好きな香りの共通点
こんにちは、こたきです。
秋の気配が漂い始めるとともにスーパーの焼き芋売り場が本領を発揮してきました。
今月に入ってもう何度「おいしい香り」にやられてしまったか分かりません。
焼き芋ってたいていは専用の茶色い紙袋に包まれて売っていて、芋の姿は見えないのに買ってしまうんだから、やっぱり香りのパワーは凄まじいなと思います。
小さい頃は石焼き芋屋さんが近所に来た時(かつ大人が買ってくれた時)にしか食べられなかったけれど、最近はどこのスーパーでも売っているし、家庭用のオーブンでも高クオリティの焼き芋を作ることができるので、いい時代になりましたよね。
「遠くで焼き芋屋さんの声がする!!買いたい!間に合うかな!」というワクワク感はなくなってしまったけれど…。
私は焼き芋はプレーンなまま、できれば牛乳といっしょに食べたい派ですが、夫はバターをつけたい派だそうで、初めてその文化を知った時は「そんな罪深いことしていいの!?」とたいそう驚いたものです。
でもじゃがバターなら私もよくやるので、乳脂肪と合わせておいしい!っていうのは一緒だな、おいしくないわけないなと腑に落ちました。
ところで、皆さん「メイラード反応」って聞いたことありますでしょうか。
加熱によって糖とアミノ酸が結合して色々な反応が起きて、いい香りの物質と褐色の物質ができる…みたいなやつです。
おいしい香りや好きな香りについて調べていたら「もしかして私の好きな香りって全部メイラード反応の産物なんじゃ?」と気付いてしまって…。
蒸した芋にはない焼き芋のあの香ばしさも、玉ねぎを炒めて飴色になるのも、チョコレートの香りも、コーヒーも、焼き肉も、クッキーやパンを焼いた時のあの香りもホットケーキの焼き色も全部全部メイラード反応が作用しているものだそうですよ。
もしやと思って『ビール メイラード反応』で検索をかけたところ、ビールのあの色もメイラード反応の結果と判明し、動揺が隠せません。メイラード反応に包囲されている〜〜。
でも糖とアミノ酸なんておいしさの代名詞みたいなものだし、好きな食べ物と関係があるのは当たり前か。
そういえば以前、お菓子作りが好きな理系の友人が幼いお子さんに「ホットケーキはなんで茶色いの?」と聞かれて「メイラード反応が〜」と説明したくなったと言っていました。私だったら、分からなくて適当なことを言ってしまいそうです。
ホットケーキといえば焼き上がりももちろんいい香りだけど、焼く前のホットケーキミックス生地のバニラの香りもたまらないですよね。
娘たちとホットケーキ作りをする時は毎回のように「このまま舐めていい?」「生の小麦粉はおなか壊すからダメ」という会話をしているけれど、内心わかる…わかるよ…と共感の嵐が吹き荒れてしまいます。
ちなみに私はバニラエッセンスもこっそり舐めてしまう子どもでした。
でもあれにっがいんですよね。
たまにのお菓子作りの時にしか出番がこない上、茶色い小瓶に入っていて一滴ずつ垂らして使う、しかもあんなに甘くていい香り。
子ども心にはスペシャル感が半端じゃなくて、苦いことを知ってからも諦めきれず(?)何度もチャレンジしては顔をしかめていた気がします。全然学べない。
甘い香りといえば、長女や次女が2歳くらいの頃はいつもいちごを食べた後の手が驚くほど甘くて濃いいちごの香りになっていて、それも大好きでした。
小さいかわいいおててからいちごの甘い香りがするなんてメルヘンここに極まれりという感じで、本物のいちごを食べる以上の幸せ感に浸れた記憶…。
もう二人とも上手にいちごを食べられるようになったのでご無沙汰なんですが、香りと記憶は結びつきが深いと言いますし、これからも何かにつけて思い出すんだろうなあと思います。
ちなみに、いちごの主な香りは「フラネオール」という成分なんですが、このフラネオールはメイラード反応でも生じる香り成分だそうで、「これもメイラード反応と関係あるんかい!」とつっこんでしまいました。