5歳さん嫁非公認コラム Episode:18「35歳の織田信長とナポレオンと、そして僕。」
ちょっと奇抜な奥さまと元気な息子さん達とのユーモラスなエピソードが大人気!ツイッター界随一の恐(愛)妻家 5歳(嫁公認アカウント)さんのコラム!
ついに35歳となった5歳さん!概念として既に崩壊しているアカウント名の彼が放つ、35歳の憂鬱と抱負をとくとご堪能ください!
第1章 35歳になってみたけれども……
三月末で僕も35歳になる。
だから何だってこともないのだけど、節目の年っぽい気もする。
若くも歳を取っているわけでもない年齢、それが35歳だ。
しかし母親のお腹から「おぎゃー」と産声をあげてからもう35年も経つのかー……
『つーか、、、え⁉もう35年も経ったの?』
なんか焦るわぁ~特に何かを成しえたわけでもなく、気が付けばこの歳です。
歳と言えばよく僕が気になっちゃうのが同年代のスポーツ選手。
ニュースで見るスポーツ選手の歳が同じくらいだと「同い年位なのにこの差ああああああああ!」とつい思ってしまう。スポーツをしているわけでも、何か特別な努力をしたわけでもないのにも関わらず、自然と自分と比べてしまう。
18歳の頃は「同い年なのにオリンピック出場してるよ!」と思い、
25歳の頃は「同い年なのに年俸三億円⁉」と驚き、
28歳の頃は「同い年なのに日本代表のキャプテンかよー」と感心していた。
そして35歳になり同い年の選手達が引退しはじめている。
今までは同い年の選手の活躍を見て『すげーなー』と思っていたのですが、そんな同い年の選手達が引退していくのです。なんだかすごくさみしい。
そう35歳という年齢はスポーツ界でいうところの引退の歳なんです。
プロで活躍してきた同級生たちが引退していくなか、僕はオリンピックに出場せず、すごい年俸も貰えず、キャプテンを務めることもないまま、引退の歳を迎えてしまいました。
そういえばこのあいだ僕のおならが臭すぎる為、嫁に真剣な顔で「病院に行った方がいいと思うんだけど」と受診を勧められました。スポーツ選手達は体力が落ち、僕は内臓の機能が低下しているようです。まだまだ若いつもりでも確実に身体はおっさんになっているのだなと実感する。
第2章 偉人、とは、偉大な人、と書きます。
歴史上の人物ともつい比較してしまう。
僕は歴史が好きなんですけど、日本史で言えば戦国時代。僕が大好きな織田信長は35歳の時には足利義昭を奉じて上洛するという偉業を成し遂げています。
『はぁ~俺、いまだに上洛してねーなー』
戦国時代が好きな人ならわかると思うけど、全国の戦国武将達に権威を示すために上洛はめっちゃ重要。隣国同士で敵対する戦国時代に、京に行くまでの道のり、敵対する戦国武将の領土を通らなくてはいけなかったから、上洛はめっちゃ大変だった。信長すごい。
世界史に目を向ければ35歳でナポレオンは皇帝になっている。26歳で将軍になって10年位で皇帝。周りの国々はナポレオンを倒すことだけ考えて同盟を組んで何回も戦いに挑むがことごとく敗れ去った。イギリス、スウェーデンを除く全ヨーロッパを制圧。ヨーロッパってめっちゃ広いぞ、、、ナポレオンやばい。同じ35歳とは思えない。
偉人たちが偉業を遂げていたその歳に、僕は二人の子を持ち、お風呂で腰をデンデン太鼓の様に横に振って『ビタンッ!ビタンッ!ビタンッ!』っていわせる技で息子達を爆笑させる事くらいしか成し遂げていない。
上洛、制圧には程遠い。すげーな偉人。
では、僕の父親は35歳の時何をしていたのだろうか。
父は二十代後半で脱サラした。就労環境が過酷すぎて心身ともに疲れ果てて、ある朝無意識に会社とは反対方向の電車に乗っていて「もう辞めよう」と思ったそうだ。
そしてその時父は【北の国から】にハマっていて、その影響で2歳の僕と母と連れて北海道の十勝に移住した。父は養鶏を始めてそこで二年暮らし、そのあと千葉に引っ越してきた。ワゴン車に鶏を詰め込んで北海道から千葉まで走ったらしい。
そして千葉の田舎で森を切り開き、鶏舎を建てて、再びその地で農業を始めた。
その時、父、35歳。
『おやじ、、、やるじゃん!!!』
身近な存在である父親も偉人達と比べても遜色がないくらいすごいなと僕は思う。確かに北の国からは素晴らしいドラマだと思うけど、リアル黒板五郎になるか⁉
すごいよ!おやじ!!俺はまだ森を切り開いてないよ。
スポーツ選手、偉人、おやじ、、、みんな35歳の時にしっかり何かを成し遂げていた。
オリンピックに出てもいないし、大した年俸も貰っていない、上洛も、制圧も、北の国にも僕は行っていない、今のところ何もしていない。
僕が普段やっていることなんて、お風呂で腰をフリフリしてデンデン太鼓で息子達を笑わすとかそんなことで、多分36歳になっても、37歳になってもその先も、僕は同じような生活をしていると思うんだけど、これを読んだ人たちが、そして将来大人になった息子達が35歳の時の僕を思い出して笑ってくれればいいなと思う。
今のところ何も成し遂げてない僕ですけど、この何気ない日常の中に面白さと楽しさを見つけていきたいと僕は思う。
考え方をちょっと変えてみれば、僕の最高傑作とも言えるイケてる息子が二人もいて、最高に可愛い嫁が僕のそばにはいるわけですから、35年生きてきてそれなりの成果は上げられているのかな、とも思う。オリンピックとか、天下統一とか、皇帝とか、開拓とか、僕が出来ないこと羨むよりも、半径5メートルの世界の中で何か面白い事が出来ればいいのかなと思う。
さて35歳はどんな事が待っているのだろうか、、、楽しい一年にしたい。