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ただ「おいしいな」と思って食べる時間を大切にーーアンジュルム・松本わかなさんのおうちごはん

きのう何作った?

PEOPLE
2023.06.12

アイドルグループ「アンジュルム」の松本わかなさんは、「料理をするために、1日をがんばろう!」と思うほどの料理好き。メンバーやファンからも自炊について相談されるという松本さんに、レシピの選び方や大好きなスーパー、メンバーに料理を振る舞うときに意識していることなどを伺いました。

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お話を伺った人:松本わかなさん

2007年9月1日生まれ。神奈川県出身。2020年11月2日にアンジュルムに加入。幼稚園生の頃からアンジュルム(当時はスマイレージ)の大ファンだった。

料理に目覚めたきっかけは中学のお弁当

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ーー時間があれば毎日のように料理されているという松本さん。料理を始めたきっかけは?

最初は小学生のときに、クッキーやマフィンなどのお菓子作りにハマっていました。進学した中学校が給食ではなくお弁当だったので、自分で作ってみたいなと思ったのが料理を始めたきっかけです。

もともと、お母さんが料理をしているときに「卵ときたーい!」「餃子包ませてー」ってやりたがる子どもで(笑)、お手伝いはさせてもらっていたんです。最初は冷凍食品もたくさん使いながら、卵焼きやお肉を炒めたものを入れたりして、簡単なお弁当を作り始めました。

ーーブログに載せていただし巻き卵も、すごく上手でしたよね。料理の第一歩を踏み出したときは、どんなところに楽しさを感じましたか?

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私が作るときは、家族に一緒に食べてもらうことが多いんです。作ったものを周りの人に「おいしい」と言ってもらえると、すごく達成感があって、料理って楽しいなと思いました。

料理は自分にとって、リフレッシュできる時間でもあります。「料理をするために、1日をがんばろう!」ぐらいの気持ちで、毎日楽しんでますね。「めんどくさいなー」とは思ったことがないです。

ーー新鮮な感想です…!私は松本さんのブログで「チュモッパ(韓国おにぎり)」を知ったんですが、作る料理はどうやって決めているんでしょう。

作ってみたい料理のレシピを、普段からスマホにメモしているので、そこから気分やスケジュールに合わせて作るものを決めています。基本的に料理は母としているんですが、クックパッドやInstagramで初めて見たレシピに挑戦するのがすごく好きです。

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食材名で検索する以外だと、YouTubeにアップされている料理のVlogや「この人の料理、好きだな」と思う料理家さんの投稿からも、いろんな料理に出会って、真似して作ってみています。YouTubeの料理家さんだと、はるあんさんやMizukiさんの料理が好きです。

今、ハマっているのは醤油麹

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ーー今、松本さんがハマっている食材や調味料はありますか?

麹や発酵食品に興味を持ち始めて、本をたくさん読んでいるところです。もともと、母がヨーグルトを作るのに使っていた発酵器が家にあるので、それを使って自分でも醤油麹を作ってみたんですよ。そうしたら、醤油のまろやかさが麹にプラスされて、すごく使いやすいしおいしくて。料理に使うのにハマっています。

ーー発酵食品って、ちょっと管理に気をつかうイメージがあります。食品を扱うときの知識は、どんなふうに身につけているんですか?本からですかね?

最初は母に教えてもらうことが多かったです。最近はSNSや本で、長持ちする保存方法だったり、素材のよさを活かせる使い方だったりを知るようになりました。

ーーいろんなところから学んでいるんですね。お仕事でさまざまな地域に行くかと思いますが、お気に入りのご当地調味料はありますか?

広島に行ったときに買った、レモンの塩麹がすごくおいしかったです。普段はその地域ならではのものが使われている、ごはんのおともやお醤油を買うことが多いですかね。

他にも、アンジュルムの川村(文乃)さんからいただいた「まるごと高知」の乾燥ゆずピールは和え物に足して使いましたし、お醤油を入れるとだし醤油になる宗田節のボトルは一時期ずっと使ってました。これからいっぱい地方に行く機会があるので、いろんなものを使えたらなと思っています。

ーー松本さんの話を聞いていると、料理や食を楽しむ姿勢を思い出します(笑)。人によっては、日々の料理を義務のように感じてしまうこともあると思うんですが、どうしたら楽しむ心を取り戻せますかね?

うーん…そうだなぁ。ファンの方とお話するイベントでも、「最近料理のやる気が出ないんです」という相談だったり、「初めての一人暮らし、何を作ったらいいですかね?」って聞かれたりすることがあって。そういうときは、私が今食べたいものを言うようにしてるんですけど(笑)。

やっぱり自分が食べたいものを作って、「おいしい!」って思えたら、面倒さよりも料理してよかった気持ちが上回っちゃうかなあと私は思います。

ーー私は疲れていると、食べたいものが思いつかないことがあるんです…。そんなとき松本さんならどうしますか?

あぁー、なるほど。食べたいものがわからないときは、保存していたレシピの写真や、前に作ったごはんの写真を見たりして、目で見て「あ、これいいかも」と思ったものを作るようにしていますね。

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スーパーをテーマパークのようにめいっぱい楽しむ

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ーー松本さんは、食材をストックしておくタイプですか? それともその都度買いに行くタイプですか?

私はスーパーが大好きで、テーマパークぐらいの感覚で楽しめるんです。なので、材料を保管しておいて料理するというよりは、そのとき食べたいものに必要な材料を、使い切れる量だけ買いに行って、作って食べる感じですね。

ーー推しスーパーはありますか?

プライベートブランドの商品がいっぱいある、ライフと西友です。買うものが少ない日でも、全部の通路を通りたいぐらい本当に大好きで。「こんな商品あるんだー」って、ずっと見てられます。初めて出会うカレーとか、不思議な缶詰とか…そういう発見がすごく楽しいです。

ーーブログを読んでいると、食器や箸置き選びも楽しんでいそうだなぁと感じます。

食器も大好きで、見ているだけで、すごく満たされた幸せな気持ちになります(笑)。食器を買うときは家族の人数分買うんですが、まったく同じ形・色のものはあんまり買わなくて。サイズ感が大体一緒であれば、ちょっとずつ違う形のものにして、その日の気分で使う食器を選んでいます。

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箸置きは、「ときめいたら、買ってよし!」っていうマイルールがあるんです(笑)。「この子いいなあ」「自分のおうちで使いたいなあ」と思ったら買います。まだ1回しか行けてませんが、町田の「サカエ陶器店」は見たことのないお皿がたくさんあって最高です!気づいたら紙袋二つ分買っちゃいました。

ーー料理って、お皿や盛り付け方によっても雰囲気が変わりますもんね。盛り付けで意識していることはありますか?

盛り付けは全然得意じゃなくて、ざっくり盛ることしかできないんです(笑)。この前YouTubeの「ハロー!キッチン」というコーナーでプロの方に教わって、もっと知識をつけたいなと思いました。

でも、食器の影響は結構大きくて。かわいい形のものや、料理と色の相性がいい食器を選べたら、ざっくり盛るだけでもかわいく見えると思います。

ーーかわいいといえば、以前、作ったパフェを図解していたのがすごくかわいかったです。

普段は生姜焼きとか八宝菜とか、あんまり飾り気のないものを作るんですけど。クリスマスのような特別なイベントの日や、「今日はブログに載せるぞ」って決めたときは、なんとなく彩りやお皿、その配置まで考えています。パフェみたいにイメージを描くことも、本当にたまに、ありますね。

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いつかメンバーに思いっきり料理を振る舞いたい

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ーーアンジュルムのメンバーに手料理を振る舞ったりもされていますよね。そういうときは、どうやってメニューを決めていますか?

アンジュルムはすごく仲が良くて、普段お弁当に誰かの苦手なものがあると、他の人が「え、それほしいですー!」ってもらってたりするんです(笑)。それに、みんな食べることが好きで、よく食の話をしていて。そこから好き嫌いをなんとなく理解して、全員が好きなものを考えて作ってます。

たとえば、同期にお弁当を作っていったときには、二人が「食事に気をつけている」と言っていた時期でした。それでもやっぱりおいしく食べてほしいと思ったので、栄養バランスをなんとなく考えたり、お野菜を多めにしたり。それと、「為永幸音ちゃんは梅が好きだから梅を、川名凜ちゃんは鶏肉が好きだから鶏肉を入れようー」って考えて。そういうふうに、「喜んでくれるといいなぁー」って思って作ってます。

ーーすごく和みます…。他に今まで作った中で、メンバーに人気だったメニューはありますか?

それこそ、チュモッパとかキンパみたいな、普段のお弁当にはなかなか入っていなくて、外食するときもどこでも食べられるわけではない料理がわりと人気です。

ーーメンバーから「これ作ってほしい」とリクエストをもらうこともありますか?

リクエストではないんですけど、川村さんに柚子をいただいたときに、橋迫(鈴)さんから「わかにゃ、柚子ピールの作り方教えてー!」って言われて。私も知らなかったので、「待ってください、調べます」と作り方を調べて伝えました(笑)。

あとは上國料(​​萌衣)さんからも、お弁当で食べたごぼうサラダがおいしかったみたいで「わかにゃ、このごぼうサラダってどうやって作るの?」って聞かれました。「多分、マヨネーズと○○を入れたらおいしいと思います」と伝えたら、「オッケー、作るね!」って(笑)。どちらも頼りにしてくれてるんだなと思って、嬉しかったです。

ーー検索するんじゃなくて、松本さんに聞くんですね(笑)。今後、料理に関連して、アンジュルムのメンバーとやってみたいことはありますか?

手料理を振る舞うようになったのは最近のことで、まだ片手で数えるぐらいの回数なんです。いつかもっと大きく、ケータリングみたいに作るのが夢です。それと、大きい一軒家みたいな場所を借りて、アンジュルムでお泊まりをしたくて。料理は私が全部作るので、みんなでホームパーティーみたいなことができたら、幸せだろうなって思ってます(笑)。

他にも、YouTubeで料理配信をしたり、インスタライブでファンの方と一緒に料理できたりしたら素敵だなあと思います。

ちょい足しに使うのは、すき焼きのたれと鶏ガラスープの素

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ーー松本さんが「料理上手になったかも」と思ったり、手応えを感じたりしたタイミングっていつでしたか?

えぇー、いつだろう。もともとは結構きっちり分量をはかってたんですけど、途中から計量スプーンとかを使わなくなったんですよね。なんとなくわかるし、いいかなと思って。それで作ってみて、おいしくできたときに、「あ、いけるかも」と思いました。

そこからはちょっとずつレシピも見なくなったり、自分でアレンジもしたりして…。既存のレシピをそのまま作るわけじゃなくても、おいしいって感じられるようになったときは、「料理、うまくなったのかな」って思いましたね。

ーーまずはきっちりはかって、感覚を掴むと自由に作れるようになるんですね。

でも、本当に最初の頃は、やりたい放題やっていました(笑)。小学生ぐらいのときに、「お味噌汁だけ作らせて」って母に頼み込んで張り切って作ったら、わかめの塩抜きを忘れて塩まみれのお味噌汁にしちゃったり、お菓子作りで予熱を忘れたり、間違えてオーブンではなく電子レンジで作ったり。ちゃんとレシピを見ないでやらかした経験がたくさんあるので、「初心者のうちはレシピを見るべきなんだな」って。

ーー失敗から学んでいてすごい。自分好みの味にアレンジするときのコツはありますか?

レシピよりは少なめに調味料を入れて、あとから自分好みの味になるようちょっとずつ何かを足すようにしています。個人的には、すき焼きのたれと鶏ガラスープの素を、ちょい足しとして使うことが多いです。

ーーへえー!すき焼きのたれはどんなものに使うんですか?

ドライカレーやミネストローネなど、ちょっとコクがほしい、ソース系やトマト系のものに使います。そうすると、醤油っぽい塩味も、まろやかさのあるコクも加わって、何かと味がカチッと決まるんです。小さじ1ぐらい入れるだけで全然変わるので、重宝してます(笑)。

ーー忙しい中でも、自炊をするときはひと手間を大切にされているんですね。

そうですね。野菜をたくさん入れるのも好きで、いっぱい詰め込んじゃいます。おうちでは、温かいものや野菜をたっぷり使ったもの、生ものなど、家だからこそできるものを食べたいなと思っています。

「おいしかった、ごちそうさま」と満足できたら十分

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ーー食事を楽しみつつ、体づくりも考える中で、何か意識していることはありますか?

カロリーを気にするよりも、栄養バランスよく食べることを意識してます。あとは、「いただきまーす」「おいしかった、ごちそうさま」と気持ちよく食べて満足できたら、それで十分かなって。「これだと多いかな」「少なすぎるかな」とかは、あまり思わないようにしています。

ーーアンジュルムのみなさん、本当に食をポジティブに楽しんでいて素敵です。料理をして培った経験や価値観が、仕事でも活きているなと感じたことがあれば教えてください。

効率…ですかねー。普段からToDoリストを作って、限られた時間でどれだけタスクをこなせるかをミニゲーム感覚で楽しんでいます。料理をすることで、食材を切る効率のよい順番や、かかる時間を考えて予定に合わせることが身についているんです。ツアーの前のリハーサルとかで、「先にこのダンスの確認をしておこう」ってスケジュールを組み立てるときに、料理で学んだことがつながっているなと思います。

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取材編集:小沢あや(ピース株式会社)
原稿構成:佐々木優樹
撮影:七緒