最初の一歩が遠すぎた…けど?ふるさと納税しみじみ体験
ふるさと納税。
ええ、知ってはいました。制度としてはもう何年も前から耳に馴染んでいましたし、大体の仕組みについても把握していました。
全国の応援したい自治体に寄付ができ、自治体が用意した返礼品を選ぶことができる…さらに税の控除を受けることができるお得な制度…
でも、私は今まで一度も、ふるさと納税にトライしたことはありませんでした。
理由を言い表そうとするならば…私が規格外の面倒くさがりだから、という一言に尽きます。
まず、自分の控除上限額を調べるのが面倒。
そして、控除の具体的な手続きを詳しく知らないので、それもなんとなく面倒くさい(気がする)。
いいもんね、お得になるって知ってるけど別に私は必要ないもんね…そんな「酸っぱい葡萄」ならぬ「酸っぱいふるさと納税」状態で数年を過ごしてきた私がついに、今回のテーマをいただいて、重すぎる腰を上げたのです。ついにやるか、ふるさと納税!
ふるさと納税をするのに一番必要で大切な情報、それは自分が一体いくらまでこの制度で税金の控除を受けられるのか、つまりは控除上限額です。
控除の上限額は、たくさんあるふるさと納税サイトのどこでも、簡単に計算できるツールが用意されています。収入が給与所得のみの方ならば、源泉徴収票があればすぐにご自分の控除上限額を知ることができます。なんと便利な時代でしょうか…
しかし、これが、少々特殊な働き方をしている私にとって第一の関門。ライターとして細々と自営業を営む傍ら、パートとして給与所得もある二足のわらじ履きにとって、自分の控除上限額を把握することはなかなかの高い関門でした。
しかし、その気になればインターネットはなんと頼もしいことでしょう。昨年度の確定申告書や源泉徴収票とにらめっこし、「ふるさと納税 個人事業主」などのワードで検索をかけまくり、確信ではないにしても「このくらいならば確実に控除されるはず」というラインを、ようやく弾き出すことができたのです。
そして第二の関門である、具体的な還付の手続きが面倒、という問題。
これについては、実際に調べ始めてみると驚くほどに簡単でした。
ふるさと納税サイトを通じて、寄付したい自治体と返礼品を選び、決済の手続きをすると、しばらくして寄付した自治体から寄付金受領証明書が届き、それをもとに確定申告の該当する欄に記入するだけ…本当に?そんなに?簡単なの?
さらに、いざ返礼品を選ぼうと思ってみると、意外な楽しみに気づきました。
ふるさと納税を始める前の私は、「どの返礼品を選べば一番お得だろうか」ということばかり考えていました。やはり日用消耗品がいいだろうか、お米や味噌はどうだろうか…ついついそんなことばかり考えてしまうのは、家計を預かる主婦のサガであります。
しかし、いざふるさと納税サイトの返礼品一覧を見てみると、そんな気持ちはいつの間にか吹き飛んでしまっていました。そこには驚くほど多彩な品物が用意されていました。お米や味噌と一言でいっても、何十、何百種類もの返礼品があります。食べたことのない高級品をはじめ、おしゃれなパッケージのもの、地域のブランドをかけて売り出している新品種…目移りして仕方ありません。
さらにパッケージ旅行や特産品の手作り体験チケット、高額なものになるとオーダーメイドの着物や靴、バッグまで…
見ているだけでも時間を忘れるほど多彩なのです。
そうして迷いながら返礼品を見ていましたが、気づけばいつの間にか、自分の地元や、近隣の街の特産品に目を惹かれていることに気づきました。
実家の近所のお菓子屋さんの懐かしいお菓子、友人の実家が作っているおいしい野菜、それから今は地元にもこんなにおしゃれな雑貨を作っている工房があるんだ!などと、嬉しいやらびっくりするやらです。
思えばこんなご時世で、高齢化の進む地元にはもう何年も帰省できていません。
実家の家族とは電話などで連絡はとっているものの、実際に地元の町がどんなふうに変化しているのかは、なかなか想像できずにいました。それが、返礼品のラインナップや紹介文を見ていると、今地元がこんな産品に力を入れているんだな…と目に浮かびます。
なるほど、こんな形でふるさとの「今」を知ることができたのか…そしてふるさと納税を通じて、少しでも地元を応援することができるのか…と、しみじみと嬉しくなりました。
じっくり悩んだ結果、返礼品として選んだのは、地元産のハーブを使ったおしゃれなスキンケア用品と、大好きな観光地のある自治体のおいしそうな海鮮漬けです。
どちらもまだ手元に届いてはいませんが、待つ時間もまた楽しいものですね。
事前に感じていた面倒くささも、一度通り過ぎてしまえばなんのその。
来年はもっと早めにリサーチを始めよう、地元の旬の果物や野菜もいいな…などと早くもあれこれ考えています。
私と同じようにふるさと納税への腰が重い夫に「いい加減にふるさと納税やってみなよ!サラリーマンならものすごく簡単だよ!」と、ビギナーのくせにしきりと先輩風を吹かせている今日この頃です。