゃべりごはん』でおなじみ、ボルサリーノ関好江さんと、毎日の献立をどうやって考えればいいのか、買い物や保存の工夫、日々のお悩みなどを、楽しく語り合いました!
参加者
日々の献立ってどうやって考える?
みなさんは日々の献立をどのように考えていらっしゃいますか?
私は一人暮らしなので、好きなものを好きなときに食べられます。ただ、この間、実家の母が1週間不在で父の食事を作りに行ったのですが、「1週間しっかり献立を考えるのって、こんなに大変なのか」と思いましたよ(笑)!!この経験から、おうち時間が増えた方々が「毎日何を作ればいいか分からない」とおっしゃっていた理由がよく分かりました。本当に、日々の献立を考え続けている、地球上のすべての人を大尊敬しました!!
やっぱり自分の分だけ作るのと、他の人がいるのとでは違いますよね。
そうですね。自分だけなら、鍋がなくなるまで食べ続けても、誰からも文句を言われないけれど、他の人がいると「昨日と同じだとイヤかな」と考えてしまいますよね。朝ごはんを作って「昼は何作ろう」、昼ごはんが終わると「夜は何作ろう」。みんな毎日そう考えていたんだ!と分かって、私も家族に作ることをイメージしながら献立を考えられるようになりました。
うちは基本的に外食が多いので、家で作るとなると健康に良いメニューを意識して、冷蔵庫にある野菜や肉でどうにか作るんですけど、なかなか自分が食べたいものと、栄養と、冷蔵庫の中身のバランスがうまく取れなくて…。気分は中華なんだけど、家にあるものでは健康的な中華はできない!とか(笑)。結局スーパーでお惣菜を買い足して、罪悪感を少し感じながらも、まぁいいかと思いながら食卓に出しています。仕事で疲れた日は、献立を考える余力もないので鍋ですかね。鍋一つで済んで、副菜もいらないし、バランスも良いですよね!
やっぱり困った時の鍋ですよね~。野菜と肉・魚のバランスもいいし、バリエーションもいろいろありますもんね。
私は「三品のせられるプレート」を愛用しています。仕切りがあり、主食と副菜を2種類のせられるんです。スペースが空いていると埋めたくなる性格なので、いつも気合で三品埋めることで、自然と献立が完成しています!
へー!おもしろい!
ここがどうしても埋まらない~!ってならないのがすごい。
ここにミニトマト!いや、みかん置いちゃおうみたいな(笑)。パズルみたいで楽しそう!達成感があって良いですね!
私の場合、昼は基本的に卵かけごはんとお味噌汁に固定しています。夜はその日に冷蔵庫にあるもので、名前のないメニューを作ることが多いです。オムライスやチンジャオロースのように料理名を入口に献立を考えるのではなく、冷蔵庫の食材に応じて、炒めるか鍋にするか決める感じです。「ちゃんと作んなきゃ」と思っていないので、気持ち的に楽ですね。
名前のない料理が一番おいしかったりしますよね。外では食べられない料理ですもんね!私も肉や野菜の切れ端だけで、よく名のないメニューを作っていますよ。
関さんのレシピに「冷蔵庫全部焼き」というのがありますよね!冷蔵庫に余っている食材を全部焼けばOKという、救世主的なレシピです。
見栄えもドカンとしていてね(笑)。
私は最近、日曜日にAmazonフレッシュで1週間分の食材を注文しています。中学生の息子のお弁当を軸に注文し、残った食材でみんなの晩ごはんを作る流れです。1週間分の献立って、何もないところからは考えづらいですが、お弁当という一つの「縛り」があるので気持ち的に少し楽になりました。
確かに、何か「括り」や「フック」があると考えやすいかもしれないですね。さっきたこ焼きさんがお話されていた三品プレートもそうですよね。大きな白菜を1週間でどう使うか考えてみるとか。私は今、でっかい大根と格闘しています(笑)。
筋トレを始めて「たんぱく質をこれだけ摂ろう!」と考えるようになってから、献立を決めるのが楽になったというのもありますね。メインに鶏のむね肉と決めると、野菜はこれかなと。でも、さすがに子どもたちに毎食同じむね肉を出すわけにはいかないので、同じ食材でも味付けを変えたり、味は一緒でも別のお肉にしたり、いろいろ工夫しています。
私は献立をあらかじめ考えておくのが得意じゃなくて、日々思いつきですね。とりあえず何にでも使えそうな食材をたくさん買い溜めています。気分に応じて食材を組み合わせられるよう、バリエーションを家に置いておくという方法です。アイスムで撮影した料理ならすぐに思いつくので、関さんが使われた食材は買い置きしています!ただ、夫も料理をするので、食材を先に使われてしまうことがあるんですよね。困った時は、常備しているツナ缶が大活躍しています。
買い溜め方法&買い忘れ防止策
ちなみにみなさんは、買い溜めってしますか?
家に人がたくさん来るので、割とドンと買いますね。みんなのためにワーッて作って、残った食材で自分のごはんを作ります(笑)。
私は月に1〜2回、業務用スーパーに調味料とお肉をまとめて買いに行きます。買うお肉は決まっていて、鶏もも肉、牛肉ミンチ、豚バラの3種類だけ。気分を変えたい時は、スモークベーコンを買ってみたり。この買い方がライフスタイルにはまっていますね。買ってきたら、「豚肉の6枚セット」のように小分けにして冷凍します。そんな状態なので、献立を考えるというよりは、まずお肉を決めて、「焼く・煮る・蒸す・鍋」の4パターンから選んでいるという感じです。
私は買ってすぐ小分けにして冷凍するのも、その後解凍するのも苦手です。夕食を作る忙しい時に、お肉やお魚の解凍が待てなくて…。「お水で戻しましょう」「冷蔵庫に移して5時間待ちます」というのを見ると、買ってきた方が楽だと思ってしまいます。
確かに解凍って少し面倒ですよね。私はよく小分けにして冷凍していますよ。明日は生のきくらげが大量に届く予定なので、丸ごと冷凍するものと、細かく刻んで小分けにして冷凍するものに分けようと思っています。
うちは、買い出しに行くタイミングって、お酒を買うタイミングでもあるんです。お酒などいろいろ買ってくると冷蔵庫に入りきらないので、どうしても小分け冷凍の作業をやらざるを得なくなります。一人だとしんどいので、パートナーと二人で黙々と(笑)。ラップを切る担当、水気を取る担当みたいに分かれて、スーパーの裏で作業しているような感じです。それが終わった後に飲むビールがおいしいんですよね~(笑)。
小分けにして冷凍って、ちょっとやっておくと、「昨日の私ありがとう!」って思いますよね。うちはAmazonフレッシュでむね肉が毎週2kg届くのですが、そのうち1kgをフードプロセッサーでひき肉にしています。半分はその日のうちに鶏そぼろを作り、半分は小分けにして冷凍する…というのが毎週の流れなのですが、取り掛かるまでなかなか腰が上がらない…。パートナーと一緒にそれができたら理想的ですよね!
買い物に行く前の話なのですが、私はキッチンの横にホワイトボードを置いて、足りなくなった食材をメモしておき、写真を撮ってから買い物に行きます。買い物の頻度は週1回くらいですね。まとめ買いについては、どうしても冷蔵庫に入りきるかなということが気になってしまいます。
買い忘れを防ぐ方法、大事ですね!私はスーパーへ行く度にみりんを買い忘れて、もう1週間経っています…。家に帰ってから、「あっ、みりんと電球!!」と叫んでますね(笑)。
わかるー(笑)。
なぜか買い忘れるんですよね。私は調味料を買い忘れないように、パルシステムで注文しています。たまに、注文したことを忘れて、また注文して2本届くこともありますが(笑)。
私の場合、調味料はヨドバシ.comで買います。次の日に届きます!
ヨドバシ.comには、本当にいろいろなものが売っていて、地方のお菓子や調味料も買えますよね。私は愛知県出身なのですが、名古屋には、大きなえびせんに焼いた卵を挟んで食べるようなおやつ文化があるんです(名古屋のソウルフード「たません」)。そのえびせんを東京で探しても全然見つからなかったんですが、ヨドバシ.comにはありました!
関さんのレシピにも登場した、八丁味噌もありましたよね。
家電屋さんなのに調味料を売っているなんて、知らなかったです!
常備している食材を教えてください!
みなさんは、常備しているものってありますか?うちはツナ缶の3缶セットです。三つ使い切らないうちに次を注文しておくようにしていて、いわゆるローリングストックになっています。
私は薬味が好きなので、しょうがとねぎが必ず冷蔵庫にありますね。季節によっては、みょうがも常備しています。ねぎがくたくたしてきたら、細かく切ってそのまま野蛮に(笑)、いろいろな料理に入れてしまいます。
私は買い物に行くと、毎回“三種の神器”を買っています。“三種の神器”とは、納豆と卵と豆腐。納豆卵かけごはんを食べる頻度が高いためです。豆腐は、ごはんと一緒に食べる味噌汁のためですね。あっ、三つともプロテイン(笑)。
納豆は私も常備したいです。納豆とねぎがあったら、一品できますよね。あとはキムチ、3丁パックのお豆腐もあると、ちょっと安心できます。豆腐にキムチをのせて豪華にしたり、ボリュームを出したりしています。
納豆といえば!納豆鉢というのをご存知ですか?納豆専用の鉢で、私は中川政七商店で買いましたが、とってもおしゃれですよ。すり鉢みたいになっているので、卵を入れて混ぜるとふわふわになります。
私も納豆鉢、すごく好きです!でも、料理芸人として絶対言っちゃいけないかもしれないんですけど、ぐったり疲れた時は、パックの納豆を混ぜて、その上にごはんをのせちゃって、こぼさないように食べます!洗い物も出ません!「今日だけだよ」なんて言いながら(笑)。
(爆笑)めっちゃいい話!!
いやぁ、それを聞いてすごく安心しました(笑)。
料理の仕事をしていると、「ちゃんとごはんを作られてえらいですね」と言われることがあるのですが、納豆のことが頭をよぎります。あとツナ缶にマヨネーズかけて食べてるなぁとか(笑)。
良いと思います!
最近すごく助かると思い始めたのが、切り干し大根などの乾物です。干しえびをちょっとスープに入れると本格的な味になります。乾物は常温保存できるし、びんに入れてキッチンに置いておくと、“料理できる風”に見えます!そうやってテンションを上げています!
私も干しえびは重宝していますね。いろいろな料理家さんが「お湯に入れるだけでスープになる」とおっしゃっていて、お湯にナンプラーと塩、干しえび、春雨を入れれば本格スープの完成です!
干しえびは、だしにも具にもなりますもんね。ひじきも、サラダや煮物などなんでもいけますよね。
関さんのレシピに「切り干し大根サラダ」もありますね。
関さんが「みりんだけはおいしいものを使った方がいい」と書かれているのを見て、私はパルシステムで少しお高めのおいしいみりんを買っています。
えーうれしい!ありがとうございます!あとは、やっぱり八丁味噌がおすすめかな。
八丁味噌の使い方が分からなくて余ってしまうので、ぜひ教えてほしいです。
何にでも使えますよ。味噌汁、味噌おでん、和え物でも、カレーにちょっと入れてもコクが出ます。梅を漬けておくと梅味噌になりますよ。
名古屋名物「つけてみそかけてみそ」にマヨネーズを混ぜて食べるとおいしいですよね!今はまっています。
八丁味噌とマヨネーズもおいしいですよ。あとは、麻婆豆腐を作る時に、甜麺醤の代わりに使えます。豚肉やひき肉との相性が良く、グラタンやボロネーゼにも合います。
聞いていたら全部おいしそう!!
特別な日の献立ってどうしていますか?
ところで、特別な日の献立ってどうしていますか?
私は辛いものが大好きなので、ごほうび的に火鍋をやります。材料の準備が難しいので、五香粉など本格的なスパイスが入っているような火鍋セットを買っています。入れる具材はいろいろ試してみましたが、油揚げがおすすめ。辛いスープをうまく吸ってくれるんです。あとは、かぼちゃなどの根菜系が合います。季節によって具材を替えて作るのが、とっても贅沢。からだに良くて、汗をかく達成感もあります。仕事が山場を越えた後のごほうびにしています。
火鍋いいですね~!私は年末年始には豪華なおせちを作りますが、普段みんなが集まる時は、きっちりメニューを決めません。「今日はオクラと水菜が安いから、それを使った料理にしよう。葉っぱと根菜買ったかな。豚のかたまりを買ったから、鶏はミンチかな」そんなアバウトな思考です。「しょっぱい/酸っぱい/甘い/カリッとしてる/とろっとしてる」など、味と食感で作り分けて、バーッと並べちゃいますね。
さすがです!それがなかなかできないんですよね。私は作りながら「このまま焼こうかな、蒸そうかな」って行き当たりばったりの料理をしています。そうすると、出来上がった料理の系統がバラバラになるんですよね。チーズのグラタン的なものとキムチがのったお豆腐と…統一感がない(笑)。
それはワールドワイドな食卓ですね!多国籍居酒屋みたいな(笑)。
私は家に友達をよく呼ぶんですが、最近覚えたのは、みんなで一緒に作ってもらうという技。「手巻き寿司をするから、お刺身とか好きな具材を持ってきて」「餃子にするから、包みたいものを持ってきて」とお願いして、みんなで作ります。大人数で作ると楽しいですよ。おせちづくりは年に1回の自分の“お祭り”なので、しっかり段取りを書いて、キッチンに張り付いて作るのが快感ですね。
私は毎日の料理を大事にしているので、年末だからといって特別なことは考えないです。
子どものために毎日作るというのも大変そうだなと思います。
うちの子は離乳食の時に何も食べなくて、がんばって作ったものをよくポイッとされましたね。でもその子がもう中学生になり、今は逆にすごく食べるんですよ。「誕生日プレゼントは牛肉がいい」と言ってみたり、おこづかいでサイコロステーキを買ったり、お年玉で築地市場にマグロを買いに行ったりしました!
えー!すごい!
うちの子はインスタントラーメンが好きで…。作ったものは食べてくれないけど、買ってきたものは食べるんですよね。
コウケンテツさんのお子さんも、離乳食を全然食べない時期があったそうなんです。あのコウさんのおいしいごはんを食べないなら、もはや離乳食の味は関係ないってことですよね!?それを聞くとなんだかちょっと救われた気持ちになります。
新しいアイディアに触れて、次なるチャレンジへ
最後に、座談会の感想を一言ずつお願いします。
私は料理が得意な方じゃないので、ドキドキしながら参加したのですが、今日はみなさんが実践されているアイディアを聞いて「シンプルに楽しそうだな」と思えました。早くチャレンジしてみたいです!
みなさんからいろんなヒントが得られました。ハードルの高い方法ではなく、生活に落とし込んだ、私にもすぐできそうな技があったので、ぜひ挑戦してみたいです。
緊張したんですけど、とても良い時間が過ごせました!
楽しかったです!あと2時間続けられそうですね。さぁ、飲みに行きましょうか!(笑)。
第2回アイスム座談会では、関さんの痛快なトークを中心に、和気あいあいとした雰囲気で「献立」について語り合うことができました。
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