家族のやる気を引き出す魔法
「茶碗洗いくらい、やってよ!」
「今、やろうと思ってたんだよ!」
なぁんて夫婦喧嘩、やっちゃっていませんか?
はーい!私は、やっちゃってます(笑)。
だって、家事に育児に自分の仕事に加え、夫の仕事まで手伝っているのに、
靴下は脱ぎっぱなし!
夜中に飲み食いした食器はそのまま!
そりゃあ怒って当然さっ!
・・・と、言いたいことは山ほどありますが、これをストレートにぶつけてしまってはケンカになります。
ケンカをせずに、夫婦間でうまくコミュニケーションを取る方法ってないのかしら?
実は、あるのです!
北風と太陽
私の友人宅では、食事作りを全て夫がしています。
驚いた私は、本人に聞きました。
「えぇーっ?毎日作ってるの?すごくない?」
すると友人がすかさず割って入り、こう答えました。
「だって、私が作るよりおいしいんだもーん!彼は、本当にお料理が上手なの!」
それを聞いた夫は、
「いやぁ。大したものは作ってないけどね。」
と、嬉しそうに照れ笑い。
そうか。そういうことか。
この嬉しそうな顔から察するに、今日も明日も彼は、妻のために喜んで食事を作ることでしょう。
友人が意図していたかどうかは知りませんが、夫を褒めることで喜びを与え、ケンカどころかやる気にさせていたのです。
これが、『北風と太陽』。
旅人のコートを脱がせたければ、厳しい言葉を浴びせるよりも、相手の心をポカポカにしようということ。
たとえば、茶碗洗い。
「私だって働いているんだから、茶碗洗いくらいやってよね!」
共働きの主婦としては、こう言いたくなることがあるかもしれませんが、
「今日は、疲れちゃった。茶碗洗いやってもらえるかな?」
こう言い換えるだけでも、相手の受け取り方は違うと思います。
嬉しい気持ちを、しっかり伝える
大切なのは、ここから。
夫が茶碗洗いをしてくれた後は、思いきり喜びを伝えましょう!
「ありがとう!助かった~!!!」
嬉しそうな顔を見れば、相手も悪い気はしないはず。
嬉しい気持ちを伝えることは、人と人とのコミュニケーションにおいて、とても大切です。
誰だって、人から喜ばれたり感謝されると、
「やってよかったな。こんなに喜んでもらえるなら、またやってあげたいな」と、心がポカポカしますものね。
これこそ『北風と太陽』の『太陽』なのです。
ここで、注意したいことが1つ。
やり方に関して、なるべく口を出さないこと。
自分が初めて茶碗を洗ったときのことを思い出してみましょう。
今ほど上手に洗えませんでしたよね。
毎日繰り返していくうちに、手際よく綺麗に洗えるようになりました。
これは、誰しも同じです。
もし普段やらない人が茶碗洗いをしたのであれば、自分が満足するほどの出来栄えではないかもしれません。要領だって悪いでしょう。
でもそこで、
「そういうやり方じゃないのよ!」
「こういうふうにやってよ!」
と言ってしまうと、
「じゃあ、自分でやれよ!」
になってしまうのです。
人に茶碗洗いを託したら、その人のやり方を尊重しましょう。
最初はうまくできない茶碗洗いも、続けることで絶対上達しますから、大丈夫。
ラベリング効果
快く家事をしてくれた時には、
「いつも家事を手伝ってくれるから、本当に助かる!」
と日常的に言うことも大事。
これは心理学で『ラベリング効果』と言われるもので、
「あなたって、こういう人だよね」とラベルを貼ることで、相手が本当にその通りの人間になってしまう現象です。
ちなみにこれを利用したのが、トイレの貼り紙です。
「キレイに使っていただき、ありがとうございます」
よく目にするこの貼り紙は、『トイレをキレイに使う人』というラベルを貼ることで、利用者にラベル通りキレイに使ってもらう狙いがあるのです。
つまり、夫にもっと家事や育児をして欲しいときには、
「もっと家事をしてよね!」と責めるより、
「あなたは家事をしてくれるから嬉しい」と、ラベルを貼った方が効果的だということ。
とはいえ、闇雲にラベルを貼ればよいというものではありません。
何も家事をしていない相手に、
「あなたはいつも家事をしてくれて嬉しいわぁ~」
というと、ただのイヤミになってしまいますからね(笑)。
- 夫が快く家事をしてくれるように、言い方を変えてみる。
- 家事をしてくれたら、嬉しい気持ちをしっかり伝える。
- これが日常化するようにラベルを貼る。
この3ステップが、ポイントなのです。
これは妻から夫だけでなく、夫から妻へのアプローチも同じこと。
子育てにもラベリング効果
我が家では、ラベリング効果は子育てにも活用しています。
たとえば子供が何かをこぼしたり失敗をした時には、
「よく失敗する子ね!」
とは、絶対に言わないようにしています。
ラベルを貼ることによって、「私は失敗ばかりしちゃう子なんだ」と思ってしまってはいけないから。
子供が何かをこぼした時は、
「ありゃ~。何でこうなったと思う?そうだね。よそ見をしていたからだよね。次からは気をつけようね。」
と、こぼした原因を一緒に考えてから注意をします。
逆に、子供が良いことをしたときは、ラベルを貼ります。
「お花を摘んできてくれたの?優しい子ねぇ。お母さんは、とっても嬉しいよ。」
「お片付けしたの?偉いね~!せりちゃんは、ちゃんとお片付けができるもんね!」
といった具合。
ラベルを貼ることで、良いところがもっと伸びるように促しています。
これって夫婦間や親子間だけでなく、職場でも同じですよね。
たとえば仕事でミスしたとき、上司から
「キミはよく失敗する人だな。」
と言われるより、
「今度から気をつけてくれよ。キミはできる人なんだから。」
と言われた方が、期待に応えようと頑張れますよね。
職場でも、家庭内でも、人とのコミュニケーションを円滑にするには、まずは自分から変わってみること。
自分の投げるボールが変われば、相手から返ってくるボールも変わってきます。
そういえば先日、娘から言われた言葉。
「ママはお化粧しなくてもキレイだけど、お化粧したらも~っとキレイ!だから、毎日お化粧してほしいな。」
『ママ、毎日お化粧くらいしてよ!』と言わない4歳児。
私より、よっぽどコミュニケーション能力が高いやんか~い!(笑)