秋だ!キャンプだ!BBQだ!
食欲の秋である。そして秋はキャンプの季節でもある。とても楽しい季節がやってきたのだ。
今年は家で仕事をすることが多かったので、とにかく食べて、ドンドンと太った。多分5キロくらいは腹に贅肉がついた。パーソナルジムに通ったりもしたが、摂取しているカロリーの方が勝っているので、その効果は認められなかった。
若い頃はどんなに食べても太らないと思っていたが、僕も三十半ばを過ぎれば、例に漏れずどんどん太っていくようだ。新陳代謝が落ちているのでしょうがない。とりあえずこれ以上は太らないよう、現状維持を目標に日々を生きている。
すっかり中年太りしてきたが、季節も秋に変わり食欲に拍車が掛かっている。困ったものだが、やはり食べるのは楽しい。「生きる目的とはすなわち食べること。」そんな風にも思う。食べる楽しさの前では自分の体型なんて二の次である。
そんな僕が最近ハマっているのがキャンプである。
先月は四回行き、今月は五回行く予定が入っている。もともとキャンプは好きだったが、今年はさらにキャンプ熱に火がついた。
「なぜ外で食べるだけでこんなにおいしく感じるのだろうか」
「なぜこんなに楽しいのだろうか、はしゃいでしまうのだろうか」
毎回キャンプに行くたびに「これからキャンパーとして生きていくべきなのではないだろうか」とリブロースにかぶりつきながら真剣に考えている。本来の自分のあるべき姿はこうなんじゃないかと感じているのだ。
火を起こし、肉を焼き、それを食らい、ビールを飲む。
人生でこれ以上の幸せはあるのだろうか。
いや、ない。
毎日やっても飽きない自信と確信がある。僕はDNAレベルでキャンプを求めているのだ。
しかし僕も一応会社を経営しているので、当たり前だが仕事はしなくてはいけない。なので最近の僕はどうにかしてキャンプを仕事にできないかと肉を焼きながら考えている。
月並みではあるがたった一度の人生だ。やりたいことやったもん勝ちである。自分が楽しいと思うことを仕事にしたい!好きを仕事にしたい!火を起こし、肉を焼き、それを食らい、ビールを飲む。これが仕事になったら最高じゃないか。
その生活を実現させるためになにをやるべきなのかを、リブロースにかぶりつきながら考えているのである。
こうして思考を巡らしながら、森林の中でチェアに座って飲む淹れたての珈琲もまた格別である。良い豆をミルで挽いた丁寧な珈琲だ。至高の時間である。悠久の時の流れを感じる。BGMには小鳥のさえずりが聞こえる。
実は秋から冬にかけてがキャンプのベストシーズンになる。寒い季節に焚き火を眺めながら珈琲を飲む時間は、人生で最も贅沢な時間だ。
夏にキャンプをやっている人は、一度で良いから秋〜冬にやってみて欲しい。寒いときこそ焚き火の本当の良さを感じることができる。珈琲も良いけど、ココアもおいしい。紅茶でも良い。温かい飲み物全般、全部良い。
おいしさはシチュエーションで決まると思っているが、そのシチュエーションがすべて揃っているのが、キャンプなのだ。自然の中で、おいしい肉などを、ちょっと体を動かした後に食べる。寒さを感じながら焚き火を囲み、温かい飲み物を飲む。これが最高のシチュエーションである。
最近知り合った高山社長というナイスな友達がいる。高山社長は元々自然とかで遊ぶタイプの人間ではない。完全に赤ちょうちんが似合うタイプの人間だ。僕は実生活でもキャンプの話ばかりしているのだが、この高山社長を一度キャンプに連れて行ったら見事にハマってしまい、今では「BBQマスターになります!」と張り切っている。
グルメな方なので今までの人生で散々おいしいものを食べてきたと思う。しかし僕がダッチオーブンで焼いたリブロースを「今まで食べてきたものでベスト3にはいる!」と感動してかぶりついていた。キャンプめし、恐るべし。
後日どうしてもリブロースの作り方を知りたいとのことだったので、高山社長の家まで行って教えてあげた。
最近では顔を合わせるとキャンプめしの話ばかりしている。こないだは平日の昼間に喫茶店で3時間ずっとキャンプの話だけをしていた。
「次はどんな料理を作るか」
「チキンの丸焼きはどうやって作るのか』」
「子豚の丸焼きをしてみたい」
とても充実した3時間だった。
一応二人とも会社を経営しているのだが、平日の昼間に一体なにをやっているんだろうかとも少し思う。しかしキャンプは、おっさんたちに喫茶店でずっと肉の焼き方の話をさせてしまうくらいの魅力を持っているのだ。
来週の月曜日はチキンの丸焼きをやる予定なのだが、今からワクワクしている。
食欲の秋をキャンプと共に過ごしたいと思う。おっさんのBBQライフはまだ始まったばかりだ。