知らない土地を訪ねた時は、まずスーパーに行くといい!
きじまさんは言いました。「最近、改めてスーパーの楽しさに気付いちゃったんですよね」。誰かの「推しスーパー」に行って、一緒に買い物をしたら、もっと楽しいかも!というわけで、この企画が生まれました。スーパーを案内してもらうお礼は、買った食材で作るきじまさんの即興料理です。さあ、出かけましょう。
山形屋ストア西田店へ!
なんと今回は、東京を飛び出して、九州は鹿児島県にやって来ました!
訪ねたのは、鹿児島県鹿児島市にある山形屋ストア西田店。山形屋ストアは、1751年創業の百貨店「山形屋」を母体とした、鹿児島県と宮崎県に展開している地域密着型スーパーです。
さあ買い物、のその前に。鹿児島といえば〜?
東京から飛行機に乗って、おおよそ1時間40分で鹿児島に到着。常々、“スーパーに行くのは小旅行”と言ってきた我々ですが、ついに本当の旅に出てしまいました。きじまさん、「まずはアレを眺めなければ!」と城山展望台に向かいました。

おぉぉ、桜島だよー。でかいねー!

噴煙が上がっている!そして、思っていたより近いですね〜。
(一同、取材を忘れて自分の携帯でも写真を撮りまくる。)
展望台からの眺め
城山は市街地の中心地にある山で、標高は107m。温帯・亜熱帯性の植物も自生しているそうで、東京ではあまり見られない樹木がたくさん生えていました。錦江湾と市街地が一望できて、気持ちがいい!犬を連れて散歩をしている人や、ベンチで本を読んでいる人もいる憩いの場でした。

展望台までの遊歩道も気持ちよかったね〜。

海も山も近い。都会なのに、自然がすぐ近くに感じられるのは素敵ですね。

ここのスーパーはどんなだろう。行ってみましょう!
山形屋ストアでゲストと合流、買い物スタート
本日案内してくれる上原さんとは、店の前で待ち合わせをしていました。

こんにちは!

こんにちは!

鹿児島に来るの久しぶりなんです。午前中に、展望台に登って桜島を見てきました。

(店前で右方向を指差しながら)あそこに見えているのも桜島ですよ。

え、そうなんですか!?山だと思ってた。

あの山、空港からバスで走っている間もずっと見えていました。桜島だったんですね〜。

桜島は近くて大きいから、どこからでも見えますよ。北岳、中岳、南岳とあって、住んでいる場所によって、少しずつ違う姿を眺めているんです。

まさに鹿児島のシンボルだなぁ。
山形屋ストアがあるのは、バスも頻繁に通っている大通り沿い。通りから広い駐車場内にどんどん車が入ってきます。

私も車で来ました。通勤や買い物に車を利用している人は多いですね。

だから駐車場も広いんですね。
「黒毛和牛には自信があります」増満店長のお話
お店に入る前に、店長の増満さんに話をうかがいました。

鹿児島での買い物を楽しみにやって来ました。

買い物をしておもしろかった、と言っていただけるのが一番うれしいので、ぜひお楽しみください。毎日来てくださるお客さんにも喜んでもらえるように、季節感を演出したり、商品を並べ替えたりしています。

おすすめは何ですか?

鹿児の黒毛和牛ですね。母体の山形屋デパートと同じものではありませんが、かなり質のよい黒毛和牛を、いいお値段で提供できていると思います。肉だけでなく、魚や野菜など、生鮮品の品質は大事にしています。地元の生産者さんの野菜を並べているコーナーもありますよ。

他に、鹿児島ならでは、というおすすめはありますか?

「黒豚みそ」でしょうか。いろいろなメーカーさんの商品があって、定番のものから、柚子こしょう入りといった味違いもあって、人気があります。

豚みそは、みんな好みの味があるんです。私も子どもの頃から食べていて、昔はおばあちゃんが作ってくれていたので、懐かしい気持ちになる思い出の味でもあります。

おぉ。それはぜひ食べてみたい。
では、店内に入りましょう!
今回、お客さんの多い時間帯だったので、写真撮影は遠慮しました。でも、カメラマンもスタッフも同行し、いつも通りに店内を大回遊。やっぱり2周しちゃって、1時間以上歩き回りました。買い物中に盛り上がった、あんな話、こんな話は追々ご紹介していきましょう。
買い物カゴを二つ満タンにしてレジへ
カゴその1

いやあ、楽しかった。牛肉がおすすめと聞いていたから、ステーキ肉を選んでみました。

ここの牛肉はホントにおいしいので、私もよく買います。

「黒豚みそ」も買いましたよ!たくさん並んでいて、人気だってことがよくわかった。
カゴその2

あのぅ、なぜか一升瓶が入っています…。

鹿児島に来たのに、焼酎売り場は素通りできないでしょう。それにコレ「桜島」って名前なんだよ。

いつの間にかお菓子まで!

それは私が入れました。スーパーのお菓子コーナーって、けっこう郷土菓子が売っているから見逃せないんですよね。

「丸ぼーろ」は、保育園では必ずおやつに食べるようなお菓子です。他にも黒砂糖を使った「げたんは」や「芋けんぴ」は定番ですね。

そうだ、鹿児島はお茶どころだ!知覧茶が有名ですよね。

はい、緑茶はよく飲みますね。お菓子だけでなく、“漬物でお茶する”というのもよくあります。お茶する文化がある感じです。
さぁ、家に行って料理を作りましょう

ちょっとちょっと〜。いまだかつてない重さになっちゃったよ(笑)!

今回は味噌や醤油など、調味料も買いましたからね。あと焼酎も…。

同じ醤油でも、地方によって味が違うから試してみたいんだよね。

いつも買っている食材がどんな料理になるか、楽しみです。
これが、山形屋ストアで買ってきたものの一部です。

キビナゴ食べたかったの。鹿児島らしい魚ですよね。

私もよく食べます。たくさん食べたい時は、刺し盛りではなく、魚そのものを大量に買ってきて、自分でさばいてます。

小さい魚なのに、さばけるなんてすごいですね!仕事でいろいろな地方に行くけど、魚介売り場は特に地域性が出る。食べている魚が全然違うな、と思います。上原さんが好きだと言っていた白子も買いました。

白子を買う時は、売り場の前で、ポン酢で食べようか焼きつけようかと考えて、何を飲もうかなって…。

ほらほら、いいですね。言葉の端々から酒飲みのにおいがするんだよ(笑)。

キッチンにスツールを置いていて、お酒を飲みながら調理することも多いです。料理はできたてがおいしいから。一品できるたびに食べちゃう。

ね、焼酎買ってきてよかったでしょ(笑)。

小みかん、かわいいですねー。温州みかんより一回り以上小さい。

桜島の特産品です。おいしいですよ。

まずは、地元産の野菜コーナーで買ってきたかぶから始めましょう。
僕の地元の居酒屋で食べている名作です。その名も「かぶ」(笑)。大きく切るだけ。かぶは生で食べてもおいしいからね。それに「黒豚みそ」をつけようと思って。

あぁ、合いそう!

豚みそって、沖縄で「油みそ」と呼ばれているものと同じようなものですよね。豚肉と麦みそに火を入れて練って、甘くしてある感じ。

ほんとに大きなかぶだなぁ。パツパツしていて、おいしそう。
かぶと黒豚みそ
切ったかぶに黒豚みそを添えて、できあがり。「こういうふうに、パパッと作れるものを何品か覚えておくといいですね。まずはこれで飲み始められるから。」


もう一つ簡単なものを。最近ぼくがハマってる卵黄マヨです。

へー。卵(マヨネーズ)に卵を入れるんですね!

そーなの。コクが出るんです。これだけだと少しボンヤリした味になるから、柚子こしょうを混ぜてしめましょう。
スナップえんどうの卵黄マヨ
マヨネーズに卵黄を落として柚子こしょうをポトリ。筋を取ってゆでたスナップえんどうをつけて食べます。


刺身はどうしようかな〜。ごま油としょうゆと、ねぎのみじん切りも入れて、ユッケ風にしよう。ここで、さっき買ってきた醤油を使います。

九州の醤油、甘いですよ。

(少ししょうゆを味見)そうですよね。だから、僕が普段作るレシピより少し砂糖は控えめにします。食べる直前に刺身をあえよう。
今日買ってきた調味料類はこちら。

醤油売り場には、知らないメーカーのものばかりだったなあ。ポン酢醤油に「甘口」があるんですね。

何でも甘いんです(笑)。ふつうのものもあるんですけど、うちはいつも「甘口」を選びます。ふつうのと甘口と、使い分けている人が多いですね。

味噌は、やっぱり麦味噌が多かったですね。

山形屋さんオリジナルの焼きそばも山積みだったから、買ってみました。

昔から食べられている焼きそばです。パリパリの麺に、温めた具をかけるあんかけスタイル。こういうパック入りになって、便利になりました。

「鶏節」もおもしろいね。初めて見た。かつお節みたいに、薄く削ってある。鶏もよく食べる土地だからかなあ。

筋トレ派の私からすると、素晴らしい食材ですね!たんぱく質をごはんにふりかけられるなんて!
さぁさぁ調理に戻りましょう。カリフラワーは小房に分けて焼きます。

茎も食べられるんですか!?

食べられます。外側はかたいから削って、内側のやわらかいところだけ切って使うといいですよ。

焼けてくると、香ばしくて甘くていいにおい〜。
焼きカリフラワー
フライパンにオリーブオイルとカリフラワーを入れて、冷たいところから中火にかけて、じっくり焼きます。仕上げに塩をふり、粗挽き黒こしょうをガリガリっときかせれば完成。

白子は、筋を取って熱湯でさっとゆで、ざるに上げます。

今まで、筋を取ったことありませんでした。

筋を取らなくても食べられるんだけど、取ると口当たりがよくなります。ゆでる時は酒を入れると生臭みがとれるね。今日は焼酎を入れてみようかな!
白子のオリーブオイルがけ
ゆでた白子にオリーブオイルと塩、粗挽き黒こしょうをかけるだけ。「柑橘の香りがあるとおいしそうだから、小みかんの皮を刻んで散らしました。」

さあ、牛肉焼きましょう。筋を切り、熱々に熱したフライパンで焼きます。

いい肉だなあ。焼くのも楽しい。

わ、山形屋の肉が認められた!(笑)。ここの牛肉は、上等なお肉屋さんのおいしさなのに、値段はそう高くないから嬉しいんです。

そういえば、骨つきの鶏肉ぶつ切りが焼いた状態で売られていましたね!

あれはお鍋に入れるんです。

それはおいしそうだ!肉コーナーも土地柄が出るんだなぁ。「鶏さし」も売ってましたよね。東京ではたべられないからうらやましい。

そうなんですか?昔から食べているものだから、東京で食べられないとは知りませんでした。

鹿児島は鶏刺身の食文化があるから、県独自の「生食用鳥肉の衛生基準」を定めているんですよね。お店や業者できちんと処理されたものを食べることができる。

なるほど〜。

牛肉が焼けたよ。厚みがあるから、少しおいて落ち着かせましょう。その間にソースを作ります。よく赤ワインでソースにするけれど、今日は焼酎で!

焼酎ソースは初めてです!
黒毛和牛のステーキ 焼酎ソースがけ
ステーキのソースは焼酎風味。フライパンに残った肉汁に焼酎、だし入りの薄口しょうゆ、甘口しょうゆを混ぜ、少し煮詰めました。ここにも柚子こしょうを添えて、つけて食べます。

キビナゴとカンパチのユッケ風
作っておいたタレで刺身をあえて、ユッケ風も完成。タレは、しょうゆ、塩と砂糖を少々とごま油。そこにねぎと青じそのみじん切りと、刻んだ小みかんの皮、ごまを混ぜました。

六品できました! いただきまーす
1時間ちょっとで六品が完成しました。せっかくなので、焼酎のお湯割りで乾杯です。

おいしいお湯割りの作り方、教えてください。

お好みですけど、家飲みでは「湯6:焼酎4」と言われます。先にお湯を入れて、焼酎を注ぐ。

お湯割りは、飲むペースに合わせて濃さを変えられるところがいいですよね。じゃあ、食べましょう。

スナップえんどうの卵黄マヨ、おいしいですね!なんだかみかんっぽい味もするような。

柚子こしょうが入っているからかな。柑橘の香りになりますよね。

かぶの黒豚みそもいい!

普通の麦みそで食べてもうまいと思う。おろしにんにくとか、こしょうを味噌に混ぜるといいかも。

白子、めっちゃおいしい。ゆでる時に焼酎を入れすぎたと言ってたけど、焼酎臭くないですよ。オリーブオイルと合うんですね。これを食べて、すぐ焼酎を流し込むとすごくおいしいです!

焼酎を流し込む、って、さすが(笑)。

ステーキの焼酎ソースもいい感じです。

ふだんから、旅先では必ずその土地のスーパーに行くけど、1時間も見て回ることはなかったですね。土地の人と一緒に行くとおすすめを教えてもらえるし、じっくり見られる。そこがよかったなぁ。

私はいつも仕事帰りに急いで買い物をすることが多くて、そういう時間帯は周りの人もみんな急いでいるんです。休日にのんびりと買い物をするのは新鮮でした。みんなが選んでいるのを見るのもおもしろかったです。それと、みんなが焼酎を飲んでくれるのも嬉しいですね〜(笑)。
おいしいおつまみと焼酎で話が弾み、初めての土地なのに、友人宅で過ごしているような時間となりました。
当たり前のことではありますが、スーパーで買い物をすると、その土地ではどんなものが食べられているかがよく分かります。いつも暮らしている地域を離れて旅に出て、改めて感じました。そして、誰かに案内してもらうことの楽しさ、贅沢さは、スーパーでこそよく分かる!とも思いました。どう食べるのが好きか、と話しながら買い物をすることで、ガイドブックでは見つけられない出会いがあるからです。旅に出たらまずスーパーへ!
推しスーパーを案内してくれる方募集!
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