5歳さん嫁非公認コラム Episode:25「僕が一度だけ息子に手を上げた話」
ちょっと奇抜な奥さまと元気な息子さん達とのユーモラスなエピソードが大人気!ツイッター界随一の恐(愛)妻家 5歳(嫁公認アカウント)さんのコラム!
“子供に手を上げてしまった”。デリケートな問題として捉えられてしまう風潮の中で、誰にも打ち明けられず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
5歳さんは今、過去の自分を悔いながら、お子さんたちと全力で向き合っています。
第1章 “イラッ”としてしまった瞬間…
僕は一度だけ息子を叩いた事があります。
長男が3歳の時でした。
引っ越しの時に、ダンボールに詰め込んだ本が押入れの中に山積みになっていたので、僕はそれを整理しながら本棚に並べていました。
その頃の長男は、箱の中に入っている物を見つければひっくり返し、棚の物は全部ひっちゃかめっちゃかに掻き出し、テレビ台に登っては後ろに回り込んでテレビを倒し…まるで小さな怪獣みたいに家中を荒らして回っていました。
3歳になると歩く事も、走る事も、登る事も出来るようになるので、体を動かして色んな事が出来るのが楽しくてしょうがなかったのだと思います。
それは子供の成長でもあるから、親としては喜ばなくちゃいけない事なのかもしれません。
しかしその日、本棚を整理していた僕はその事を一瞬だけ忘れてしまいました。
長男が、僕のしまう本をニコニコしながら次から次へと掻き出して楽しそうにしていました。
最初は「こらこら、今片付けてるんだからダメだよ」と注意して、長男の出した本を元の場所にしまいました。そうすると、長男がまたキャッキャ、キャッキャとしながら本をバラバラと出してしまうのです。また「こらこら、、、」と言って片付ける…というのを繰り返して、何回目かの時、僕は瞬間的にイラッときてキレてしまいました。
「いい加減にしろ!」
と言って、長男の頭を叩いてしまったのです。
長男は何が起こったのか分からず、ポカンとしていました。僕の怒声に、何事かと思った嫁がリビングから駆けつけてきます。ママの姿を見た長男は大声で泣き出し、「パパがペンしてきたぁぁぁあ」と叫んで嫁にしがみつきました。
普段、僕は怒る事もないし、大きな声を出す事もありませんでした。ましてや息子に手を上げた事なんて、一度もありませんでした。
僕自身も、何故あの時そんなにも怒って息子を叩いてしまったのか、いまだにわからないのですが、その時は確かに一瞬だけ理性のタガが外れて、気付いたら手が出ていました。
その時の事を思い出すと、今でも自己嫌悪に陥ります。
第2章 親も子もずっと覚えているのです
あの時3歳だった長男も小学生になりました。
時々、長男が言います。
「パパはいつもやさしいけど一回だけ叩いたことがある」
小さかったなりに、その時の衝撃を覚えているのでしょう。僕はその事を言われるたびに
「あの時は本当にごめんね、もう叩かないからね」
と言います。
息子を傷つけてしまった事を深く反省しています。
最近では、5歳の女の子が虐待されて亡くなってしまったニュースを見るたび、心がギュッと痛みます。
僕のアカウント名が【5歳】というのもあって、そのニュースを見るたびにドキリとさせられ、息子を叩いてしまったあの時の事を思い出すのです。
僕は、虐待死の事件で報じられている様な日常的な暴力を振るう事はしていませんが、そうやって一度でも叩いてしまった事を忘れる事が出来ません。
親も子もずっと覚えているんでしょうね。
そういえば、僕も子供のころ一回だけ、父親にボコボコにされた事があります。
小学校3年生くらいの時だったと思うんですが、その時は僕がめちゃくちゃワガママを言って父にボコられました。
あの時の僕が悪かったんですけど、やっぱり怖かった記憶は今でもあります。
そして、その時の父は仕事がめちゃくちゃ忙しくて、多分ストレスが溜まっていたんだと思います。
“本棚事件”の時も、多分僕はイライラしていました。
いつもだったら我慢出来るのに、ストレスが溜まっている時、自分が自分じゃなくなってしまうんだと思います。
僕はもう息子に暴力は振るわないと心に誓っているし、自分が自分じゃなくなるような精神状態にならないように日々気をつけています。
第3章 子育ては思い通りにならない事だらけ
嫁の方が僕よりも子供達と接している時間が長いので、僕が以前キレてしまった時のような状況に直面する事は多いと思います。
この間も、うちの次男坊(超ワガママ)がまた嫁に反抗して、嫁の「もういい加減にしてぇえ!」と叫ぶ声が聞こえたので急いで寝室にいったら、嫁は次男に掴みかかっていました。
すぐさま引き剥がして「どうしたの?」と聞くと、「こいつ、全然わたしの言う事を聞いてくれない!」と言っていました。次男は僕にしがみつき泣いているし、嫁も泣いているし、もう寝室が地獄絵図のような状態になっていました。
僕も、嫁がそんなにブチキレるまでストレスを溜めているって気付かなかったし、もうちょっと2人をちゃんと見てあげていればよかったと反省しました。
子育ては楽しい事もたくさんあるけど、自分の思うようにならない事だらけだし、大変な事も実際たくさんあります。
でも、『今、自分は大丈夫なのか?』と自問自答して、ちゃんと嫁の事も、息子達の事も見守りながら子育てをしていきたいと思います。