「ちょい足し自炊」で健康を意識ーーモー娘。 石田亜佑美さんのおうちごはん
著名人の方々に、おうちごはんをテーマにお話を聞くインタビュー連載「きのう何作った?」。今回のゲストは、ファンの間でも料理好きとして知られている、モーニング娘。’20の石田亜佑美さん。歌とダンスをしっかりパフォーマンスするために、ごはんを通して健康管理を強く意識しているそう。味付けのマイルールや、食材買い出しの際に考えていることなど、詳しく伺いました。
「食材を余すことなく使い切りたい」野菜は皮ごと調理
ーー石田さんが料理に目覚めたきっかけは?
本当に小さい頃ですね。母と祖母が料理をするときに、一緒によく台所に立っていました。料理に使えない野菜のヘタの部分をくれるので、おままごと感覚で刻んで遊んでいたんです。
ーー幼少期から包丁を使っていたんですね。野菜の皮むきもお手のものですか?
私、基本的に野菜の皮を剥かないんですよ。人参、じゃがいも、大根はもちろん、ゴールドキウイもまるごと食べます(笑)。調理が面倒だし、生ゴミを増やしたくなくって。なにより、食材を余すことなく使い切りたい気持ちが強いんですよね。
ーーキウイ、皮がもしょもしょしていますが、いけるんですね。
それが、意外と大丈夫なんですよ(※)。朝はグリーンスムージーを飲むことも多いんですけど、ゴールドキウイはヒゲがないので、スポンジで拭って、そのままミキサーに入れちゃいますね。
(※皮ごと食べる場合は、農薬や添加物が使用されていないか確認し、しっかり洗ってください。消化器官の弱い方や、アレルギーをお持ちの方などは注意が必要です。)
ーー朝ごはんは欠かさずに食べるんですか?
今日は食べ損ねちゃいましたけど、だいたい朝ごはんは食べていますね。ヨーグルトで済ませる日もあります。シリコンのスプーンを使うと、最後まできっちり食べきることができるので好きです。
全部自炊しなくても「ちょい足し」でいい
ーーモーニング娘。’20は、ダンスもハードです。健康・体力維持のために意識していることはありますか?
お仕事の現場では、お弁当が多いんです。栄養が偏りがちだからこそ、おうちで食べるごはんで調整しています。ごはんは、身体を作るもの。じっくり自分を育てるような感覚で、栄養を摂取していますね。
ーー具体的には、どんなことを意識しているのでしょうか。
外食やお弁当のときは、お肉に惹かれがち。だからこそ、「家ではお魚を焼こうかな?」とか「お弁当だと野菜が足りないから、野菜スープだけでも作ろうかな?」と、無理のない範囲で調整しています。最近は「まごわやさしい(※)」を意識して、作りおきのときもなにかとごまをまぶしています。市販のお惣菜を食べるときにも、ちょい足ししていますね。
(※「まごわやさしい」ま=まめ、ご=ごま、わ=わかめ、や=やさい、さ=さかな、し=しいたけ、い=いも)
野菜サラダは、現場に持って行ったものです。前日の夜に、ブロッコリーと紫玉ねぎ、大豆とひじきを混ぜておいて、朝アボカドとトマトを入れるだけの状態にしておきました。お弁当を全部作るのは大変だけど、サラダだけでも持っていけると、野菜不足の日々でも安心できるんです。
ーー普通の玉ねぎではなく、紫玉ねぎなのがおしゃれですね。彩りにこだわりが?
いや、全然(笑)。3個98円で、なぜか普通の玉ねぎより安かったので買っただけで(笑)。紫玉ねぎ、生で食べても辛くないし、便利ですよ。
献立を決めずにスーパーに行く派です
ーースーパーに行くときは、どんな基準で買い物していますか?
献立を決めるより先に、まずはスーパーに行きます。そこで、安い野菜をとりあえず買う派。私は仙台出身なので、東北産のお野菜を選ぶことも多いです。とにかくスーパーが大好きで、お仕事で地方に行ったときにも、その土地の食材を買って帰ります。
ーー食材から献立を組み立てられるのは、普段から料理している方だからこそですよね。
迷ったときは、クラシルやクックパッドでレシピを調べます。料理名ではなく、素材で検索すると、まだ知らない料理に出会えるのが楽しいんです。冷蔵庫で使い道がないときにも、まずは検索しますね。YouTubeもよく観ていて、お気に入りは「1人前食堂」さん、「はるあん」さん、「バズレシピ」のリュウジさんです。
調理のこだわりは「レシピの規定量よりシンプルにアレンジ」
ーー作りおきおかずも、どれもおいしそうです。モーニング娘。’20は、ツアーなどで全国出張も多いですが、食材を上手く使い切るために計算しているんですか?
一度にまとめてたくさんの料理を作るのが好きなんです。しばらく自宅をあけるときは、冷凍保存しています。冷凍すると味が落ちてしまう素材は、なるべく避けていますね。じゃがいもは、すぐ消費するようにしています。
ーー食材の特性も意識しているんですね。調理時のこだわりポイントは?
レシピの規定調味料より薄くして、不要と思うものを省くくらいかな?シンプルに、素材の味を活かしたいんです。常備菜には、市販のめんつゆや白だしを積極的に使いますね。楽したいし、手間はかけないようにするけど、調理時間自体の短縮はあまり考えていないですね。ぐつぐつ煮込むのも好き。
ーー手軽さと料理を楽しむバランスを、うまくとっているんですね。
今日は疲れたな、というときはスーパーでお惣菜を選ぶこともあります。買ってきた唐揚げを、魚焼きグリルで二度焼きするのが好きで。カリッカリになるんですよ。かぼちゃ、ピーマン、なすなど、焼き野菜も油を使わないでシンプルに焼けるから便利です。ただ焼くだけだとパサパサになってしまうので、受け皿に水を入れておくのがコツ。
ーー調理テクまで、ありがとうございます。お惣菜がおいしい推しスーパー、ありますか?
一番のお気に入りは、地元・仙台のスーパー「主婦の店 さいち」。お店で調理しているから、作り手の顔が見えるのが魅力的なんです。おやつになっちゃうけど、おはぎもとにかくおいしくて!ごはんに対して、あんこが多いんですよ。すぐ売り切れてしまうので、見つけたら買ってみてください。
盛り付けのインスピレーションは、飲食店のインスタグラムから
ーー石田さんのおうちごはん写真、ねこの豆皿も可愛いですね。
ありがとうございます。ねこの豆皿は、母が集めたものなんです。今回、アイスムさんの取材をきっかけに、ランチョンマットが欲しくなっちゃいました。こういう機会がないと買わないので(笑)。
ーー盛り付けにもこだわりが見えます。
最近インスタグラムを始めて、カフェやカレー屋さんの画像を保存しているんです。「この盛り付け素敵だな」と思ったら、真似していますね。
オフの前日は、好きなものを思いっきり食べる
ーー忙しい毎日の中での「ご褒美おうちごはん」はありますか?
いつも、割と好きなものを作って食べてます。スケジュールに余裕がある日は、スパイスカレー。時間もかかるし、油をたくさん使うので、気合いが入るんです。
あと、私はにんにくが大好きなんですよ。「明日オフだ!」って日は、多めに入れちゃいます(笑)。撮影前は脂質を抑えているけど、大仕事が終わった日には鶏の手羽元の煮物を作って食べることが多いですね。