5歳さん嫁非公認コラム Episode:33「息子とぼくの幸せな温泉」
ちょっと奇抜な奥さまと元気な息子さん達とのユーモラスなエピソードが大人気!ツイッター界随一の恐(愛)妻家5歳(嫁公認アカウント)さんのコラム!
今回は、最近5歳さんと息子さん達の間でブームになっている日帰り温泉のお話。幸せって、きっとこういうことなんです。
第1章 日帰り温泉〜車で5分の幸せ〜
息子達と温泉通いにハマっています。
温泉と言っても、別にわざわざ遠出するわけではありません。1年前、家から車で5分の所に温泉が湧いて、気軽に日帰り旅行が出来るようになったのです。旅行というよりも銭湯に行くくらいの感覚です。スーパーへ行くついでに温泉にも寄るかっ!て感じでサクッと行けるようになりました。
以前から、息子達とはちょっと離れた所のスーパー銭湯にはよく行っていたのですが、車で5分の距離に温泉があるとハードルがグッと下がって、より頻繁に行くようになったというわけです。
本当にハマっていた時期は週5で行っていたのですが、「温泉通いで破産するからやめて」と嫁からお叱りを受けたので、それからは週2くらいで楽しむようになりました。
ちなみに、嫁は「どうせ温泉行ってもひとりぼっちだし(息子達が僕と入りたがるので)男だけで行きなよ」って感じなので、僕と息子達だけで行く事が多いです。
第2章 僕らの日帰り温泉満喫コース
いつもの日帰り温泉コースは、大体平日の夕方。長男の授業が終わる15時に合わせて保育園に通う次男のお迎えを済ませ、長男をピックアップして温泉に向かいます。
息子達に「今日は温泉に行くぞ!」と告げると「うっひょおおお!」と声を合わせて大喜びします。
「ぎゅうにゅうのんでもいい?」と、すでに入浴後の牛乳の事を考えている次男。
たしかに、風呂上りの牛乳は格別に美味しいよな、その気持ちわかるぞ、次男よ!
息子達はいつも子猿のように騒いでばかりですけど、温泉に来た時だけは行儀の良い子になります。脱衣所では入浴する前に約束の確認をします。
僕「走らない、騒がない」
長男「はしらない、さわがない」
次男「はしらない、さわがない」
親子3人で復唱し終わると、静かに浴場へと向かいます。
まずは洗い場の椅子を並べて2人を座らせ、背中を流します。家のお風呂だと体を洗うのを嫌がったりするのですが、温泉に来ると素直な子達になるので、すんなりと洗わせてくれるんです。行儀よく並んだふたつの小さな背中をゴシゴシ洗うのですが、この時に『今めっちゃ父親してるー!』って気持ちになります。息子達の体はキレイになり、そして僕は自分が父親だという事をしみじみと実感しながら自己満足も出来る、、、まさに一石二鳥の温泉効果です。父親になったら、是非ともお子さんの背中を流してこの気持ちを味わってもらいたいものです。そんな気持ちを噛み締めていると、ついつい気合いが入ってしまって次男に「パパ、いたいから、もっとやさしくして」と言われます。そう、子供の肌は敏感なのです。子供達の事を力強く愛しながら、しかし力加減は優しく、やさしく、洗わなくてはいけません。
次は頭です。長男は小学校に入ってからシャンプーは自分で出来るようになったので、僕は次男の頭を洗います。「めにいれないでよ!」と何度も念を押して言ってくるので、細心の注意を払いながら、泡が顔に流れないように後ろに頭を傾けてそっと洗い流します。息子達をキレイにしたらササッと自分の体を洗って、いざ入浴です。
ここの温泉の泉質は塩化物泉です。口に入るとしょっぱい味がします。
なんかしょっぱい温泉って効能が高い気がしますよね。あと『温泉に来たぜ!』って気分になれるので、しょっぱいほど得した気持ちになります。次男が「きょうもしょっぱいね〜」と嬉しそうに報告してくれます。僕も「やっぱりしょっぱいね」と答えます。2人で「ムフフ」と顔を見合わせます。
第3章 温泉に身をゆだねて思う事
まだ日も沈まぬうちから温泉に浸かる、僕ら家族。
周りの入浴しているお客さん達はもう仕事は引退して、悠々自適な生活を送っている仙人のような御老人ばかり。その影響もあってか、ここの温泉場だけ時間の流れるスピードが確実に3倍くらい遅く感じます。そして僕らもその仙人達の仲間に入れてもらって、ゆっくりとした時間の中でゆらゆらと湯に身を任せて漂うのです。
空を見上げるとひつじ雲が夕焼けに染まりはじめています。
僕「はぁあ〜しあわせだぁあ〜」
長男「はぁ〜さいこう〜さいこう〜」
次男「パパ、あしたもこようね!」
これ以上の幸せなんてきっとないと僕は思う。
風呂上がりに長男はコーヒー牛乳を、次男は牛乳を、一丁前に腰に手を当てながらぐびぐびと飲み干します。息子達は『くぅ〜これだね〜』みたいな顔をして、慣れた手つきで空き瓶を回収箱に戻します。子供だけどツウな人みたいになっています。
帰り道にはうまいうどん屋で、ざるうどんとおいなりさんを食べます。
これが、放課後日帰り温泉旅行の定番の締めくくりです。
身の回りにある幸せを探し続けていたら、自宅から車で5分の範囲内で、全ての欲求が満たされるパーフェクトなライフハックを見つけてしまいました。
幸せは身近なところにきっと転がっている。