愛されガチャコと愛されたいあくびのくらし Day1:“幸せ恐怖症”ってなに?

2017/04/05 UPDATE

世にもおもしろい顔の猫がいる!しかも、飼い主の女性もおもしろい!
そんな評判からツイッターで人気を博するポンデ☆あくびさんと猫のガチャコの、知られざる日常をたどる連載がスタートします。
気ままに暮らすガチャコと、慌ただしく奮闘するあくびさんの日々を覗いてみましょう。
今回は1人と1匹の出会いのエピソードと、“幸せ”について悩むあくびさんの愉快な考察をお届けします。

私はあくび、この子はガチャコ

アイスムをご覧の皆さん、はじめまして!ポンデ☆あくびと申します。
京都出身、京都在住のごくごくフツウの女性です。でも実は私、意外と複雑な家庭環境で育ったという過去もあり、どう考えても悪運が強すぎるとしか言いようがない波乱万丈な人生を送っているのです。
twitterで日々のドタバタを切り売りしているうちに、なんとフォロワーが2万人を超えてしまいました。
ああ、もっと生活に癒しが欲しい…!

そんな私のもとに5年前のある日、とっても可愛い子猫がやってきました。
テレビに出ていた猫カフェの彼女に思わず一目惚れ。
なんとかお願いして譲ってもらうことができた、エキゾチックショートヘアーの女の子。

昔っからおてんばで、動きがガチャガチャしていることから友達に「ガチャコ」というあだ名で呼ばれていた私は、可愛いけれどガチャガチャした顔立ちのこの子を見て、自分の分身として『ガチャコ』と名づけることにしたのです。

クリクリおめめにフワフワしっぽ、いっぱい遊んで、いっぱい食べて、いっぱい眠って…まるで我が家にお姫さまがやってきたみたいでした。
でも、お椀に入っちゃうくらいちっちゃくて、目に入れても痛くないくらい可愛かったガチャコはわずか半年後。もはや視界に入りきらないくらい大きくて自由奔放、ワガママ放題の大福みたいな女の子へと、ムクムク成長したのです…。

安いご飯には目もくれず、高級カリカリを遠慮なくむさぼります。
あごの下しかブラッシングさせてくれないので、(エキゾチック)ショートヘアーとは名ばかりのロングヘアーはいつも絡まっています。
お腹も顔もぽっちゃりしてしまい、クッションなのかガチャコなのか見分けがつかない有様です。

それでも、我が家のお姫さまであることに変わりはありません。
私が帰宅すると、(ゴハン目当てに)巨体を揺らして出迎えにきくてくれる姿の可愛さについつい騙されてしまいます。
不愛想に太ましい背中を向けているだけなのに、家にきたお客さんの視線を独り占めし、みんなを喜ばせて笑顔にしてしまいます。
ワガママな大福になっても変わらずに、みんなからとっても愛されるガチャコ。

この連載では、なかなか素直に生きられない私と、いつもありのままで生きるガチャコの暮らしを綴っていきます。
自分らしく、自由に、ワガママに生きても愛される秘訣を、ガチャコの生き様を見ながら探っていきたいと思います。

幸せになりたいのに逃げてしまうこと、ありますよね

皆さんは「アッパーリミット」や「幸せ恐怖症」という言葉をご存知ですか?
なんと、人が受け入れられる「幸せ」にも限界(リミット)があるらしいのです。そのリミットがあまりに低くなってしまうと発症するのがこの病。
今の幸せが崩壊するのが怖い、幸せから転落してまた不幸になるのが怖い。そんな気持ちから、今ある幸せを認められなかったり、自ら壊してしまったりするそうなのです。
みんなが憧れ、追い求めるはずの幸せが“怖い”だなんて、なんともフシギな話ですよね。でも、意外に身近なことかもしれないんです。

かくいう私もまた、長年の幸せ恐怖症患者のひとりです。
いつの間にか身に着いていた、「好きだよ」「愛してるよ」なんて甘い言葉を囁かれても、「ハイハイ」と軽くあしらい本気にしないことで自分の心を防御するクセ。
そんなことないってわかっているのに「他に好きな人いるんでしょ」とふっかけてしまうケンカ。
恋人に対してそういう態度を取り続けては、何度も(ある意味)思い通りにフラれてきた、まさに不幸マスターです。

最近も、客観的にはどう見ても“彼女”なのに、「そんな!そんな!私が好いているだけでございます!彼女だなんてめっそうもございません!」という自己卑下のスタンスでしかいられません。
しかも、あだ名や名前で呼ぶのは馴れ馴れしいかな…と考えてしまい、もう何年も経つというのに苗字に「さん」付けで呼ぶ習慣が直りません。
年齢を重ね、外見が衰えたように感じて自信を失っていくにつれて、なおさら重症になっていっている気がします。

私ほどヒドくはなくても、みなさんも幸せを追求しているつもりがかえって不幸に陥るような言動をしでかしてしまっていること、ありませんか?
たとえば、ほんとは大好きなのに相手を勝手に慮って身を引いたり、彼氏を探しているはずなのに焦るあまり、向こう見ずな遊び方をしてしまったり…。

幸せになりたいのに、どうしてどんどんこじれていっちゃうのー!?

ガチャコにとっての幸せとは..?

幸せになりたいのに遠ざけてしまう、厄介なパラドックスに陥ってモヤモヤしているとき、ふと目に入ったのが今日もお腹をさらけ出して悠然と眠りこけているガチャコの姿でした。

愛嬌があると言えば聞こえはいいけれど、まあまあブサイクなお顔に、動きにくそうなボテボテの身体。短い手足に絡まるネコっ毛、しかもなぜか体からは異臭が…(シャンプーしてもすぐにこの体臭がぶり返します)。
養ってもらっているというのに気まぐれすぎる愛想のなさと、ひとかけらもない謙虚さ。この問題のあるルックスそして性格、なのにこんなにも愛されて、どう見ても幸せに生きているガチャコ。
私たちとの違いは、いったいなんなんでしょう?

彼女はたぶん、幸せになりたいとか、幸せってこうだよねとか、難しいことはなんにも考えてないのです。
自分が幸せだと思えることを欲望に忠実に、ただただ遂行しているだけなんですね。
幸せを追求したりも、幸せから逃げたりもしないガチャコは、底なしハッピー野郎なんです!(女の子だけど)

そりゃあ猫なんだから当たり前かもしれないけれど、毎日をついついマジメに、一生懸命に生きすぎてしまっている私たちもたまには、ガチャコを見習ってみてもいいのかな、と思えます。

でも、キレイスッキリいい匂いにしてもらえる(幸せなはずの)シャンプーをするとあまりにも嫌すぎて、上の写真のような遠い目になってしまうガチャコ。
臭いまま(不幸)でいいと願ってしまうあたり、実はガチャコも幸せ恐怖症なの…かも!?


女の子が気楽に生きるのって、どうしてこんなに難しいんだろう。
これは私がずっと直面し、また考えてきた疑問でした。

みんな可愛くて、誰かから愛されている大切な存在なのだから、ガチャコほどでなくても、多少ワガママに気楽に生きてみたっていいんじゃないかなと思うのです。
世の中の女の子たちが、少しでも明るく生きていけるような、ちょっとしたテツガクを、ガチャコから学んでお伝えしていければな、と思います。

投稿者名

ポンデ☆あくび

京都在住、2児と2ニャンの母。
人生の波瀾万丈ぶりには定評があります。
あまりに過酷すぎるので、極力地に足が着かないようにフワフワ生きています。
趣味は温泉に入ること(温泉巡りではなくただ入浴するのが好き)。
Twitter:https://twitter.com/akubikomachi