スーパーは、一番身近で楽しい物産館だった!
きじまさんは言いました。「最近、改めてスーパーの楽しさに気付いちゃったんですよね」。誰かの「推しスーパー」に行って、一緒に買い物をしたら、もっと楽しいかも!というわけで、この企画が生まれました。スーパーを案内してもらうお礼は、買った食材で作るきじまさんの即興料理です。さあ、出かけましょう。
スーパーヤオマサ中町店へ!
今回訪ねたのは、神奈川県小田原市にある、スーパーヤオマサ中町店。大正8年に青果小売り業として創業し、今から50年ほど前からスーパーに。小田原市内を中心に11店舗を展開しています。
こんにちはー。
こんにちはー。小田原へようこそ!
さっそくですけど、鈴木さんのお店の推しポイントはどこですか?
まず、果物コーナーが充実しているところ。私、果物が大好きだからすごくうれしいんです。見てください。
わぁ、スイカがたくさんあるね。ぶどうの種類も多い。売り場も広々としていて、見やすいなぁ。
「地元産の食材に力を入れています」営業本部高山さんのお話
数年前、店内を改装した際に、通路を広くしたんですよ。
説明してくれたのは、ヤオマサ営業本部 営業サポートマネージャーの高山正弘さん。本日はお世話になります!
お客さんの見やすさと動きやすさを優先して、通路を大きくして、棚も低くしました。
並べられる商品数が減ってしまいそうですけど…。
商品数より、鮮度のいいものを回転させたほうがいいと考えているんです。鮮度第一です。
野菜も地元産が多くてうれしいです。「私は地元生まれです!」というポップがかわいいですよね。
「地元生まれ」の印がついているものは、バイヤーが産地まで行って、栽培や飼育状況などを確かめている商品で、より自信を持っておすすめできます。
自分が食べているものの情報や生産者さんがわかるって、大事ですよね。
今年は数年ぶりに、生産者さんを訪ねるツアーも企画しています。
それは楽しみ。
じゃあ、そろそろ店内を回ってみましょうか。
どうぞ、お楽しみください。
まずは冷蔵棚を…。お、ちょっとこれおもしろい。小田原産の落花生の煮豆なんてあるんだ!
あ、それ気になっていたんですけど、手を出せないでいたやつです。
買いましょう!
わぁうれしい!
そういう買い物なんですよ、この企画は(笑)。
煮豆コーナーの隣は、練り物コーナー。かまぼこ、さつま揚げ、ちくわなど種類も多いし、リーズナブルなものからちょっと高級ラインまで、充実しています。さすが、かまぼこが名物の小田原!
おいしそうなかまぼこがあるなあ。これだけ売り場があるってことは、みんなよく買うんだね。
私もおつまみによく買います。
加工肉、ソーセージ類も種類がすごく多いね。肉も充実してるなあ。
ここのかたまり肉、ラインナップがいいんです。ときどき友人とバーベキューをするんですけど、そういう時にもよく買います。
なるほどー。肉売り場には担当バイヤーさんの写真がありますね。この写真大きいなあ(笑)。顔が見えると安心感につながるよね。
肉売り場を過ぎると、大きな漬け肉コーナーがありました。
料理が面倒になっちゃう時があって、そういう時に助かるんですよ。それに、この味噌がおいしいんです。
これは、地元の小田原こうじ屋の味噌を使った、漬け肉です。
スッと登場する高山さん。実は今回、高山さんも一緒に店内を歩いてくださり、「お店の方がずーっと買い物につきあってくれる」というパターンが生まれました。
このこうじ屋さんの味噌、調味料コーナーにありますよ。
お、じゃあ後で調味料コーナーもパトロールしましょう。
肉売り場から漬け肉売り場を通って左方向を見ると、少し広くなって、トロ箱が並んだコーナーが目に入ってきました。
いよいよ、この先が、一番見てもらいたかった魚売り場ですー!
おぉ楽しみだ。
「どうぞどうぞ」と、高山さんも足早になって先導してくれました。
ちょっとした市場感がある。広々として見やすいですねー。カサゴやエイもあるよ。
いつもではないんですが、サメやメカジキが一尾で並ぶこともあります。
売れるんですか!?
はい、けっこう人気があります。サメは、骨格標本にしたいというお客さまがいらっしゃいました。
アブラボウズ(おしつけ)が山盛りだぁ!
深海魚だよね。こんな風に売っているところなんて、見たことない。
この魚売り場は眺めるだけでも楽しくて、いつもぐるぐる2回は巡っているんです。でも、自分ではなかなか調理できなくて。今回、きじまさんに魚料理を教えてもらえたらって思っていたんです。
いいですよ、魚料理をやりましょう!まずは、どんな魚があるか見てみようか。
わかし(ぶりの幼魚)が出てるなあ。
舌平目もある。おいしそうですね。
シッタカ(バテイラ/巻き貝)がありますよ、シッタカ!いいなぁ。
我々スタッフも、トロ箱の周りをぐるぐる巡っていましたが、いつの間にか、カメラマンがカメラを抱えたまま最前列で覗き込んでいました。
あのぅ、いつもこんなに自由なんですか?
そうです。いつもこんな感じです(キッパリ)。
おもしろい売り場ですね〜。
この店の鮮魚担当バイヤーは、競りの権利も持っているので、自分で競り落としたものを仕入れることもあります。
卸売さんを通すだけじゃなく、直接仕入れられるんですね。だから品揃えがユニークなのか。
港に上がったいろいろな小魚をまとめて買ってきて、パックにしたりもします。
これですね!いろいろ入っていて1パック150円。この小さいのはブリみたいな顔してる。ブリの子どもかな。楽しいなあ。
きじまさんなら、このパックはどう料理しますか?
それぞれさばいて食べるかも。それか、内臓だけとって、まとめて塩焼きか煮魚にしてもいいなぁ。
少し歩くと、お弁当や惣菜コーナー。寿司コーナーの売り場が広く、充実しています。
地魚入りの寿司セットがあるじゃないの。
おいしそー!
今日はもうコレを買って食べればいいんじゃないの?作らなくてもさ(笑)。
どの棚を見ても、地元推し!
そうだ、お酒コーナーもおすすめなんです。日本酒のラインナップがいいんです。
鈴木さん、お酒飲むの好きでしょう。
はい、大好きです。
店舗の広さに対して、酒売り場が広いぞ。棚がいくつもある。
神奈川県の酒造会社のお酒が揃ってるんです。瀬戸酒造さんのお酒もあるのがうれしくて。
この酒造会社さん、なかなか他ではおろしていないんです。うちのバイヤーが通って、お願いして、入れていただけるようになりました。
おいしいですよね〜。
地元のお酒は制覇したの?
まだまだ、これからです(笑)。友達が来るときは、必ず地元のお酒を買って飲むことにしています。
さあ、買い物しましょう
さてさて、っと(スタッフのほうに顔をむける)。
ほぼ1時間経過です。
よし、買い物するか!
私も自分の家用のものも買いたいから、カゴ持ってきますー。
まずは野菜売り場からおさらい。地元産コーナーにあった、立派なオクラを買いたいと思ってたんだ。
曲がっているきゅうりもある!これに味噌をつけて食べるの好きなんです。
いいですねー。こういう小さいきゅうりを見ると買わずにいられないね。ちょっと干して、漬物にするのもおいしいんですよ。
お、米売り場にも「地元産」マーク。小袋もあって、お試しにちょうどいいね。
小袋は、キャンプやバーベキューの時にも便利ですよ。
練り物コーナーも何か買おう。「しんじょう」は焼くか揚げるかすればいいんだよね。
いいですね。おつまみによさそー。
今日は地元産リスペクトってことで。味噌と漬け肉も買いましょう。
私、この小さいサイズの味噌を、遊びにきた友人のお土産にしています。パッケージもしゃれていていいんです。
友人に味噌のお土産を用意するなんて、素敵ですね。
食べてもらいたくて。
鈴木さん、小田原愛が強いねー!
はい、大好きです。みんな移住してくればいいのにー(笑)。
そして、本日のメインは魚だね。何がいいかな〜。
店内は通路が広くて気持ちがいい。魚コーナーはまるで市場のようになっていて、ぐるぐる眺めるだけでも楽しいというのがよくわかります。
見るからにおいしそうだし、いろいろな料理に使えるから、あじにしましょう。あじをさばいてみるのは、どうですか。
はい、やってみます!
お店に頼めば、魚はさばいたり、刺身にしたりもしてくれますが、今回は、丸ごとの魚を買うことにしました。
アブラボウズも食べてみたいです。
料理したことないんだよね。深海魚はかなり脂があるんでしょう?食べすぎ注意かな。
お店の方に質問をして、調理のコツを教えてもらいます。
担当さん
脂を落とす調理がおすすめですね。塩焼きにしたり、煮るのもいいですよ。
なるほど、やっぱり塩焼きがよさそうですね。そうしよう。
生しらすもおいしいんですよ。
すぐ食べられていいね、買いましょう。
あのぅ、シッタカは…?
わかったよ、買うよ(笑)。甘く煮るとうまいと思う。
買い物終了!料理をつくりましょう
買い物終了!さあ、今日は何品できるでしょう。
買ってきた食材その1。
今日は食べてみたい魚を中心に、あじ、生しらす、アブラボウズ、シッタカを買いました。話題になった豚の味噌漬け肉も。
買ってきた食材その2。
野菜と、練り物売り場から「しんじょう」。小田原産の落花生の甘煮。地元の赤みそと日本酒。
オクラからやろうかな。塩をまぶしてもんで、表面の産毛をとってからゆでまーす。
わあ、うちの台所にきじまさんが!料理を教えてもらえるのが楽しみです。
しんじょうはグリルでこんがり焼きました。これを食べやすく切る。
ぷくっとふくらんで、いい香り。おいしそう。
オクラは斜め薄切りにして、鈴木さんの家にあった梅酢であえよう。これに、焼いたしんじょうも入れます。
オクラと焼きしんじょうの梅酢あえ
ゆでて薄切りにしたオクラ、焼いたしんじょうに、みょうがの薄切りも加えて、梅酢であえます。
アブラボウズはグリルで焼こう。脂が落ちて、いい感じになると思う。
アブラボウズの塩焼き
切り身を食べやすく切り、両面に塩をふって魚焼きグリルで焼きました。
「これ、わさびをつけて食べてもおいしそうだね。」
きじまさん、シッタカもお願いします!
そうだったそうだった!甘く煮ましょう。千葉の海の家で、おばあちゃんが作ってくれた感じに作るね。
シッタカの甘醤油煮
シッタカは殻をよく洗って鍋に入れ、水、砂糖、醤油を加えて煮ます。
「貝だけで十分味が出るから、だしは必要ないし、酒も入れなくていいと思う。冷蔵庫で冷やしてから食べるのもうまいのよ〜。」
さあ、あじをさばきましょう。一度やってみますね。
よろしくお願いします!
ここからは、きじまさんの即席魚レッスンが始まりました。血が出ないように頭と内臓を取って、三枚おろしに。そして皮をむくところまでやりました。
※詳しくは、別ページの「きじまさんの魚レッスン」へ
はい、これで三枚おろしのできあがり。あじを上の身と下の身、真ん中の骨の部分の三枚に切り分けます。よし、やってみよう!
まずは、肛門からお腹を切って…。
がんばってー。
頭を切り落して、内臓も取れましたー。
よしよし!
次は三枚おろしだね。ここに包丁を当てるといいよ。
ふむふむ。
できたー!でも、骨にいっぱい身が残ってて、もったいないー(涙)。食いしん坊なので、可食部をできるだけ生かしたいんです。
刺身用のあじだから、スプーンで身をこそげ落とせば食べられるよ。今日はなめろうにするから、こそげ取った身もちゃんと使えます。
皮をはいで、細かく刻んだら味噌を混ぜます。今日買ってきた赤みそを使いましょう。
薬味の野菜は何を入れるんですか?
ピーマンとみょうがです。
あ、さっきみじん切りにしていたピーマンは、なめろうのためだったんだ!ピーマンを入れるなんて、新鮮。
合うと思うんだよね。
味噌をなじませたところに、野菜を入れて、さらにたたく!これでできあがり。
わーい、おいしそう。お酒がすすみますね。
あじのなめろう
細かく刻んだあじの刺身に、味噌、細かく刻んだピーマン、みょうがを混ぜて包丁でたたき、しっかりなじんだらでき上がり。
「ねぎを混ぜてもいいし、しょうがを入れてもおいしいよね。香味野菜はお好みでどうぞ。」
生しらす塩オイル
生しらすは、オリーブオイルと塩少々でサッとあえて。レモンや赤唐辛子、フライドオニオンを添えて、好みのものをかけたり混ぜたりするスタイルに。
「生しらすって、時間がたつと苦みが出てくるから、水揚げした地元ですぐに食べられるというのが理想的だよね。うらやましいなぁ。」
六品できました!いただきまーす
魚づくしで、五品完成です。買ってきた「落花生煮豆」も一緒に並べました。
じゃあ、日本酒で乾杯!
いただきます。
アブラボウズ、おいしいですね!この層になっているような身と身の間に入っている脂がすごい!
さすが。観察が細かい!
シッタカもおいしいね。クルッと取り出すところもたまらない。
煮汁もとってもおいしいです。うまみがしっかりしているんですねー。
実は、ここ1か月くらいなんとなく元気が出なくて、料理をやる気もおきなかったんです。でも、買い物をしたら元気になってきて。
わかる、そういうことありますよね。でも、買い物したり、みんなとしゃべったりするうちに元気になる。
魚料理にも挑戦できて、とても楽しかったです!小田原に来てもらって、地元のものを食べてもらえたのもうれしかった。
よっ、小田原親善大使!僕も、神奈川県や小田原のものがいろいろ見られて、食べられて、おもしろかったですよ。
実は、スーパーは地元食材の宝庫なのです。一見地味でも、食べてみたらおいしかった、というものが必ずあります。いわば、地元の物産館。お店も、リピートされているものは棚に置いてくれる。ポップを活用して、地元産のもの、今が旬のものをちゃんと教えてくれる。買う人とお店の双方向のコミュニケーションで、スーパーはより楽しいものになっていくのですね。
我々は、観光もしていないのに、なんだか小田原が好きになってしまいました。スーパーで買い物をして、料理を作っただけなのに。土地を知るきっかけは、こんなところにもあったとは。人とのつながりが、土地との縁にもなるのです。
推しスーパーを案内してくれる方募集!
きじまさんと一緒にいつものスーパーでお買い物しませんか?
「きじまさんにぜひ紹介したいスーパーがある!」「あのスーパーで買った食材で、きじまさんに料理してもらいたい!」「大好きな近所のスーパー、でもいつも同じものばかり買ってしまう…きじまさんなら何を買うだろう?」などなど、きじまさんと一緒にスーパーへ行ってお買い物をしてくださる方を募集します!
こちらのフォームから応募理由の欄に紹介したいスーパーの店名をご記入の上、お送りください。
みなさんの「推しスーパー」、お待ちしています!