愛されガチャコと愛されたいあくびのくらし Day7:欲深い女の魅力

2017/07/03 UPDATE

ブサイクなのになぜか愛される猫のガチャコと、頑張って生きているのになぜか幸せになりきれない飼い主のポンデ・あくびさん。
ガチャコの勝手気ままな生き様から、女の子の幸せについて考える大好評連載、第七弾!
本能に忠実に生きるガチャコとの暮らしから、欲深い女の子の魅力について考えます。

ファビュラスでマーヴェラス(!?)なガチャコの暮らし

素敵で快適な暮らしを実現するための住まい、その美しさを永遠に保つための化粧品や美容グッズ、女が気高く生きるためには十分な財力が不可欠なものです。
さて、それは我が家の姫ことガチャコ様においても然り。
広大な敷地(実際には、ガーデニングの行き届いていない荒地付き2LDK)でファビュラスに暮らし、六本木ヒルズの高級店でしか販売していないブリーダー指定のキャットフードを食す。今日は、カリスマトリマーの神の手により密集した長毛はフワフワにメンテナンスされました。
ふとした時に、私の食費や美容室代よりも高価なのではと不安になることもありますが、そこは気にせずに日々暮らしています。
あっ、せっかくサロンで良い香りになったのに、また自分でグルーミングをして…こうしてまたすぐに臭くなってしまうので定期的なトリミングは不可欠なのです…
そんな、ガチャコ様のファビュラスでマーヴェラスな暮らしを養うため、私は今日も働きます。

ガチャコに貢ぐ女の一生

実は、私の人生は意外と波乱万丈なもので、幾度となく「死」と隣り合わせの状態を経験して参りました。
なぜか、無理心中に巻きこまれ、翌朝病院で起床して混乱してみたり、乗馬中に落馬し、肘の関節を複雑に折ってみたり、居眠り運転の車にマックススピードのまま正面衝突されてみたり、結核を患い隔離病棟に収容されてみたり、胃がん治療の手術で開腹したら追加でスキルスが見つかったり…。
何の因果か、その都度三途の川から生還し、今もこうして元気にガチャコのことをコラムに書いています。もはや不死身といっても過言ではないと思いますので、街でみかけた際は縁起物だとおもって私の方を向いて祈っていただくと、いつか何かありがたいご利益があるかもしれません。ないかもしれません。

さて、人間、何度も生と死の間を往復していると、不思議なもので自分自身に対する執着がそのたびに削ぎ落とされていくように思います。そう、この世の贅沢などは所詮まぼろしで、陽炎は春の現象と同じなのではないでしょうか…。

こうして死地から生還する回数が増えるたびに、私自身は執着が薄くなり、ガチャコを愛でること以外に願うこともない、無欲な人間へと変貌していきました。
意図せず、仏教の教えである「煩悩を捨てよ」を体得してしまっていたのかもしれません。
しかし、このような私の無欲が災いし、本来自分に投資すべき財までもが、ガチャコへの貢ぎ物に姿を変えます。そしてその額は毎年膨れ上がっているのです。

欲望に正直な女の子は魅力的?

キッチンで私がビニール袋をガサつかせていると、我が家の雌豹が電光石化でやってきます。
その目の輝きは「おやつ!?おやつ!?がその袋の中に入っているのかな!!!?」と言わんばかり。
マテリアルガールな彼女は、袋に自分のおやつが入っていないとわかるとすぐに恥ずかしげもなく私のもとを去っていきます。
少し時間をおいて、再度袋をガサつかせると案の定、彼女は先ほどの落胆がウソのように、再び目をキラつかせてやってきました。同じ罠に二度ひっかかるなんて…あなたここがジャングルだったらハンターの罠に引っかかってしまうのではないかしら…。心配です。私の日々の甘やかしは彼女の警戒心を奪ってしまったのかもしれません。

写真は、ブラッシングを欲する時に見せる「グルーミングして」アピールの様子です。
ガチャコはこのように、とても欲深く、自分の本能に忠実に日々を生きています。そして失敗や間違いを必要以上に気にすることなく、どんどん新しいチャレンジを仕掛けます。そんな彼女の姿は言葉にできないかわいらしさがあり、隣で見ていると彼女の欲望をかなえてあげたい!と思えてしまうから不思議です。

私は、これまでの人生、自分にあまり執着せずに、多くのことを望まずに生きてきました。自分から「これが欲しい!」「こんなことがしたい!」と口にしたことは本当に数えるほどだったと思います。
しかし、欲望に忠実な女というのは、不思議と魅力的に人の目に映り、周囲を幸せにしていくのかもしれません。七夕も近づいていることですし、私も皆さまも、いつもより少しだけ自分の欲望に忠実になって、我慢していた小さな願い事をかなえてみるのもよいのではないでしょうか。

投稿者名

ポンデ☆あくび

京都在住、2児と2ニャンの母。
人生の波瀾万丈ぶりには定評があります。
あまりに過酷すぎるので、極力地に足が着かないようにフワフワ生きています。
趣味は温泉に入ること(温泉巡りではなくただ入浴するのが好き)。
Twitter:https://twitter.com/akubikomachi