里いものポンデケージョ風カレー

アイスム × note「私のイチオシレシピ」 #10 〜うちのカレー〜

FOOD
2023.02.15

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アイスムとnoteによるエッセイコンテスト第三弾では、三名の受賞者を選ばせていただきました。「うちのカレー」をテーマに、オリジナリティあふれる、おうちで作れるカレーをご紹介します。レシピはもちろん、一人一人の料理に込められた物語もぜひ楽しんでくださいね。

今回は、管理栄養士のくもりさんによるレシピ「里いものポンデケージョ風カレー」です。ユニークでおしゃれなカレースタイルは、おもてなしにもよさそうです。


栄養豊富な里いもを使った、「里いものポンデケージョ風カレー」をご紹介します。

ポンデケージョは、ポルトガル語でチーズパンという意味で、ブラジルのおやつとして親しまれています。私はお菓子作りも大好きで、以前、世界のおやつを調べていた時に、たまたま出会ったのがポンデケージョでした。

生地にタピオカ粉が使われているので、独特なもちもち感とチーズ風味の味が特徴的で、それをふと思い出して、カレーとも絶対に合う!!という直感で決めたレシピです。
はじめは、じゃがいもをマッシュしたものを原料にする予定でしたが、せっかくなので旬の野菜に置き換えてみようと思い、里いもを使用したアレンジレシピを考えました。

実はカレーとの相性がバツグン!な里いもとチーズ

里いもには、カリウムやタンパク質、ビタミン類が多く含まれていて、とても栄養価の高い野菜です。そして、いも類の中でも最も低カロリーなのもうれしいポイント。特に里いものカリウムは、いも類トップクラスの含有量で多量のデンプンに守られているので、熱に強く流出しにくい特徴があります。

カレーは長時間煮込むので、野菜に含まれるビタミンやカリウムなどが熱によって破壊され、流出してしまうデメリットがあります。でも、里いもを蒸して使うことで、ビタミンやカリウムもしっかりととることができるんですね。

さらに、栄養価の高いチーズを加えることで、骨や歯のもととなるカルシウムや、筋肉や血液をつくる良質なたんぱく質も補うことができます。野菜と一緒に食べることで栄養素の吸収率もあがるので、より効果的に摂取することができます。

チーズの風味はその料理の香りに奥行きを出してくれる特性があり、食べた時に気持ちを豊かにしてくれたり、体内脂肪を燃焼させる効果もありますよ。

里いものポンデケージョ風カレー

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材料(3人分)

  • ポンデケージョ
  • 里いも…6個
  • 粉チーズ…20g(ピザ用チーズでも◎)
  • 片栗粉…大さじ2
  • オートミール…適量 (無くても◎)
  • 塩…少々
  • こしょう…少々
  • キャベツ…30g
  • かつおぶし…適量
  • カレー
  • トマト…2個
  • パプリカ…40g
  • 豆苗…20g
  • (A)
  • 水…200mL
  • 酒…大さじ2
  • オリーブオイル…大さじ1
  • 砂糖…小さじ1
  • 塩…小さじ1
  • ターメリック…大さじ2
  • コリアンダー…小さじ2
  • カルダモン…小さじ2
  • クミン…小さじ2

ポンデケージョの作り方

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1. 里いもは皮を除いて小さく切って、せいろに入れて中火で25分蒸す。もしくは20分茹でるか、電子レンジで温めても◎。
2. キャベツは千切りにし、かつおぶしと和えておく。
3. 里いもが柔らかくなったらボウルに入れ、熱いうちに、少し形が残る程度につぶす。
4. 3のボウルに調味料をすべて入れて、よく混ぜ合わせる。
5. 4を食べやすい大きさに丸くし、2のキャベツを衣のようにつける。(おにぎりを握るような感覚でギュッと)
6. オーブントースター(180℃)で8〜10分焼く

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カレーの作り方

1. トマトはくし切り、パプリカは細切り、豆苗はパプリカと同じくらいの長さに切る。
2. フライパンに、(A)とトマトを入れて、つぶしながら煮立たせる。
3. 中火にし、パプリカと豆苗を入れ、しんなりするまで加熱する。
4. 火を弱め、ターメリック、コリアンダー、カルダモン、クミンを入れよく混ぜる。
  • 底が焦げないように注意。混ぜてみて、もったりと重い場合は、水を足して調整する。
5. お皿に盛り付け、上からこしょうをかけたら完成。

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それでは、いただきます!
やはり、ポンデケージョとカレーの相性はとても良いですね。

キャベツで覆われたポンデケージョは、コロッケの衣をイメージしました。外はシャキッと、中はもちもちとした食感を楽しめます。

かつおぶしを加えることで、焼いた時に風味が増し、香りも楽しめるのがポイントです。カレーと一緒に食べると、チーズの風味とマッチしてとてもジューシーな味わいになります!

そして見た目にもこだわりました。パプリカの赤、黄。豆苗の緑。
色味と見栄えが良いと、食欲が増しますよね。

私はレシピを考える時に、味はもちろんですが見た目にもかなりこだわっています。絵を描いたり写真を撮るように、見た目から伝わる魅力も大切にしています。

カレーは市販のルウでもおいしくいただけますが、添加物やカロリーが気になる時もあります。私も普段は市販のルウを使用していますが、ときどき体に気を遣って自分で調合する時もあるので、今回はそのスパイス調合のレシピにしてみました。

カレーの基本的なスパイスには、ターメリック、コリアンダー、カルダモン、クミンがあります。この四つのスパイスを覚えておくと便利です。これらにアレンジを加えればいろんな味のカレーが作れますよ。

今回の主役「里いも」について、少し役立つお話

里いもには特徴的なぬめりがあり、煮物などでなかなか味が染みてくれないのは、このぬめりが原因です。

ただ、このぬめりの成分には食物繊維がたっぷり含まれているんです。中でも「ガラクタン」と呼ばれる成分には、免疫力を高めてくれる効果があります。料理する際は、このぬめりを失わないよう、下処理の時点で加熱しすぎないように注意します。

茹でる場合は、よく洗って泥を落とした後に3分ほどの短時間で茹でて、冷水にとってから手で外皮をつるんと剥くのがおすすめです。かゆくならず、ぬめりや旨味も残ってくれます。

私は栄養を逃さないために「せいろ」を使って蒸しています。多くの野菜は、茹でてしまうと栄養素が水に溶けて流出してしまいます。それを防ぐためにも、また素材を大事にするためにも、蒸すという調理法はおすすめです。

今回使用した里いもにも水溶性のカリウムが多く含まれています。蒸すことで流出を防ぐことができますよ。野菜の栄養をいかしたままおいしく食べるために、せいろはおすすめの道具です。

旬の野菜は栄養価が高く、旨味も凝縮されているため、積極的に取り入れていきたいもの。価格も、旬のものであれば比較的安くなっていることが多いのでお財布にもやさしいです。

今回のレシピは、ヘルシーかつ食欲が出るような味付けで、カロリーが気になる方にもおすすめの一品になっています。

少し手間がかかるレシピですが、ぜひ、時間と心に余裕がある日に試してみてください!

わが家のカレーエピソード

幼い頃に食べていた母の作るカレーは、いつもじゃがいもではなく、大根がたくさん入っていました。味噌汁でも煮物でもおでんもそうですが、味がしっかり染み込んだ大根って本当においしいですよね。

噛んだ瞬間ジュワ〜っと…それを一番に思い出しました。大根の水分を利用して、少ない水量で野菜の旨味で作る大根カレーも今度作ってみたいと思っています。

食べることが好きな人、作ることが好きな人、作るのも食べるのもどちらも好きな人。
いろんな思いがあって、人それぞれでいいと思います。
忙しい日も、時間に余裕がある日も、料理をすることを「やらなきゃいけない」と思うのではなく、無理をせず、もっと肩の力を抜いて、その日その時の自分に寄り添い、甘えていいものだと私は思っています。

食への楽しみ方は何通りも存在していて、その中で自分に合ったスタイルに出会えた時、必ず大きな笑顔を咲かせてくれます。自分にも、大切な誰かにも。

それに出会うまでの旅をぜひ楽しんでほしいです。

食は楽しむもの。
シンプルなこの思いがたくさんの方に届きますように。

くもりさんのnoteはこちら

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編集・構成:佐々木沙枝