5歳さん嫁非公認コラム Episode:6「愛していると言ってくれ」
ちょっと奇抜な奥さまと元気な息子さん達とのユーモラスなエピソードが大人気!ツイッター界随一の恐(愛)妻家 5歳(嫁公認アカウント)さんのコラム!
今回はパートナーとケンカをしてしまった時に、自分の愛をどう相手に伝えるのか…?5歳流ラブ・コネクションを伝授していただきます!
1章【とにかく私のことを好きって言ってほしいガールこと嫁】
こんばんは!アイスムの夜の帝王、5歳です!
皆さんは、「愛している」と、素直に恋人や奥さんに言えていますか。どんなに信頼できるパートナーでも、大切なことは言葉にしなければ伝わらないもの。タイミングを見て、相手を想う気持ちを伝えることが大切です。
しかし、人と人との付き合いには衝突が付き物。
ケンカしてしまった時、素直になれない時、どのようにしたら、心を静めて相手にその愛を伝えることができるのか、僕の事例を振り返りながら皆さんと考えていければと思っています!
『なんなの?私が悪いっていうの?そんなの最初っからわかっていた事じゃん!この性格含めてこーちゃんは私の事を好きになってくれたんじゃないの?』
そう…たしかにそうです。そりゃそうなんですけど、悪い所は直して欲しいって思うじゃないですか。なぜならもっと愛したいですし。悪い所まで認めてって、それは結局、僕のためはもちろん、嫁のためにもならないと思うのです。たしかに人が”変わる”ことは簡単なことではありません。ですが、夫婦結成から7年です。そろそろオリンピックも2巡目が見えてくるくらいの時間が経ちました。
僕は嫁に出会ってから、彼女の理想に沿うように自分自身を変えてきた自負もあります。夫婦はお互いに歩み寄るものだと思うからです…。
『夫婦なんだからさ、ここは少しお互いに歩み寄るということも大切だと思うんだよね…』
『そんなのわかってるよ、でもこーちゃんは変われる人間だからいいけど、私は変われないの、そういう人間なの!私は無理なの!変われないの!余裕がある方が変わればいいじゃん!合わせてくれればいいじゃん!』
『いやいやいや、そんな俺だって限界あるよ?そりゃ譲れる所は精一杯譲りますけど、俺ばっかり譲ってたらフェアじゃないじゃん!そっちもこいよ!こっちへこいよ!』
『はぁー付き合ったばかりのときはあんなに優しかったのに、7年経ったらこうだよ!「そのままの君でいいよ」って言ってたじゃん!嘘つき!「素直な君が可愛いよ」って言ってたじゃん!』
『いや、そーゆー所だけ記憶力がいいな、、、つーか今頃になって付き合いたてのときの愛の囁きを急に引っ張り出してくるのやめろよ、普通に恥ずかしい。』
『だって事実だもん、言ってたもん』
事実、たしかに事実です。しかし、違う人間が二人で長く一緒に生きてこうと思ったら、お互いに譲れる所は譲らなくちゃいけない。これだけは、彼女に伝えきる必要があると思っているのです。しかし、嫁のミサイル斉射はとどまることを知りません。
『誤魔化さないでよ!あのとき「そのままの君でいいよ」って言ったって話を私はしてるの!あの言葉は嘘なの?』
『ああ、あのときは言ったよ!でも今はこのままじゃマズイな~、お前の為にもならないな~って思ってこう言ってるんじゃん!』
『嘘つき!嘘つき!嘘つき!嘘つき!』
『いやいや、お前の事を大切に思ってるからこそこうやって指摘してるんじゃん!』
『もう私の事を出会ったあの頃みたいに好きじゃないんだ!うんざりしてるんでしょ!私だって自分がウザくてワガママでズボラ女だってわかってるよ!』
『いや、だからさ、』
『じゃあ私の事、好きって言ってよ!愛してるよって言ってみてよ!』
『いや、だからさ、』
『ほら、言えないんじゃん!私の事もう好きじゃないんだ!愛してないんだ!ほら、また目を逸らして、こーちゃんってほんと都合悪くなると私の目を見なくなるよね』
『いや、だからさ、』
『ほら、また目を逸らした!』
『いや喋らせろよ!!ちょっと喋らせろよ!』
『早く愛してるって言って。』
『…愛してる、、よ』
『感情が全然篭ってない』
『好きです。愛してます。』
『言わされてるって感じ丸出しだよ』
『…だから、愛してるって』
『だからってなによ。こいつめんどくせぇなって顔してるよ』
~しばし沈黙~
面倒くさい。面倒くさすぎる。正解を教えてくれ。どんなセリフをどんな顔と声質でどれくらいの速さと文字数で、どれくらいの間をおいて言えばいいのか、もうこうなったらそこまで詳細な指示を出してほしいとすら思います。
こうなってしまうと、どんなに愛していても、なかなか口からその言葉を、相手の思ったように伝えることは難しいものです。
2章【なぜ、素直に愛してると言えないのか…】
というか、というかですよ…。そもそも「愛してる」って、どんなシチュエーションで言うのか、という話に立ち戻ります。「愛してる」って、例えば一日楽しいデートをして、夜景の見える所でディナーをして、二人でいて楽しいな〜って思っている時に自然と口からこぼれ出る言葉なんじゃないかと思うんですよね。
少なくとも、こんな風に、矢継ぎ早に攻め立てられて、胸ぐら掴まれながら、言える言葉じゃないと、そう思うわけです。そんな生命の存続をかけたシーンで、心を込めて愛してるって言える人、シュワちゃんとか、シルベスター・スタローンとか、それくらいのタフガイに限られますよね。
『いやさ、「愛してる」ってもっとこう、自然とこぼれ出るようなものじゃない?こんな攻め立てられているような状況で言える言葉じゃないよね?』
『うるさい!!!!!』
(!?)
『うるさい!うるさい!うるさーい!!』
(!!??)
『しのごの言わずに愛してると言え!言い訳しないで愛してると言え!すぐに!今すぐに!私はいつも不安なんだ!どんな状況でも不安なんだ!!だからいつでもちゃんと好きと言え!愛してると言え!絶え間無く!』
僕『、、、』
嫁『、、、』
僕『』
嫁『』
〜三分間の沈黙〜
3章【迷わずに、SAY I LOVE YOU】
ここで、突如として僕の心の中でゴスペラーズのアフロの人があの名曲を歌い出す。なるほど、本当に人を愛するようになると、『愛している』と、言葉にする機会は減るものなのかもしれない…。
そしてつくづく思う。これ、完全に男目線の歌だよな…と。
女の子は言葉を欲しがる。軽々と愛してるなんていうのは本物じゃない!なんて男の格好つけですよね。言わなくてもわかれよvs.言ってくれなきゃわからない!の戦い。相手の譲歩を引き出すため、家族の安寧を手にするため、世界の平和を守るため、試合に負けて勝負に勝つため、まずは僕が折れましょう!かわいらしい嫁のプライドを守るため、今回はあえて負けてあげましょう。それで僕らのこの先が続くのであれば。
『愛してるよ』
『、、、』
『愛してます。ちゃんと愛してます。ごめんね、さっきは言い過ぎた。確かに急に性格変えるのなんて無理だよね』
嫁『、、、』
僕『なんかごめんね、大きな声出して』
嫁『、、、』
僕『好きだよ』
〜しばし沈黙〜
『、、、私もごめん。私も今度からは気をつけるから』
『今でもちゃんと愛してるよ。』
『うん、わかってる』
『じゃあ今度からは飲み会のたび、15分おきに電話してくるのやめてくれる?あとお店の外で待ち伏せするのもびっくりするからやめて欲しい』
『うん、無理だと思う。』
〜後は長い沈黙〜
……それでも僕は言い続ける。I LOVE YOUを声に出して。
いつの日か、彼女が僕に一歩歩み寄ってくれる、その日まで。