切り干し大根サラダ

ボルサリーノ関好江の笑食同源おしゃべりごはん #14

FOOD
2021.05.28

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芸人ボルサリーノ関好江さんに料理を作ってもらいながら、おいしさのポイントなどを伺う本連載。今回のレシピは、煮物が定番の切り干し大根で作る「切り干し大根サラダ」。すごく簡単に作れて、どんな野菜を合わせてもおいしい。常備菜としても超優秀で、材料という材料が、からだに良いものばかり。冷蔵庫にあると、それだけで安心する!……という、こころとからだが喜ぶサラダです。


材料(作りやすい量)

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  • 切り干し大根…10g
  • ひじき…5g
  • きゅうり…1本
  • にんじん…1/4本
  • みょうが…2個
  • 生姜…1片
  • 鶏ささみ…1本
  • ポン酢…大さじ1~2
  • 塩昆布…2つまみくらい
  • ゆず胡椒…少々
  • 白ごま…大さじ1
  • 酒…大さじ1

作り方

1. 切り干し大根、ひじきを水で戻し、ひじきはさっと茹でる。
2. きゅうり、にんじん、みょうが、生姜は千切りにして塩でもむ。
3. ささみは耐熱容器に入れ、酒をふってふわりとラップをかけ、600wで1分ほど加熱し、食べやすくさく。
4. すべての材料と調味料を和える。
※お野菜は何を入れてもおいしいです。

切り干し大根はハンバーグに入れてもおいしい

気がつけば、2021年の折り返し地点(!)が近づいています。じめじめした天気が続いていますが、湿気を含んだ空気は食べ物にも影響します。

切り干し大根、ひじきなど、家で眠っている乾物はありませんか。あったらぜひ、彼らが湿気を吸い込んでふにゃっとしてしまう前に、シャキッとしたサラダにしてしまいましょう。

「切り干し大根サラダは、ふだんから本当によく作っていて。冷蔵庫の中に常にあるかもしれません。おせちに、なますの代わりに入れたりもします。大活躍なんですよ」と関さん。

まずは切り干し大根とひじきを戻すところから始めます。

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「切り干し大根って、煮物以外にもいろいろ使えるんですよね。少し刻んで、ハンバーグやつくねに入れてみたり。食感が少し青パパイヤに似ているので、ソムタム(青パパイヤのサラダ)を作ってもおいしいです。」

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アレンジの幅がものすごく広いレシピ

乾物が水分を吸い込んでいるあいだに、鶏のささみ肉を電子レンジであたためます。

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お酒をふりかけて、ふわっとラップをかぶせたら600wで1分ほど加熱。時間は、中まで熱が通っているか、確認をしながら調節してみてください。

「サラダチキンやツナを代わりに入れてもよいと思います!たんぱく質を入れると、一気においしくなるんです」と関さん。

続いては野菜を包丁でざくざく千切りに。

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「にんじん、今日は包丁で切っていますが、普段はしりしり用の調理器具を使っています。簡単にできてすごく良いんです。」

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むかないままで大丈夫な野菜の皮は、極力むかないのが関さん流。しょうがも皮付きのままざくざく千切りにしていきます。

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筆者も、関さんの撮影に参加するようになってからというもの、すっかり皮をむかなくなりました。ごはん作りの工程がひとつ減ると、それだけで敷居が一気に低く感じられるものなんだなぁと感激しています。

「レシピに書いていない野菜でも、お好みでいろいろ入れてみてください。何を入れてもおいしいです!食感的には、歯応えのあるものと、やわらかいものとを組み合わせるのがおもしろいかもしれません。切り干し大根も、たくさん食べたい場合は、もっと入れてもいいし。お好みで、自由に作ってもらえたらと思います。」

混ぜたら、あっというまに出来上がり

……と、アレンジの自由さについて話しているうちに、ボウルの中は野菜がこんもりに。

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塩を振り、もみ込んでしんなりさせていきます。

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ささみも食べやすいサイズにさき……

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野菜の水分をしぼりながら材料をひとまとめにします。戻したひじきは、サッと茹でてから仲間に加え……

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ゆず胡椒、ポン酢、塩昆布、白ごまを加え、まんべんなく行き渡るようによく混ぜます。

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「ポン酢とひとくちに言っても、いろいろなポン酢があるのでお好みで!選んだものによって違う味が楽しめます。」

たしかに、ポン酢ってしょうゆ味ベースのものもあれば、柑橘の果汁に近い味わいのものもあって、意外と幅広い。

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……というわけで出来上がりました!

どんな野菜を入れてもOKで、ポン酢の種類も問わないという、かなり自由度が高くて、アレンジのしやすいレシピ。乾物って、あらゆる色に染まることをためらわない、順応性の高い食べ物なんですね。

「置いておくと、ちまちまずっと食べ続けちゃう」

さて実食です。

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オレンジ、緑、黄色、白、黒。見るからに、からだがきゃっきゃと喜んでくれそうだと感じる彩りの幅の豊かさ。

一口食べて、にっこり「いつもの味です!」と関さん。

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続いて筆者も一口。おお!すごーくさっぱりしていて、歯応えが楽しくて、そしてガッツリしょうがが効いている!もりもり山盛りで食べたくなります。

「さっき『野菜、お好みでいろいろ入れてみてください』とは言ったけど、しょうがは必ず入れて欲しいかも」と関さん。

たしかに、しょうがを入れないと一気に違う食べものになりそうなくらい、しょうがの存在感が強いです。しょうがが好きな人は、思い切り入れると吉かも。

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「野菜がいっぱい食べられてヘルシーだし、ドレッシングなしで食べられるのもうれしい。『これ食べておけば大丈夫だろう』みたいなところがある、安心感のあるサラダです。漬物感覚といいますか、置いておくと、ちまちまずっと食べ続けちゃう(笑)。作り置きにもぴったりです。

ただ、入っているのがみょうがやひじきだから、子どもが食いつきにくいサラダだねって言われたことがあります。大人になって良さが分かるサラダなのかも。居酒屋で箸休め的に、このサラダが出てきたらうれしいと思うんですよね。」

冒頭で、おせちになますの代わりに入れている……と聞いたとき、関さんはきっとこのサラダが大好きなんだろうなぁと思ったのですが、話を聞いていくうちに、私の想像をはるかに超えた大きな愛があるぞという確信が生まれました。

毎日一緒にいるうちに、どんどん好きになるサラダ。たしかに、箸を進めれば進めるほど、このサラダへの愛着がじわじわ高まっていくのを感じます。

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「前に、切り干し大根サラダをテレビの番組で作ったことがあったんですけど、そのあと、友達のうちでごはんを食べていたら、このサラダが出てきたんですね。

番組を見てくれたのかな?と思って聞いてみたら、その子は『お姉ちゃんから教わった』と言っていて。でも、よくよくそのお姉ちゃんに聞いてみたら『テレビで芸人さんが作っていたよ』って言っていて。『その芸人って、もしかして私では……?』と思いました(笑)。

知らず知らずのうちに、料理がひとり歩きしている感じがして、うれしかったです。」

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じめじめした日々を乗り切りたい、今の時期にぴったりなこのメニュー。切り干し大根が家に眠っている人はぜひ掘り出してみてください。切り干し大根が家に眠っていない人はぜひ、これを機に家に迎え入れてみてほしいです。

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取材・文・イラスト:ネッシーあやこ
撮影:美坂広宣(SHAKTI)
フードスタイリング:松井あゆこ(Smile meal)