買い物は自由に!だって、スーパーも自由だから!
きじまさんは言いました。「最近、改めてスーパーの楽しさに気付いちゃったんですよね」。誰かの「推しスーパー」に行って、一緒に買い物をしたら、もっと楽しいかも!というわけで、この企画が生まれました。スーパーを案内してもらうお礼は、買った食材で作るきじまさんの即興料理です。さあ、出かけましょう。
フレッシュひかりへ!
今回訪ねたのは、東京都は練馬区にある、フレッシュひかり。とにかく鮮魚と青果が安いと評判の店で、地元では大人気。週末や特売の日には行列ができるほど。
こんにちはー。まさか福岡さんとは(笑)!応募してきてくれたんですって?
記事を読んでおもしろそうだなぁと思って。きじまさんに「フレッシュひかり」を体験してもらいたくてサイトからフツーに応募しました。
うれしいなぁ。じゃあ、早速案内してください。推しポイントはどこですか?
なんといっても野菜と鮮魚だね。安くていいよ。
まずは、店舗前に並んでいる野菜と果物のコーナーから見ていくことにしました。
確かに安い。それに、果物もいろいろな種類があって、充実してますね。
店の中より安いものがあって、100円ショップか?と思うような値段のときもある。
それは要チェックですね。
この日は、終日静かに雨が降り続けていました。肌寒いので、中に入りましょう。
おやおや、小なすがある。栃木の水なすもある!
なすが好きなの?
好きなんですよ。つい目に入ってきちゃう。福岡さんがよく買う野菜は?
きのこ。あ、きのこは野菜じゃないか。もやしはヘビロテ。あとはれんこんLOVEですね。小松菜もよく買うかな。
入り口から入ってすぐが野菜売り場。通路の左右にコンパクトに野菜がたくさん並び、ぎゅっとまとまっていて見やすい印象です。野菜を眺めながら歩いていくと…
わ、突然お菓子コーナーになった!野菜の横にこんなにあるなんて。
ここのお菓子はなんだか自由なんだ。定番ものというより、そのとき仕入れたものをポンと置いてある感じ。それが妙におもしろい。
菓子を積み上げてますよ。ふつう、パッケージは面で見せるでしょう。
この店は情報量が多いなあ。なんだろうこの感じは。
店のレイアウトや商品の並びもその時々で、けっこう日替わりっていう感じなんだよね。
見てください、段ボールを陳列にそのまま使っています。ここは段ボール陳列パターンです!
(カメラマンを振り返って)陳列、好きだねぇ。
陳列好きのカメラマンでなくとも、気になります。棚ごとにアイテム分けがされている普通のスーパーとは明らかに違う、不規則な配置。よく見ると、アイスや冷凍食品を入れるような什器に、マヨネーズやケチャップが詰められていて、自由すぎます。自由陳列です。どこを見たらよいか分からない感じがあって、妙にワクワクします。
そういえば、青果売り場には「マルゴ青果」って大きな看板が出ていたし、向こうには「ナカムラ水産」って看板があった。でもここは「フレッシュひかり」でしょう??
鮮魚コーナーでは、冷蔵スペースが通路中央に細長く続いていて、広々としていて大きな売り場です。
鮮魚は好きだから、よく見るよ。
福岡さん、寿司がにぎれるんですもんね。料理も上手なんですよ、皆さん。
白子とあん肝、どっち食べる?
どっちもプリン体ばっかりじゃないですか!
僕はどちらも大好きです。
おっさんの会話だなあ(笑)。
鮮魚コーナーの奥には、にぎり寿司が並ぶコーナーがありました。
この寿司コーナーも量が多くてすごいねー。
のり巻きがバイキング形式になってる。いいなあ。
1本98円ってすごいよね。
同じ鉄火巻きでもさび抜きとわさび入りがあるわけですね。うちの子どもも喜ぶなあ、これは。
「鮮魚には自信あり」ナカムラ水産大貝さんのお話
一通り歩いたところで、お店の方に話を伺うことにしました。
こんにちは。魚売り場が広いですねー。
うちは魚屋ですから。毎日豊洲に通って仕入れています。
水産と青果、それぞれ大きな看板が出ているのがちょっと不思議だったんですけど、あれはどういうことですか?
スーパーの中に独立した店舗がある形です。店を始めた20年前くらいに、ナカムラ水産の社長が、地元の人が使いやすい店舗にと考えて、マルゴ青果さんと共同で店舗を持つことにしたんです。
そうだったんだー。
確かに、同じ店舗に魚と野菜があれば便利ですよね。
ナカムラ水産は、都内に数店舗、魚屋の店舗も持っているんですよ。
生鮮以外の食品や調味料、惣菜もありますけど、それは誰がやっているんですか?
それぞれが独自に仕入れています。
え!?分担はあるんですか?
「このあたりが境界線ですかね」と、店内を指さす大貝さん。「どこどこ?」と言いながら、きじまさんが歩いて行きます。
画面、左側がマルゴ青果さん、右側がナカムラ水産さんだそうです!
あるんだね〜店の中に見えない境界線が(笑)。それで、青果売り場の一角にお菓子があったりするんですね。でも、魚売り場の横にも菓子パンが置いてあるし、商品がかぶることはないんですか?
あります。同じ商品があっても、ラベル(バーコード)で管理しているから大丈夫です。
独立採算!でも同じ商品の場合、値付けはどうなるんですか?
そこは、バチバチ(戦い)でやってます。
笑!!
だから、専門以外の商品の並びに自由な感じがあるんですね。
来るたびにどこか違う感じがあって、それがいいんだよね〜。
もちろん、うちが一番力を入れているのは鮮魚です。いい魚を安く、ですね。おつくり(刺身)と寿司は売り切るようにしていますし。
売り切りの気合いは、いつも感じますね。塩干ものも安くてものがいい。
今日のおすすめは何ですか?
柳ダコです。冷凍ものですけど、いい値段で出せていると思います。
ありがとうございます。見てみます!
そんなおもしろい経営形態だったとは!これは、マルゴ青果さんにも話を聞かなくては。というわけで…。
「青果には自信あり!」マルゴ青果 中根さんのお話
こんにちはー。
いつも利用していますー。
お顔分かります。いつもありがとうございます!
共同で店舗作りをしているとは、ユニークですね。
マルゴ青果としては、都内に8店舗あります。ここは、先代の経営者が、ナカムラ水産さんと肩を並べて一緒にやる形を選びました。テナントではないから、上下関係がないんですよ。
おもしろい!
スペースのとり方からいろいろ、ナカムラ水産さんと相談しながらやっています。
菓子コーナーの陳列が気に入りました。縦に積み上げていておもしろい。
青果以外の食品もやってみたくて置いているんですが、本業は青果ですから。それ以外の品出しや陳列に手間をかけられなくて、できる時にたくさん並べようとやっていたら、あの形になったんです。
本業は青果ですもんね。店舗前にも、店中にも野菜がたくさん並んでいるから大変ですよね。
中と外では少し品揃えを変えています。同じ野菜でも、外のほうが少し安くしているものもあるんです。
ほらね。そうなんだよ!
店頭は、お客さんに寄ってもらいたいから、目をひく値段に。外には出していない野菜も見てもらうために、中に入ってもらうという流れです。
僕は、一度外を見てから店内を一周して、また外にも買いに来る。
そういうお客さま、けっこういらっしゃいます。
でもね〜値段だけじゃないんだよね、買いものは!品物をみて、これがいい、これが食べたいとなるから。
そうそう。安いに越したことはないけれど、食べたいものを選びたい。同じ果物でも、種類が違うものがけっこうあって、選べるようになってますよね。
毎日、市場に足を運んで仕入れていますから、棚づくりはその日ごとに違いますね。青果に特化したい、と考えています。それに、毎日売り切るようにしています。
鮮魚もそうだったけど、青果も売り切ろうという気合いを感じるんだよ(笑)。売り切りっていいですよね。鮮度のよさにもつながるから。
まだまだお話を聞いていたくなりますが、もう1時間以上たってしまいました。そろそろ買いものをしましょう!
今日は何を食べましょうかね。雨で寒くて、なんだか鍋もいいなあって気分になってます。
鍋にするなら、タコもあったよ。
鍋にタコ?どういうこと!?
鍋って、何でも入れればいいかなと思って(笑)。
よし決めた、鍋にしましょう!
じゃあ、野菜も買おう。
いつもは、材料を買いながら料理を少しずつ考えていくのですが、今回は先に献立が決定しました!スタッフも大賛成。
鍋って、何でも入れられるから気楽でいいよね。
このししとうもカゴに入れて。ちょっと炒めよう。
柑橘も欲しいですよね。かぼす?すだち?
シークワーサーにしよう。なんかおもしろいから。
おもしろいという理由で買うっていいですねー。
鍋なら薬味も欲しいよね。柚子胡椒あるよ、緑と赤。赤は完熟だね。
買いましょう!
鍋あとはどうする?ひっつみなんてどう?
おぉ、東北の郷土料理だ。いいですね、小麦粉も買いましょう。
あとは鮮魚コーナーだね。おすすめしてもらったタコを買わなくちゃ。それと、わかめ、しじみ。
鍋の味つけはどうしますか?
ベーシックな醤油味でいいんじゃない?魚をいろいろ入れればだしが出る。魚メインにしましょう。
鮭の白子があるよ!
たらの白子はよくあるけど、鮭はめずらしいですね。お〜生たらこもある。
さっき、たらの頭と切り身のパックもカゴに入れていましたよね。
たらことか白子とか、たらとか、なんとなくかぶってる感じがするけど、まあ、いいか。
もうそれくらいでいいんじゃないですか。たくさん買うと、材料撮影が大変なんです。
何を言ってるのー。
あぁ、わかるよー。並べきらなくなるんだ。物撮りは大変だよね。
わかってもらえますよね!カメラマンあるある。それであのぅ、のり巻きは?
自分で買いなさいよ〜。
私ものり巻き、食べたいと思っていました!
鍋が煮えるまでの間に食べるのに、ちょうどいいですよ。個人的には、かんぴょう巻きが食べたいです。
じゃあ買おうよ。4本くらいあればいいかな。
まさかの、スタッフがゲストにおねだりしてしまうという展開になってしまいました…。
鉄火巻き、えびマヨ、海鮮、それとかんぴょうね。
ありがとうございます!
買い物終了!鍋を作りましょう
買い物終了。さぁ、どんな鍋ができ上がるでしょう。
買ってきた食材その1。
魚介鍋ですから、食べたい魚介をあれやこれや。
買ってきた食材その2。
鍋の野菜ときのこ、薬味と、ひっつみ用の小麦粉を。おいしそうな柿もあったので買いました。
まずは、昆布を水につけておこうかな。福岡さん、だし昆布ありますか。
あるよー。
きじまさんは、かぶの皮をむいたり、ねぎを切ったりと、野菜の下ごしらえからスタート。それを見ていた福岡さん、小麦粉を取り出しました。
僕は、ひっつみの生地をこねておこうかな。
どうやって作るんですか?
小麦粉に、少しの塩と水を混ぜるだけ。ひとまとめにしてからラップで包んでおけば、鍋が煮える頃にはまとまると思う。粉ものは、何でもよく作るんだ。
かぶの皮はむいたけど、捨てるのももったいないから、とりあえず細切りにして塩もみにしよう。
のり巻きを切っておこう。南天添えちゃう?採ってくるね。
福岡さんは庭から南天の葉と穂じそ(青じその実)をとってきて添えてくれました。
こういう、ちょっとしたあしらいがあると、買ってきたのり巻きも格段においしそうになりますね。
柿は白和えにしまーす。豆腐はペーパータオルでぎゅーっと包んでしばらくおけば、水切りは十分。これを細かくつぶして、あえるだけ。すりごまを入れると、ほどよく豆腐の水分を吸ってくれるし、香りもよくなるよ。さっき塩もみしたかぶの皮も入れよう。きっと食感がよくなる。
柿と豆腐の白和え
水切りした豆腐に、砂糖と塩、白すりごまを入れて混ぜ合わせ、柿を加えてあえればでき上がり。塩もみしたかぶの皮も入れました。
「簡単でしょ。豆腐と柿の甘みはよくあうからおすすめです。」
次は魚介をやろうかな。生わかめは、食べやすく切ればオッケー。たらの頭は、サッと湯をかけて水洗いしましょう。
白子は、筋を取ってサッとゆでて、食べやすく切る。
洗うだけのものと、湯をかけるものの違いはなんですか?
生臭さがありそうなものはサッと湯を通すかな。そうするとおいしく食べられますよ。
魚介の下ごしらえ完了。タコは薄切り。生たらこは半分に切りました。
これだけ魚介があったら、白菜は入らないな(笑)。まあ、ねぎとかぶが入れば十分おいしいでしょ。
そろそろししとうを炒めようかな。味つけは、”かえし”。
さすが、”かえし”を作っているとは!
便利だよ、こういう炒めものの味つけにも使えるから。
ししとうは炒めるとおいしいよね。鍋の箸休めにはいい感じ。
ししとうのにんにくしょうゆ炒め
みじん切りのにんにくをごま油で炒めて香りを出し、ししとうを加えてサッと炒めるだけ。味つけは、福岡さん自家製の“かえし”。“かえし”は、そばつゆを作るためのもので、醤油、砂糖、みりんなどを煮てねかせたものです。かえしがなくても、醤油やみりんで味つけすればおいしそう。
鍋の準備ができました!いただきまーす
鍋に昆布だしと魚介、野菜類が入りました。後から加える具や、ひっつみの生地をスタンバイさせて、鍋スタート!福岡さんは、自家製のぬか漬けも出してくれました。
アクを取りながら煮ていきましょう。
味つけは、福岡さんの“かえし”で。少し薄味にしておいたほうがいいね。煮ているうちに汁はどんどん煮詰まって濃くなっていくから。
たらの頭もらおう。うまそー。
白子もしじみも入ってますよ。どんどん食べてください。
鍋にしじみとは、考えたことがありませんでした。
食べにくいよねぇ(笑)。
確かに、うまくすくえないから、鍋向きじゃないな(笑)。でも、汁は確実にうまくなってる。
うん。いろいろ入っていて、何が何だかわからないけど、うまいよ。
そうなのよ。もう何の味なのかわからないけど、かなりうまい!
食べたいものを、どんどんカゴに入れましたからね。
でも、魚介だけにしようと決めたでしょ。あれがよかったね。
シークワーサーの果汁もかけるといい香り!こうやってると、いくらでも食べられるね。
ひっつみも入れよう。適当にちぎって入れればいいんだ。
おぉ〜。生地の伸びがいいなー。
ひっつみ、うまい!“鍋あと”というと、具がなくなった汁にごはんや麺を入れるイメージだけど、ひっつみなら、煮ながら食べられていいですね。
あ〜どんどんうまくなっていく。鍋っていいよね。魚介を煮れば十分だしが出るから、醤油とみりんを適当に入れるだけでおいしくなる。
今日の買い物はどうでしたか?
おもしろかった。ずっと通っていた店で、薄々気になっていた店のなりたち、歴史がわかったのがよかったですよ。
お店の人の話は楽しいよね。
ざっくりした陳列だけあって、ざっくりした人たちだったね(笑)。データ重視だけじゃない感じがして、とてもいいと思った。
鮮魚も青果もそれぞれプロ!って感じ。スーパーの形をしているけれど、元気な商店街のノリがあって、魅力的でしたね。
物の値段がどんどん上がっているから、価格をおさえて買いやすくと努力をしているお店の存在はありがたい。でも、フレッシュひかりには、安さだけではない魅力がありました。売り場を眺める楽しさと、質のよいモノが選べるうれしさ。だから通いたくなるのですね。
そして今回は、「鍋のための買い物の楽しさ」を思い出しました。鍋料理には包容力があるから、何を入れても大丈夫。ふだんは手を出さない食材や味つけもチャレンジできます。誰かを誘って買い物しましょう。そして鍋にしましょう!
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