しんどいオカマのお悩み相談 その47.モテなさすぎてしんどい?
しんどいオカマがしんどいお悩みにお答えする、しんどくても頑張るあなたのための人生相談。今回はまったくモテなくて悩む男性からのお悩みよ。
オカマにモテる男性の話はよく聞くけど、男性にモテるオカマの話は聞いたことがないわね。オカマの恋は、いつだって一方通行なの。
【お悩み】
31歳の男性で、エンジニアです。
彼女いない歴イコール年齢のままこの歳になってしまいました。
僕は背も低ければ年収も低く、もちろんブサイクです。
なんの取り柄もないのに恋愛がしたいなどと言うのはおこがましいと思うのですが、こんな僕でも恋愛の幸せを経験してみたいのです。
年齢のこともあり焦ってはいるのですが、女性と友人関係にはなれども、なかなか恋愛に発展しません。
どうすれば人並みに女性と恋愛することができるのでしょうか?
恋愛に焦りは禁物よ
言っておくけど、アタシもまったくモテないわよ。
そりゃアタシだって人並みに恋愛をしたいとは常々思っているけど、あなたと同じでブスだし何の取り柄もないし卑屈だしで、ほとんど誰も寄ってこないのよ。
一応、過去にいくつかの恋愛経験はあるけど、それらの数少ない経験は目も当てられないほど酷いものばかりだったわ。
何度血を見たかわからないし、死にかけたこともあったわね。
記憶を消したいくらい酷い恋愛経験しかない上に、そういった色恋沙汰なんてもう何年も前の話だから、もはやアタシには「恋愛経験がない」と言っても過言ではないかもしれない。
そんな人間に「どうすれば恋愛ができるようになるのか」なんて相談はお門違いもいいところよ。逆にアタシが相談したいくらいだわ。
ただ、これじゃせっかく勇気を出して相談してくれたあなたに悪いから、今回はアタシ自身がモテないことは遥か上空の棚に上げつつ、オカマ女子を代表して、オカマ女子目線で、あなたがこれから恋愛をする上で改善すべき点を挙げていこうと思うわ。
大丈夫よ、普通の女子もオカマ女子も大差ないはずだから。
まず、オカマ女子的にいただけないのは、あなたが年齢によって恋愛に焦りを感じていること。
男性が恋愛において焦りを感じる必要性は皆無だわ。女性であれば、出産のリスクを考えた場合に焦りを感じてしまうのはわかるけど、それでも、恋愛経験の有無それ自体に焦りを感じる必要性は男女共にないと思うわ。
その焦りは、ガツガツとした態度となって相手に悪印象を残してしまうものよ。
恋愛に年齢制限なんてないの。アタシの会社の取引先に今年75歳になるおじいちゃんがいるのだけど、いまだに隙あらば女性を口説いているし、愛人を何人も囲っているわ。最低よ。最低だけど、その余裕は見ならうべきね。
だから相談者のあなたも、他人より少しだけ人生のペースが遅いだけだと思って、もう少し余裕を持って女性と接することができれば素敵だわ。
次にオカマ女子的にいただけないのは、あなたがあまりに卑屈すぎる点よ。
アタシもあなたと同じようにブスだし年収も低いから、つい卑屈になってしまうのだけど、アタシはその卑屈さ自体がモテない理由だと自覚しているわ。
じつは、恋愛に容姿や年収ってほとんど関係ないのよね。
たまにとんでもなくブスで貧しいオカマがイケメンの彼氏を連れていることがあるじゃない?
はたから見るとオカマ向けホストクラブの同伴にしか見えないのだけど、本人たちはとても幸せそうに恋愛をしている。
そんな姿を見かけるたび、アタシはハンカチを噛みちぎって自室の壁をボコボコに殴るわけだけど、いくらハンカチや壁を破壊しても、彼女たちにイケメンの彼氏がいるという事実は覆らないの。
容姿でも年収でもない魅力が彼女たちにはあるってことよね。
それはオカマでなくともそうよ。
世の中の結婚詐欺や保険金詐欺で捕まってる“魔性の女”なんてみんなブスじゃない?
むしろブスじゃないと詐欺は成り立たないのではないのかと思えるほどブスしかいないわよね。
そんなブスな彼女たちがモテる理由、それは「自信」に他ならないとアタシは思うわ。
どんな美男美女であっても、卑屈で陰気な性格であれば人はいずれ離れていくものよ。
青臭い十代のころは別として、人は社会人になると、多くの人と関わりあう中で、人には表面的なステータスだけでは測れない魅力があるのだと自然とわかってくるのよね。
その中で、自分の魅力をどれだけ相手に伝えられるかによってモテるモテないが決まってくるわけだけど、自分に自信があればあるほど、自分の魅力が相手にとってわかりやすいものになるわけ。
もちろん、自信を持つことによって身につく頼りがいや包容力も魅力のひとつなのだけど……。
相談者のあなたは、自分に自信がある?
きっとないでしょうね。アタシもないからよくわかる。
だけど、そうやって自己評価を減点方式にしているうちは、一生モテることはないと思っておいたほうがいいわね。
自分の魅力は何なのか、まずはそれを見つけて、磨いて、自信をつけるところから始めてみるべきじゃないかしら。
オカマはあなたの最後の砦よ
謙虚であることと卑屈であることは違うし、自信を持つことと傲慢であることは違うの。
謙虚でありながらも自信を持つことはできるのよ。
卑屈でいればモテない人生の言い訳になるだなんて、絶対に思わないでいてほしいわ。
それでも、もしどうしても自信が持てないというのならアタシのところに来て。
オカマはモテない男の子たちの最後の砦。どんなあなたでも、優しく受け止めてあげるから。
さて、このコーナーでは、読者の方からのお悩み相談を随時募集しているわ。
恋愛でも学業でも仕事でも、あなたがどんなことで悩み、どんな風に解決したいのか、できるだけ詳しく簡潔に教えてくれると助かるわ。
送り先は、アタシのツイッターアカウント(@BS_dim)のDMか、メールフォーム(okama.onayami@gmail.com)まで。
【お悩み相談内容】と【年齢、性別、職業など簡単な自己紹介】を忘れずにね。いただいた相談内容、個人情報はこのコーナー以外では利用しないし、長期的に保管することもしないから安心して。
ついにお悩み相談が本になったわ。
連載に加筆修正を加えたものに、書籍だけの書き下ろしのお悩みも多数。さらにアタシが異色肌ギャル・浄土真宗僧侶に相談する「逆お悩み相談」のコーナーや、オカマに聞きたい一問一答108問も収録。大ボリュームで絶賛発売中よ!
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