育児 × 介護 = “戦略的”二世帯同居!への道 Step11:同居ブルー!? 親世帯 VS 子世帯 駆け引きのゴングが鳴る…
長い家さがしを経て、ようやく希望通りの中古一戸建てを見つけた甘木一家。
各種手続きはとんとん拍子に進み、売買契約も無事締結。いよいよ本格的な新生活の準備に入ります。
家の引き渡しはほぼ一年後!三世代同居のスタートラインにたつまでにはまだまだ多くの山と谷があったのです…。
「予算?改修?リフォームをめぐるバトルロワイヤル」
ようやく見つけた理想の中古一戸建て。売主への値引き交渉もすんなり通り、売買契約も無事に締結し、夫のローンの審査も通り…これで一安心、と言いたいところですが、問題はまだまだ山積みです。
義父母が今住んでいるマンションの売却、これこそが最大の懸念です。引き渡しは一年後、という条件をのんでくれる都合の良い買い手を探すため、ひとまず売り出しに向けて、不動産会社との交渉に義父母は大忙し。更に、ここにきて新しい問題が勃発します。新居のリフォームについてです。
物件見学をした当初、売り主がとてもきれいにお住まいだったので、ほとんど手直しは必要ない、というのが私と旦那の意見でした。
築年数は約10年ということで、壁紙くらいは張り替えてもいいと思っていましたが、設備面の消耗もあまり感じられず、まだまだ使える状態です。住宅の購入とリフォームにかかる費用は全て義父と夫で折半の約束のため、可能な限り予算を抑えようと思っていました。
しかし、購入することが決まってから、義父母とのスタンスの微妙なズレが徐々に明らかになってきたのです。二人の話では、まず、家の前の駐車場に屋根がないと車が痛むので、屋根を付けたい。加えて和室とリビングを区切るふすまが和風なので、洋風の仕切り扉に作り変えたい。更にキッチンやお風呂もこの際だから新しくしたい、屋根や外壁も塗り替えてエトセトラエトセトラ…
待ってください、と私は必死の形相で止めに入ります。確かに、きれいに使っていたとはいえ毎日使っていたキッチンやお風呂は新品同様とはいきません。けれども機能的には問題なく使えます。屋根も壁も、早めの塗替えが建物の寿命を伸ばすと知ってはいますが、それでもあと数年は全く問題ないはずです。
とにかく予算が。予算が足りないのです。そう泣きそうな顔で訴える息子の嫁に、義母はこともなげに言い放ちます。「値引きして貰った分をそっちに回せばいいじゃない」と。
いや値引きしてもらった分なんてお風呂のリフォームだけできれいに吹っ飛ぶわー!!と心の中で叫ぶ私。この頃はまだ同居前で遠慮もあり、しおらしい嫁だったので口に出しては言えませんでした。現在の私なら、「無理ですwww」と勢いよくツッコミを入れているところです。
必死の説得で、お風呂とキッチンの改修については諦めてもらうことができました。その他の改修ポイントについては、ひとまず業者に見積もりをもらった上で改めて検討することに。
このようにして義父母(主に義母)と若夫婦(主に私)の、新居リフォームをめぐるバトルロワイヤルの火蓋が切って落とされたのでした…
同居ブルー?すれ違うリビング予想図
新居に入れる家具や家電は、二世帯分を持ち寄るため当然不要なものが出てきます。また、サイズが合わず新しく購入するものも多く、かなりの数の家具を処分しなければならないと覚悟していました。
しかし、義父母の話を聞いていると、基本的に新居一階の二世帯共有リビングは、「あなたたち(子世帯)が持ってくるものはほとんどないでしょう?」と、自分たちのマンションから持っていく家具で揃えようと思っているようなのです。
隙間収納からカップボード、テレビから大きなテレビ台に至るまで、長年の暮らしで買い集めた、捨てたくないものが山ほどあるのはよくわかります。しかし私たち子世帯(というか旦那は頓着しないタイプなので私)にも、新しい家のインテリアへの希望は少なからずあるし、気に入っていて捨てたくない家具だっていくつかあります。
そんな思いをやんわりと伝えると、義母からは「でもあなたたちの持ってる家具は安物でしょう?」の一言。確かに!それは!そうなんですけど!とブチ切れそうになる私。義父母は私たちの新たな家具の買い物にまで口を出すつもりはないようだし、好きなインテリアは二階の子世帯スペースで実現すれば良い、という理屈はよくわかります。けれども、家族全員が一番長い時間を過ごす共有リビングは私たちの意見だって取り入れてほしい…!
完全に居住スペースが分離された二世帯住宅ならばこんなトラブルは無いはずで、やはり完全同居ならではのトラブルあるある、だったといえましょう。
ちなみに引っ越してからの十年あまりで、義父母の持ってきた家具は徐々に老朽化やサイズが合わずに処分されることとなり、実にゆっくり、じわじわとしたペースで、リビングのインテリア決定権は同居嫁の手に渡されつつあります。テレビ台やソファー、収納棚などは義父母の了承を得つつ、私が選んだものにとって代わりました。あとはラスボスであるカップボード(大きい・重い・古い)を残すのみです。
もちろん、私の希望だけが通る道理もありません。お互いが譲歩しつつ納得できる形にしていかねばな…と、気を引き締めなおす今日このごろです。