長持ちしすぎてもはやこわい。私の最愛台所用スポンジ

わが家の笑顔おすそわけ #27「調理道具」〜甘木サカヱさんの場合〜

LIFE STYLE
2022.05.26

台所用スポンジは、家事担当者の毎日の相棒だ。

洗い物は正直面倒くさい。私自身、あまり好きではない。できればご勘弁願いたい。でも、そんな気の進まない洗い物も、使い勝手の良い道具があれば少しは気が晴れるというものだ。

我が家には食洗機があるけれども、六人家族の毎日の食器はとてもそれには収まりきらない。
とあるメーカーの台所用スポンジが大活躍している。

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一口に台所用スポンジといっても、値段はそれなりに差があり、使い心地にはもっと大きな差がある。というのが、100円ショップの最安価格帯から高級品(と言っても一個数百円程度ではある)まで、さまざまな台所用スポンジを試してみた私の感想だ。

そんな私がここ数年、これ以外はもう使えない!と虜になっている品がある。

それが、ダスキンの台所用スポンジだ。

一見して目立った特徴のない、ごくオーソドックスでシンプルなデザインだが、使ってみるとその「総合力の」高さに驚く逸品だ。


大雑把に分類して、台所用スポンジには四種類あると思う。

柔らかいスポンジと硬いタワシスポンジの2層タイプ。
2層タイプの間にきめ細かいスポンジがある3層タイプ。
そしてネットや特殊な繊維を編んでスポンジを包んであるタイプ。
最後に一つの素材のみでできている単層タイプ。

さらにメーカーごとに工夫を凝らして、持ちやすい形にカットされているもの、細い溝なども洗えるもの、かわいらしいキャラクターの形など、その種類は数え切れない。もちろん、それぞれ長所と短所がある。

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移り気な私は、現在のスポンジに落ち着くまで、さまざまなスポンジを試した。

一見してデザイン重視に見える可愛らしい形のスポンジが意外なほど使いやすかったり、質実剛健に見えたスポンジが思ったよりずっと早くへたったりする経験を重ね、つくづくスポンジは、使う人との相性が何より大切だ。と思うようになった。 

こう書くと大袈裟に思われるかもしれないが、これは自信を持って断言できる。一人暮らしの台所と、三人家族、そして大家族の台所にフィットするスポンジはそれぞれ違うのだ。

例えば、水切れを優先しすぎると泡持ちが犠牲になる。しかし一人暮らしの少ない食器ならばそれで十分だろう。

安さを重視すればスポンジがへたりやすい傾向はあるが、衛生面を考えれば短いスパンで使い捨てにするのも合理的だ。
しかし六人家族の我が家の場合はどうだろう。日中も誰かしらが家にいて、洗い物の回数は一日三回以上。

そうすると、食洗機の予洗いにもこまめに使うから、水切れの良さは並程度で十分だ。同様に、こびりつきが強くなるまで食器を放置もしないから、頑固な汚れに対する洗浄力もそこそこあれば十分。

反対に重要視するのが、泡立ちの良さ。たくさんの食器や鍋釜を洗うので、できるだけ少ない量の洗剤で済ませたい。そして何より大切なのが、スポンジ自体の耐久性だ。安くてもすぐにへたるものを大量に消費するより、できれば丈夫なスポンジを漂白剤で殺菌したりしながら長く使いたい。

そんな我が家のニーズにぴったりフィットしているのが、ダスキンの台所用スポンジなのだ。

 
このスポンジの形は潔いまでにシンプルだ。これまで弁当箱のふたの溝など、細かいところまで洗えるような工夫を凝らしたスポンジも色々と使ってみたし、どれもそれなりに納得のいく使い心地だったけれども、耐久性の面では大満足とはいかなかった。切れ込みが入っていたり、スポンジ自体が細くなっていたりすると、どうしてもその部分がちぎれてきてしまう。

その点、角を丸めたシンプルな長方形のダスキンのスポンジは強い。細かな部分の若干の洗いにくさは否めないものの、あまりにも耐久性がありすぎて、ボロボロになるまで使うのがむしろ難しいほどだ。

我が家では、新品のスポンジを、まずは台所で数ヶ月間使う。最初の数日はかなり硬めの感触だが、すぐに手に馴染むほどよい弾力になる。

塩素系漂白剤で殺菌消毒しても、さすがに真ん中の白い部分が変色してきたな…と思ったら、お風呂用のスポンジにしたり、庭の蛇口周りのものを洗うのに使ったり、最後は猫のトイレを洗うために使って捨てたりする。

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足掛け一年以上、それでも原型をとどめたまま、しっかりと最後までスポンジとしての役目を果たしてくれるので、これはもう驚異的な耐久性と言っていいだろう。

三個入りのパックの最後の一個を使い切る頃には、前回いつ買ったのか覚えていないくらいだ。

資源の保全が声高に叫ばれる現在、この耐久性は、消耗品として素晴らしい美点だ。

このスポンジが苦手とする、弁当箱のふたや水筒のキャップなどの細かな溝を洗うために、以前は専用のブラシやスポンジを別で用意していたが、最近はそれもない。

弁当箱は食洗機対応のものに徐々に買い換えた。水筒の蓋は、よっぽど頑固な汚れでなければスプレータイプの台所用洗剤で充分きれいになることに気づいた。細かな溝を洗うこと自体の手間も省けて、本当に洗い物のストレスが軽減された。

こういった細かな作業の手間は、それ自体は数十秒で終わることだったとしても、一度解放されてみると、もう二度と以前の自分には戻れる気がしない。新しい技術ばんざい!である。

そんなわけでここ数年の我が家の台所には、台所用洗剤(普通のものとスプレータイプの2種類)、食洗機用洗剤、そしてダスキンのスポンジというシンプルな構成が定着している。

機会があれば別のスポンジも試してみたいという気持ちも無いではないが、なにせ一度買うとものすごい耐久性なのである。まだしばらくは、この絶大な安心感に身を委ねていたいと思う。

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