愛されガチャコと愛されたいあくびのくらし Day6:相手の懐に潜りこむ!人たらしの生態

2017/06/19 UPDATE

ワガママ猫のガチャコと、振り回される飼い主ポンデ☆あくびさんの日常を覗くドタバタエッセイ。
地位も名誉もないとおっしゃるポンデ☆あくびさんですが、実はただひとつ、誇れる能力があるとのこと。
ポンデ☆あくびさんと歴史上の天下人 豊臣秀吉、そして猫のガチャコに共通する、ある特技とは……?

「“人たらし”の能力」あなたは持っていますか?

ポンデ☆あくび、御歳43才。
気がつけば、青春時代をともに過ごした同年代の友達はみな、人間としても社会人としても成長し、華やかな活躍をしています。
社長として従業員の生活を背負っていたり、医者になり多くの人々の生命を救っていたり、伝統文化を受け継ぐ家元に就任していたり、功績を認められて新聞に載ったり……。
ついつい、まぶしいような、近寄りがたいような感覚を覚えてしまうものです。

その一方で私はというと、仕事が特にデキるわけでもなければ、抜きんでたスキルを持っているというわけでもないし、おまけにさっぱりモテません。
いまだにアルバイト生活だし、貧乏だし、持病の結核があるし、昨年末にはガンまで発症してしまいました。
強いて言うならばそんな状況でもなお、それなりに楽しくあっけらかんと生きている、悪運の強さは確かにあるように思います。

しかし、実は私には、唯一胸を張って誇れる能力があるんです。
それは社長や上司やお客様など、「目上の人間にとにかく気に入られる」というもの。
おかげで極端に昇給してもらえたり、出張に行った先々でご馳走を振る舞ってもらえたり、大事な商談がされる高級接待になぜか同席させてもらえたりと、実にいろいろな恩恵を受けてきました。

実際に、どんな職場や友人同士の中にも、不思議と特別扱いされる人はいるものですよね。
「どうしてあの人だけが“えこひいき”されるの!?」と、首をかしげたり、腹が立ったりした経験がある人もいらっしゃるかもしれません。
私もそんな不満の標的にされて、妬まれたりいじめられたり、上司との仲を疑われたりすることもしばしばありました。
非常に限られた場合でのみ、私は“罪な女”だったみたいです。

今からでも“人たらし”を目指してみましょう!

でもこの「“えこひいき”される能力」は、「実家がお金持ち」とか「容姿が端麗」などの生まれながらにして持つものと持たざるものがハッキリしている才能と違い、努力や心がけによって、誰もが後天的に身につけることができると思うのです。

人たらしで有名で、上司や部下のみならず、敵の心まで掌握したという豊臣秀吉は、下級農民から成り上がり、一時代を築く天下人にまで上りつめました。
その輝かしい実績は、秀吉自身の気遣いやおおらかさ、人々の歓心を得る工夫があってこそだったのではないでしょうか。

豊臣秀吉がまだ下っ端だった頃、冬の寒い日に主君である織田信長の草履を懐で温めたというエピソードは有名ですよね。
貴族を気取った言動で、嫌味を言われることもあったという秀吉ですが、反面、他者からの反感をヘタに買わないように、物腰低く振る舞っていた様子も伝えられています。
ほかにも、お客様を招いて豪華な茶会を開催するサービス精神旺盛な一面や、よそで追い出された武士を家臣に迎えたり、部下の大きな失敗を寛大にも許したりという優しい一面を表す逸話も多く残っています。

このように、「“えこひいき”される能力」というものは、言い換えると「気遣いの工夫」あるいは「人を喜ばせるテクニック」と同様なのです。
そういう私も伝授できるような特別なワザを持っているわけではありませんが、自分がお茶を飲みたいときに上司にも淹れてあげるとか、用事を済ませる前にタクシーをあらかじめ呼んでおくとか、そんな小さい気遣いをコツコツ積み上げていくのが好きなのです。

我が家の秀吉、その名はガチャコ

ところで、実は我が家にも、私なんかでは到底かなわない、人たらしの達人がいるのです……。
人呼んで現代の秀吉、ガチャコ。

私のパンプスを(毛だらけにして)温め、いつもの2000倍うるうるした瞳でおやつをおねだりします。
普段はひどく怠慢で高飛車な彼女ですが、ここぞというときには可愛げを存分にアピールし、人々からの寵愛を確実にゲットしていくガチャコ。
まさにあくび家の天下はガチャコによって統一されています。

美しさや可愛いはつくれなくても、「可愛げ」はつくれる!ということが、ガチャコを見ているとよくわかります。

「なぜあの女ばかりがイイ想いをするのか……」などと妬むまえに、思いっきりの愛嬌と気遣いを振りまき、ガチャコを見習って、生きやすく生きてみようではありませんか?

投稿者名

ポンデ☆あくび

京都在住、2児と2ニャンの母。
人生の波瀾万丈ぶりには定評があります。
あまりに過酷すぎるので、極力地に足が着かないようにフワフワ生きています。
趣味は温泉に入ること(温泉巡りではなくただ入浴するのが好き)。
Twitter:https://twitter.com/akubikomachi