樋口直哉さんに教わる、最高においしいキャベツの食べ方

特集・旬を味わう

FOOD
2023.03.07

旬の野菜を使って、ちょっとしたごちそうを作ってみませんか。料理研究家の樋口直哉さんが、何気ない食材を最高においしく食べるアイディアを教えてくれますよ。今回のテーマは、キャベツです。

今回の食材:キャベツ

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キャベツは様々な調理法でおいしさを発揮する万能野菜ですが、僕が思う最高においしい食べ方は、「大ぶりに切って焼きをつける」というもの。キャベツは軽く焦がすと肉のようないい香りが出ます。そして葉の重なりをまるごと口にしたときの食感と味わいが実においしい。葉の層が生むおいしさを活かしたレシピを考えました。

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教えてくれた人:樋口直哉さん

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。ロジカルで理知的なレシピ解説で人気を集める。作家としても活動し、2005年のデビュー作『さよならアメリカ』は第48回群像新人文学賞を受賞。近著に『もっとおいしく作れたら』(マガジンハウス新書)がある。


キャベツはミルク系のソースとの相性がとてもいいので、今回はブルサンチーズ(ガーリック&ハーブ)を使ってソースを作ります。これ一つでハーブやガーリックの香りも含むので、手軽に複雑な味わいのソースが作れるんです。

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買うとき&保存のポイント

持って重いものが鮮度のよいもので、水分を多く含んでいます。カットされているものなら、断面の白さで判断してください。キャベツは寒いところを好むので、野菜室ではなく冷蔵庫で保存しましょう。

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さあ、それでは作っていきますよ。

キャベツのフライパン焼き チーズソース添え


材料(2人分)

  • キャベツ…1/4玉
  • オリーブオイル…大さじ2
  • バター…20g
  • 塩…少々
  • チーズソース
  • ブルサンチーズ ガーリック&ハーブ…50g
  • 牛乳…30mL

作り方

1. まずはチーズソース作りから。ボウルにブルサンチーズを入れてゴムベラで練り、牛乳を少しずつ入れて伸ばす。これだけで完成。
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2. キャベツは芯をつけたまま2等分に切る。
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3. フライパンにオリーブオイルをひき、断面を下にしたキャベツを入れ、中火で30秒焼いたら、一番弱い火力に落とす。
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樋口さんポイント

コンロやフライパンによっても火力や火の伝わり方が違うので、30秒という時間はあくまで目安です。油がパチパチと音を立ててきたら弱火にしてください。
オリーブオイルを使って焼くことで味わいにコクが増します。また大さじ2とたっぷり使うことで、キャベツの断面に均等に焼きがつくのです。
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4. さらに10分ほど焼いていく。8分経ったら一度様子を見て、こんがりと焼き色がついているようなら、キャベツを返して反対側を焼く。まだの場合は、さらに1~2分焼く。
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5. 返したら、3分焼いてバターを加える。溶けたバターをスプーンでキャベツの芯にかけつつ、さらに火を通していく。
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「溶けた油分をかけつつ火を入れていくのは、フランス料理におけるアロゼという手法です。」
6. お皿にチーズソースを敷き、キャベツをのせ、塩(あればフルール・ド・セルのような粒の大きいもの)を振る。
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旬野菜の味わい方・キャベツのポイントまとめ

完成時、キャベツの断面はしっかり火が通り、中のほうはソフトに火が入っている状態になります。これを一緒に噛むことで豊かな食感が生まれて、食べていて楽しくなるというわけです。

オリーブオイルとバター、植物性と動物性の二つの油脂を使っているのでコクと香りも豊か。いわばフルスペックでキャベツのおいしさを追求した一皿ですよ。ぜひ作ってみてください。

樋口さんおすすめ調理道具

段付きパレットナイフ

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ケーキなどにクリームをぬるときに使うことが多いのですが、料理をお皿に移すときなどにも活躍してくれます。今回の焼いたキャベツや焼き魚など、移しにくいもののときに便利。金具の部分がしなるようにできており、食材と調理用具の間にも差し込みやすい。専門店で一つ千円しないぐらいで買えると思います。

弱火でじっくり焼くことで生まれるキャベツのおいしさ、そして手軽極まりないけれども深い味わいのソースに、今回も驚くばかりでした。樋口さん、本当にありがとうございました。ぜひともまた、旬野菜の最高のレシピを教えてください。

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取材・文:白央篤司
撮影:キッチンミノル