おしえてミニトマト農家さん!あまいミニトマトをつくるには、どうすればいいですか?〜収穫編〜
食べものにまつわる、こどもたちの「なぜ?」「どうして?」。おうちの方もよく聞かれるのではないでしょうか。そこで、こどもたちからのお手紙を片手に、しゃしん絵本作家のキッチンミノルさんに、実際に工場やお店の方に疑問の答えを聞いてきていただきました!写真と動画で、楽しくリポートします。社会科見学に出かけたつもりで、ぜひお子さんといっしょに楽しんでくださいね!前編の「栽培編」に続き、後編ではミニトマトの収穫の様子をリポートします!
編集部補足)お手紙はこちら
ミニトマトをつくっている人へ
わたしは ミニトマトが好きです。
あまいのもあまずっぱいおいしいと思います。
それに、いろんな形があっておもしろいです。
わたしは学校でミニトマトをそだてています。
しつもんがあります。おねがいします。
・おいしくそだてるにはどうしたらいいですか?
・いっぱい実をつけるためにはどうしたらいいですか。
・わたしはいつもサラダでたべています。
おすすめのたべかたはありますか。
・おいしいミニトマトの見わけかたはありますか。(スーパーで)
これからもおいしいトマトをいっぱいつくってください。
東京都板橋区 さら8さいより
補足2)
編集部:注
みなみレッド
愛知県の渥美半島でミニトマトを栽培する45の農家さんが作ったチーム。おいしいミニトマトを食卓に届けるために、チーム全体で栽培技術の向上や販促活動に情熱的に取り組んでいる。
ミニトマト(収穫編)
今日もまたあつい……まちあわせのハウスにたどりつく前に、スポーツドリンクをラッパのみ。熱中症対策はバッチリだ!
指定された場所はこのへんなんだけど……ここもおおきなハウスが並んでいるなぁ。

キッチンさーん!おはようございます。
待っていてくれたのは、みなみレッドの小久保さん。

あっ、おはようございます。

さぁトラックに乗って!

ん?現場はここじゃないんですか?

今日はね。うちはここでメロンの出荷をしているんだよ。

メロン!!メロンもいいですね〜

田原市はメロンも有名でね。他にはキャベツにレタス、ブロッコリーなどの野菜のほか、キクやカーネーションなどの花き類を作っている農家さんもたくさんいる、農業がさかんな地域なんだよ。

すごい!だけどなんでそんなに農業がさかんなのですか?

ここは「常春の渥美半島」といわれるくらい、日照時間、快晴日数がともに全国トップクラスなんだ。

なるほど!

だけどね……

だ、だけど?

むかしは水がなかったんだよ。このへんにはおおきな川がなくてね。

え〜トマトには特に水が大事だって教えてもらったばかりなんですけど!!

そう、農作物は、水がないとつくれない。そこで約50年前に東三河をながれる豊川から水をひいたんだけど、それがこの豊川用水!

つまり渥美半島の気候と、この用水のおかげでこのへんは農業がさかんになったんだね。

どんなに気候がよくても水がなければそこでは農業はできないわけですね。お話を聞いてからこの水をみると、ただの水にみえないです。

こういう貯水池がこの地域にはたくさんあるんだけど、年に数回、地域のみんなで掃除をして大切にまもっているんだよ。

そうなんですね。”水なくして農業なし!”心にとどめておきます。

あはは、そんなにおおきな声を出さなくても……おっと、そろそろ収穫がはじまるはずだから、みなみレッドのメンバー、河合さんのハウスをのぞきにいきましょう!

はーい!


河合さん。おはようございます!

小久保さん、キッチンさん、おはようございます。今日もあついねぇ。収穫風景の見学でしたよね。ぜひみていってください。

ありがとうございます。

今日はあついから、あれやってみようかな〜

あれ?

みていてくださいね。

おお〜!これはなんなんですか?

これは、冬に暖房の空気をおくるものなんだけど、夏は空気だけをおくって、すこしでもミニトマトが快適にすごせるようにしているんだ。まぁ、どれほどの効果があるかはわからないんだけどね(笑)

中神さんのところではやってなかったような…

これやっているのはうちだけかも、あはは〜

農家さんによってそれぞれやりかたが違うんですね〜

収穫が始まったばかりだから、まだ、いっぱい実がついていますね。

本当だ!

むこうで李さんが収穫をしているみたいだから見にいってみましょう!

あれ?収穫しないものもあるんですか?

キッチンさんよく気づきましたね!みなみレッドでは完熟するまで収穫しないって決めているんです。

なんでですか?

なんでって、それは……おいしいから!

やっぱり!!だけど完熟かどうかを判断するのはどうしているんですか?

トマトの色づきです。なるべく赤くなってから収穫しています。この表を見てください。
暖候期はNo.3で収穫する場合もあります。

このNo.1かNo.2にならないと収穫しないように自分達で決めているんです。

へ〜こんな基準表があるんですね。でも李さんはこの表を持っていなかったですよ。

ちゃんと頭の中にはいっているんです。プロですから。

本当ですかぁ〜?わたしは自分の目で見るまで信用しませんよ!
李さーん!いま収穫したものを見せてくださーい!!

いやもっと近くで!!

どうですか?

わ〜すごい真っ赤!まいりました〜

さらさんが質問してくれた、ミニトマトを選ぶときのコツは、完熟していてハリのあるものを選ぶといいですよ!なんたってミニトマトは完熟している方がおいしいですからね。

わかりました!

ミニトマトはこのように上の方から赤くなるので

今日は上の三つだけを収穫して、のこりは後日収穫するということをしています。

ただ収穫すればいいってわけじゃないんですね。

いつ食べてもおいしいと言ってもらえるように、品質管理はとても重要なんです。

キッチンさーん!今日もたくさん採れました〜

いっぱいですね!!そのコンテナ一箱に、ミニトマトはどれくらい入っているんですか?

だいたい10キロぐらいです。

10キロ!!

ひとりで1日に150キロくらい採りますよ〜

おおー!

収穫した後のミニトマトは選果場にもっていって、おおきさごとに分けて箱詰めして出荷という流れになります。

選果場っていっても僕の家なんですけどね。

ほら、誰かがミニトマトを取りにきたみたいですよ。

父(河合秀敏さん)です。

お〜取材かぁ〜

はい。

写真も撮るのかぁ

はい!

おいおい、こんなおっさん撮ってどうすんだ〜

え〜と、す、すみません。お父さんじゃなくてミニトマトの……

おう、そうかぁ!じゃあ撮れ!

ありがとうございます!このあと、選果場にいっしょにいってもいいですか?

おう!こいこい!!

ありがとうございます。

この機械はなんですか!?

おう、これが選果機だ。この機械でミニトマトの重さで仕分けしていくんだよ。

あら、あら、あららミニトマトが踊りながら吸い込まれていく〜

見あきないですね〜

そうかぁ、でもミニトマトの品質を見極めながら作業するのは、集中力が必要だしたいへんなんだぞ。だから矢沢永吉のCDガンガンながして作業しとるわ。

気合十分ですね。おそれいります!

こうやって、重さごとに分かれてたまってきたら、次は箱詰めだ。

箱詰めのときにも品質管理をしっかりして、悪いミニトマトが混ざらないようにしてるんだよ。

品質管理を収穫、選果、箱詰めと三回もしているから、品質にバラツキがなくなってくるんですね。すごいなぁ。

キッチンさん、実はまだ品質管理が残っているんです。

まだ!!

出荷場に集まったみなみレッドのミニトマトを、抜き打ちで品質にバラツキがないか自分たちで検査しているんです。見に行きますか?

行きます!行きます!もちろんです!!

全国に出荷されるのを待つミニトマトがならんでいますね。この中から、無作為に箱を抜きだして検査するんです。

封をしているものを一度あけて、チェックしていくんですね。
品質はどうですか?

はい。問題ないですね!

よかったぁ。なんだか見ているこっちも緊張しました。

私たちはこうやって自分たちで切磋琢磨しながら、品質がよくておいしいものをみなさんに毎日食べてもらえるように日々がんばっているんです。

いや〜よくわかりました。「おいしい」には理由があるんですね。

はい。もしスーパーで「とまらん♪」というミニトマトを見つけたらぜひ食べてみてくださいね。
編集部:注「とまらん♪」とは、みなみレッドのみなさんが作っているミニトマトのブランドです。
コラム ミニトマト農家さんにごあいさつ
みなみレッド 副代表 河合竜太郎さん
今日はうちのハウスに来てくれてありがとうございます!
私は3年前にこのアイコを作りたくてみなみレッドに入りました。このみなみレッドの自由な気質が好きですね。いまではアイコだけを作っています。
いつもは7時30分から仕事を開始して、収穫、出荷、温度とかのチェック、葉っぱの間引き、誘引して選果を17:30まで繰り返します。17:30からは、ハウスを見て周り、次の日に必要なものはないかを調べて、その準備をして終わりです。
友達にミニトマトを送ったとき、普段ミニトマトを食べない子どもがバクバク食べてくれたと聞くとうれしいですね。
ミニトマトのおいしい食べかただと、アイコをふんだんに使ったミートソースはおすすめです。いつか商品化して販売したいくらい。
変わった食べかただと、田原市にある「バロック」というジェラート屋さんでうちのミニトマトを使った限定ジェラートを作ってくれています。おいしいですよ〜
お手紙ありがとうございます。「ミニトマトが好き」と言ってくれてうれしいです。
私達みなみレッドの生産者は、みんなにおいしいトマトが食べてもらえるように、しっかりと実があかくなってから収穫をし、キズの入ったものや傷んだものが入らないように気をつけて箱づめをして出荷しています。
トマトのおすすめの食べ方ですが、私はサラダで食べるのも大好きですし、カレーに入れて食べるのも大好きです。「トマト入りカレー」は水を入れずに、トマトをいっぱい入れて作ります。甘くておいしいのでためしてみてください。
おいしいトマトの見わけ方は色づきがよく、ツヤとハリがあるものをえらびましょう。「とまらん♪」と名前がついたトマトを見つけたら私達の作ったトマトなのでぜひ食べてみて下さい。
これからも栄養いっぱいのトマトを食べて、元気に楽しくすごして下さいね。
みなみレッド役員 小久保貴啓
「届け!お手紙!キッチンミノルのおうちで社会科見学」では、子どもたちからのお手紙を募集しています!
キッチンミノルさんに行ってもらいたい、食を扱うお店や工場に、お手紙を書いてみませんか?
知りたいこと、前から不思議に思っていたこと、聞いてみたいこと…。どんなことでも大丈夫です!
応募は、アイスム公式LINEよりご連絡をお願いいたします。
LINEトーク画面より「おうちで社会科見学」と送信の上、お子様のお名前(ニックネームなどでも可)と年齢をお送りください。