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子どもの成長から美肌まで!?ブルーライトが与える影響を見直してみよう!

六車奈々の子育てコラム「あいことばは、まあいっか」 #45

FAMILY
2023.12.15

「家族の健康のために、意識していることは?」と聞かれたら、「日々の食事」と答える人は多いと思います。もちろん私も同じ。娘の成長を一番に考えて、日々の食事作りをしています。

ですが私にはもう一つ、同じくらい大切にしていることがあります。それが「睡眠」です。若い頃は、最も後回しにしていたのが睡眠でしたが(笑)、睡眠の勉強をしたときに、「食べることと同じくらい大事だ!」と気づき、生活スタイルを夜型から朝型に切り替えました。

睡眠の大切さを日々感じている人も多いと思いますが、「質の良い睡眠」のためにどんなことをされていますか? 

・早寝早起き
・部屋の温度調整
・自分にぴったりの枕を見つける

など色々あると思いますが、見落としがちなのがブルーライト。「寝る前のブルーライトはよくないですよ」というのは耳にするものの、実はそこまで重視していない人、案外多いのではないでしょうか。実は私も、そんな一人でした。

そこで今回は、ブルーライトが子どもの成長や家族の健康、さらには美肌にまで関係するというお話です。

睡眠は、最も努力のいらない美容健康法

世の中にはたくさんの美容健康法がありますが、最も努力しなくていいのが「睡眠」だと思っています。

その理由は、こちら。

概日リズム

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これは本コラムで何度も登場している「概日リズム」。私たちの意識とは関係なく起きている生理的機能の変動で、約24時間周期でプログラミングされています。イラストはほんの一部で、本当はもっと細かく組み込まれています。

「深夜0時までに眠った場合」という条件はつきますが、深夜2時ごろには成長ホルモンが最も多く分泌され、深夜3〜4時ごろには皮膚の修復作業がピークに達します。つまりこの時間にぐっすりと眠っているだけで、勝手に体のメンテナンスをしてくれているということ。成長ホルモンが子どもをしっかり成長させてくれるのはもちろん、肌荒れやニキビを治したり、傷ついた細胞を修復してくれているのです。

さらに免疫細胞も夜に増えるので、私たちが眠っている間に、日中もらってきた病原菌や日々生まれるがん細胞をやっつけてくれますし、睡眠ホルモン「メラトニン」も、体の修復に大きく関わっているのです。

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つまり睡眠は、単に「眠い」という欲求を満たすのものではなく、子どもの成長や体のメンテナンスのために必要不可欠だということ。そこで大切になるのが「睡眠の質」で、これを確保するために私が徹底しているのが「ブルーライト」なのです。

ブルーライトに御用心

ブルーライトは、パソコンやテレビ、スマホなどから出ている青い光のことですが、虹を思い浮かべるとイメージしやすいですよ。
虹は、外側が赤色、内側が紫色になっていますよね。ヒトの目に見える光は、この赤色〜紫色までの範囲。ですから、この範囲内にある光は「黄色」や「緑色」など「色」として見ることができますが、赤より外の「赤外線」も、紫より外の「紫外線」も見ることはできませんよね。

ブルーライトは、虹でいう内側、つまり紫外線に最も近い光で、強いエネルギーを持ちます。紫外線が目に与える影響を考えると、それに近いブルーライトはかなり強い光だということがわかります。

実は、ブルーライトは「朝日」に多く含まれる光。ヒトは、ブルーライトたっぷりの朝日が目(網膜)に入ると、その信号が脳に伝わり、「朝日(ブルーライト)を見たよ!地球に朝が来たんだ!」と認識します。すると睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑えられ、体内時計がリセットされるのです。

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朝にブルーライトが目に入ると、シャキッと覚醒できるのでとても良いことなのですが、ヒトが休息をとるはずの夜に目に入ってしまうと、厄介なことになります。スマホやパソコン、テレビなどで強いブルーライトの刺激を受けると、脳は「朝が来た」と勘違いしてしまい、メラトニンの分泌を抑えます。その結果、

「疲れているのに眠れない」
「寝たいのに頭が冴えてしまった」
「寝たけど、眠りが浅くて熟睡できない」

などスムーズに寝付けない状態になり、眠れたとしても睡眠の質が低下してしまうのです。

我が家のブルーライト対策

影響が大きいにもかかわらず、対策自体は努力不要で簡単なので、我が家は徹底してブルーライト対策をしています。

対策1 ブルーライトカットめがね

娘は小学2年生になり、最近ではゲームをするようになりました。
娘とは、「ゲームをするときは、必ずブルーライトカットめがねをかける」という約束をしています。
今は、子ども用のブルーライトカットめがねも手頃な価格で販売されているので、とてもおすすめですよ。

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我が家のブルーライトカットめがねいろいろ。手前が子ども用です。

ゲーム以外では、「夕食後」というのもルールにしていて、夕食を終えた19時以降は、テレビなどを見るときには、必ずめがねをつけるようにしています。せっかく体が休息モードへとシフトチェンジしているときに、ブルーライトでだいなし!なんてことにならないように注意をしています。

対策2 ブルーライトカットモードに切り替える

今、スマホやパソコンは、設定画面から「Night Shift」「Blue Shade」などの機能名で、簡単にブルーライトカットモードに切り替えられます。時間設定で自動切り替えができる機種も多いので、ぜひ生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?

ちなみに私は、一日を通してブルーライトカットモードに設定しています。以前は長時間パソコンに向かっていると、目が辛くて気分が悪くなることもあったのですが、今では眼精疲労から解放され、快適に仕事をしています。

ブルーライトカットにすると画面全体が暖色になるので、最初は見づらいかもしれませんが、必ず慣れるので大丈夫。私の場合、写真やイラストなど、色をチェックする時だけは、設定を戻して確認しています。

ブルーライトは、つい「これくらいなら大丈夫だろう」と思いがちですが、思っている以上に睡眠に影響を与え、ひいては子どもの成長や家族の健康、美肌にも関わってきます。ブルーライト対策は本当に手軽にできるので、ぜひ取り入れていただけると嬉しいです。

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イラスト:あきばさやか
撮影:曽我美芽
ヘアメイク:岩川えり

<参考文献>
大塚邦明(2012), 体内時計の謎に迫る, 技術評論社
Menaker M/ Murphy Z.C./ Sellix M.T. (2013), Central control of peripheral circadian oscillators. Curr Opin Neurobiol, 23, p.741–746.