愛されガチャコと愛されたいあくびのくらし Day2:素直に怒れるのは自信の表れ?
ブサイクなのになぜか愛される猫のガチャコと、頑張って生きているのになぜか幸せになりきれない飼い主のポンデ・あくびさん。
ガチャコの勝手気ままな生き様から、女の子の幸せについて考える大好評連載、第二弾!
ガチャコとあくびさんの家に、一匹のイケメン猫、“バンくん”がやってきます。
身体は大福でも心はオトメ?のはずのガチャコはしかし、イケメンを前にしてもなお自分らしさを失いません。
王子様現る!?バンくんの登場
「“普通”の猫が欲しい……」
あまりに普通でなさすぎるガチャコに振り回され続けていた息子の切実な願いから、1年前に新しい家族がやってきました。
「バンくん」は、アメリカンカールの男の子。
広島の飼い主さんのお宅で2歳まで育てられました。
家庭の事情で飼えなくなり、里親を募集されていたところに偶然、出会ったのです。
「このコがいい!!」
息子の一声で、バンくんを我が家に迎えることになりました。
バンくんはアメリカンカールの特徴であるクリンとした耳がチャームポイントの、正統派ハンサム系にゃんこ。
見た目だけでなく、性格も素直で甘えんぼでとっても可愛い!
誰にでも愛想がよく、呼ぶと駆け寄ってきて、膝に乗ってグルグルと喉を鳴らします。
2歳まで育ててくださった飼い主さんの力量なんでしょうか。
それに比べ、ご飯がもらえるとき以外は飼い主にすら無愛想なガチャコ……。もしかしたら、ガチャコにとっては私など、しもべみたいな存在なのかもしれません。
よい子のバンくんを見ていると、ガチャコが性悪なのはやはり私の育て方のせいなのかしら……?と思わされます。
“怒る”って実はむずかしい
仲良くなりたくて一生懸命にガチャコをグルーミングするバンくん。それなのに気をよくするどころか“無礼者!わらわをなんと心得るか!”とばかりに「シャー!シャー!」と怒るガチャコ。
それでもバンくんはあの手この手でガチャコのご機嫌を取ろうとしています……健気!!
ブサイクなのにイケメンからの誘いを迷いもなく無下にするガチャコ、尊敬すら覚えます。
そういえば私はいつからか、悲しいことや理不尽なことに、まったく怒れなくなってしまいました。
“怒り”という感情は、自分の想定や期待が裏切られたと感じたときに湧き上がるのだと思います。
もう毎日のように想定外の出来事が起こり続ける私の人生において、いちいち憤ったり怒ったりするようなパワーは、いつしかなくなってしまいました。
たとえば納得のいかないことを言われても「いろんな考え方の人がいるよね…」と諦めて済ませてしまいます。彼氏に浮気をされていたことが分かっても「私より魅力的な女性はたくさんいるものね…」と、自分を卑下してしまいます。
「素直に感情を表現できる人は、自分の考えをはっきり伝えることができ、しかもそれを認めてもらってきた実績があり、“自分には価値がある”と信じられる人なんだと思います。まっとうな自己評価ができるからこそ、“怒る”ことができるのではないでしょうか。
怒るって、実はとってもむずかしいですよね。
高飛車ガチャコは究極の愛されガール
そう考えると、従順でイエスマンなバンくんよりも、ご飯をくれる私の手に爪を立てることすらも臆さないガチャコは実は、誰よりも健全な精神の持ち主なのかもしれません。
ガチャコは、好かれるために我慢して私の膝に乗ったり、携帯に違うメス猫の画像が保存されてないかこっそり確認したりもしません。
爪を切ろうとするとこの世の終わりかってくらい怒り狂い、抱っこするとあからさまに嫌な顔をする。私が寝入った後にコッソリ人の布団へ潜り込んでくるくせに、寝返りを打った際に少しでも手が当たろうものなら「フルルルルルル!!」とすごい勢いで抗議してくる。
ありのままの自分でいても嫌われないことをちゃんと知っていて、私の愛情を疑わないガチャコは、究極の愛されガールなんです!
私も自己肯定感を高めるために、ガチャコを見習って正しく怒りを表せるように頑張ろうと思いました。
「ガチャコ!しょんなところで爪研ぎしたらめんめだじょ♪(デレデレ)」
猫は言葉ではなく声色で人間の感情を判断するそうです。
褒められていると勘違いしてさらに張り切り、バリバリと賃貸マンションの壁で爪を研ぐガチャコ。
怒っている場合ではない。意気揚々と壁紙を剥ぎ続ける可愛いガチャコを養うためにせっせと働かなくては!