高知のソウルフードを使った「トマトと赤かつおのパスタ」ーー中村里帆さんのおうちごはん
モデルや女優として活躍中の、中村里帆さん。食べることが大好きで、日々の料理も楽しんでいるそう。今のご自宅はレトロなキッチンが入居の決め手になったのだとか。今回は、高知のソウルフード「土佐の赤かつお」を使ったパスタを調理していただきながら、食生活について伺いました。
グルメの宝庫、高知県の豊かな食文化
ーー今回は新鮮なかつおを秘伝のタレで味付けした、高知のソウルフード「土佐の赤かつお」を使ったパスタを作っていただきます。思い入れのある料理なんですか?
実は高知に住んでいたときは、「土佐の赤かつお」を食べていなかったんです。帰省したときに空港で見つけて買ってみたら、めちゃくちゃおいしくて。今回は「高知にはこんなおいしいものがあるんだぞ」ということを広めるべく、このメニューにしました。よく友達にも配っていて、その友達も広めてくれるくらい好評です。
ーー「土佐の赤かつお」は、高知県の方々に愛され続けるごはんのお供だそうですね。
「土佐の赤かつお」はいろんな種類があるんですけど、にんにくがメインの赤が使いやすくて一番おすすめです。ごはんやパスタだけでなく、そうめんに混ぜたり、ダイエット中は豆腐に乗せて食べたりもします。常に冷蔵庫にストックしている食材です。
ーーいろんなシーンで活躍しそうですね。他にも、高知のおすすめグルメはありますか?
よく食べていたのは、「芋屋金次郎」の芋けんぴ! 特に塩味の「塩けんぴ」がおいしいです。高知では、おやつといえば芋けんぴだったんです。あとは、「ごっくん馬路村」というゆずジュースもまとめ買いしています。
ーー上京してみて、「高知ならではの食文化だなあ」と改めて感じたものはありますか?
高知の家には基本ゆずの瓶があるんです。お魚には、醤油じゃなくてゆずとポン酢をつけて食べることも多いですね。あと、居酒屋ではウツボの唐揚げが定番メニューとしてあるんですけど、東京にはあまりないですよね。上京してから、ウツボが全国的にはメジャーな食べ物ではないことを知りました。
ーー確かに、東京でウツボはなかなか見ないです。高知にはご当地スーパーもあるんですか?
ファーマーズマーケットの「とさのさと」によく行っていました。スーパーと道の駅の間のようなお店で、反対から読んでも「とさのさと」なんですよ(笑)。中村家では、毎週日曜日は父が料理を振る舞ってくれる日だったので、よく週末に父と一緒に魚を買いに行っていた思い出があります。
中村里帆さんの「トマトと赤かつおのパスタ」
材料(1人分)
作り方
- 1. パスタを茹でてオリーブオイルを混ぜる。
- 2. 馴染んだら「土佐の赤かつお」とトマトソースを加えて混ぜる。
- 3. 盛り付けてミニトマトとブロッコリースプラウトを添えて完成。
食べたいものがパッと思いつくタイプ。映画から影響を得ることも多々
ーー中村さんはよくおうちで自炊されますか?
ちゃんと自炊をするようになったのは、外出ができなくなった時期からですね。近くの業務用スーパーで海外の調味料を買って、いろんな料理に挑戦するようになりました。
ーー料理に没頭しているんですね。
私は何も考えない時間が苦手なんですけど、料理中は唯一無心になれる時間かもしれないです。誕生日パーティーのときにフルコースを作っていたら、いつの間にか3時間経っていたこともあります。
ーー特別な日のおもてなしごはんも…!料理は、調理だけでなく献立を考えるのも大変ですよね。中村さん、普段の献立はどのように決めていますか?
私は、食べたいものがパッと思いつくタイプなんですよね。お昼頃から「夜は何食べようかな」って考えて、思いついたらそれしか食べたくなくなります。
ーー映画やドラマに出てくる食べ物に影響されることもあるそうですね。
そうなんです。『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』を観てバインミーを作りましたし、『ルパン三世 カリオストロの城』を観た後は、ミートボールパスタを作りました。映画においしそうなものが出てくると、それで頭がいっぱいになっちゃうんですよね。『アメリ』を観たときには、クレームブリュレも作りました。
ーークレームブリュレ!バーナーで焼き色をつけたんですか?
バーナーがなかったので、ライターで代用したんです。全然焼き色がつかなくて、30分くらいずっと苦戦していました(笑)。作品に出てくる印象的な料理を作って映画の世界に浸ることは、よくあります。
ーー他に、最近作った料理はありますか?
この前ローストビーフにチャレンジしたんですけど、意外と簡単でびっくりしました。あとは、ルーローハン。手間がかかっているように見えるんですけど、炊飯器ですぐに作れました。
ーーレシピはどうやって探してるんですか?今回作っていただいたパスタも、分量や茹で時間をきっちり測っていたので、いつもレシピに忠実に料理されるんだろうなと感じました。
「〇〇(メニュー名) 簡単」で調べて、なるべく少ない材料と短い時間で作れるものを探します。目分量で測ることができないので、ちゃんと計量するタイプですね。失敗することはないですけど、オリジナリティもないです(笑)。
ーーキッチンや食器にもこだわっていますか?
そうですね。家のキッチンは緑のタイルが貼ってあるレトロな雰囲気なんですけど、それが決め手で今の部屋への引っ越しを決めました。レトロな部屋に住むのが夢だったので、キッチン用品も少し昭和っぽいものを買い揃えたんです。
食器は、ナルミのティーカップがお気に入りです。昔喫茶店で使われていたようなお皿を買うこともあります。
ーーちなみに、高知の方はお酒が強いと聞きますが、お酒もよく飲みますか?
最近、日本酒のおいしさがわかるようになったんです。家で日本酒とお刺身をいただきながら、「大人じゃん」って思っています(笑)。小さい頃から祖母が経営している居酒屋によく連れていってもらっていたので、あん肝や白子などお酒に合う料理も大好きです。
食べることが大好き。その分栄養素はきちんとチェック
ーー職業柄、食生活には気をつけているかと思いますが、お話を聞いていて、中村さんは食べることに対してポジティブな印象を受けました。
食べることは大好きです!ただ、その分食生活にはかなり気をつけるようにはしています。いくら食べても太らない体質のモデルさんもいらっしゃいますが、私はちゃんとお肉がつくタイプ。野菜をまったく食べずに肌荒れしてしまったこともあって、栄養素を気にするようになりました。
ーー中村さんが積極的に食べるようにしているものはありますか?
トマトとアボカドは毎日食べるようにしています。時間がないときはアボカドのタネをくり抜いたところに醤油を垂らして食べるだけですが、それでも十分おいしいです。あとは、納豆とキムチもよく食べます。
高知の食をもっと知ってもらいたい
ーードラマの役柄に合わせて食生活を調整することもありますか?
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』ではアイドル役なので、撮影中はなるべく節制していました。撮影がある日中はエネルギー補給のためにしっかりと食べて、朝は野菜ジュースやフルーツ、夜はスープやサラダと決めてバランスを取るようにしています。
ーー出演が決定している、2023年度前期 連続テレビ小説『らんまん』の舞台となる高知県佐川町にも先日行かれたそうですね。地域の食は味わえましたか?
ドラマの主人公のモデルとなっている、牧野富太郎さんの生誕150年を記念して醸された日本酒「ハナトコイシテ」がすごくおいしくて、買って帰りました。佐川町は本当に魅力的な街で、酒蔵もそのまま残っているんです。高知にはおいしい食べ物がわんさかあるので、もっとみなさんに高知の食を知っていただけたらいいなと思います。