5歳さん嫁非公認コラム Episode:51「夫婦喧嘩で披露される嫁の記憶力がスゴイ件」
ちょっと奇抜な奥さまと元気な息子さん達とのユーモラスなエピソードが大人気!ツイッター界随一の恐(愛)妻家5歳(嫁公認アカウント)さんのコラム!
もはや、5歳さんの日課になっている!?夫婦バトルは凄まじい。一つ屋根の下で暮らしていると、付き合っていた頃のように冷却期間を持ちにくいのが夫婦の難しいところ。ですが、イイ点もあるようで…?
第1章 夫婦間の認識のズレから…バトル、再び
今日も今日とて夫婦喧嘩をしている。
僕達は本当に夫婦喧嘩が多すぎるので、読者の方々も「またか」という感想を抱くでしょう。
世間一般の夫婦は、どのくらいの頻度でやり合っているのだろうか?我が家の場合は、1カ月に2、3回は喧嘩しています。この数字が多いのか少ないのかは、わかりません。
昨日のケンカの発端はこう。原稿の締め切りが迫っていたので、夜までにどうしても仕上げなくてはならなかった。夕方から3時間くらい近所の喫茶店で仕事をすることにして家を出ようとした、その時。嫁に「え!?また原稿?家族の時間はないの??」と、玄関で詰め寄られたのです。
確かに、僕は日々原稿の締め切りと戦っている。しかし、昨日は朝から近所のお祭りがあったので、日中は家族を連れて出店を回っていました。嫁が食べたいと言っていたベビーカステラを食べさせて、息子たちには欲しがっていた刀とお面を探し、毎年楽しみにしている射的とダーツと金魚すくいをやらせて、焼きそばとカキ氷とあわあめを食べ、お祭りを最大限に満喫したパーフェクトな休日のはずでした。僕としても、普段は仕事で忙しいので、家族の笑顔が見れて最高だったな〜なんて思っていたのですが、家に帰ってきて原稿を書く為に再び外へ出ようとしたら、嫁が怒りを爆発させたのです。
「家族の時間を大切にしてよ!!」と嫁が言い出したので、「いや、今日は一日中お祭りで家族と過ごしたじゃん!」と主張しましたが、嫁は朝起きてから24時までを【一日中】と定義しているらしい。日中に1つのイベントを家族と過ごせば【一日中】とカウントしている僕の認識とは、違うようです。僕は、家族との時間は長さよりも質だと思っていますが、嫁は実際の時間の長さを重要視している。夫婦間の「家族の時間」に対する認識の違い。そこから火がついた嫁は、最近抱えていた僕に対する小さな不満をここぞとばかりにぶつけてきたのです。
第2章 嫁の記憶力のすごさよ…
ケンカするたび、僕は嫁の記憶力に感心します。
僕の普段の行動で気に食わなかった事を、忘れることなく絶対に覚えている。勢いづいた嫁は特にすごい。フリースタイルのMCバトルをしたら全国大会で優勝できるんじゃないか!?と思うくらいに早口で、僕の事をdisりまくる。3日前に風呂の排水口の髪の毛を取ってと言われたのにやらなかった事、漫画をリビングの机に置きっ放しにしておいた事、嫁がリビングで寝ていたのに毛布も掛けなかった事、ザリガニの水換えをやっていない事などなど、次から次へと「あれはなかったと思う」と突きつけてくる。
嫁は自分の事をバカだなんて言いますけど、僕はそうは思いません。記憶力に関しては紛れもなく天才です。僕への攻撃のスイッチが入った瞬間、気に食わなかった記憶の引き出しを上から順番に高速で開けまくる。そのスピードが速すぎて、僕がどんなに脳みそをフル回転させてもなかなか返す言葉がみつかりません。
僕は普段から嫁に対してそこまで不満がないのです。
「現状維持」と「満足」が僕の人生のスタイルなので、今の生活に不満はない。矢継ぎ早に「あの時のあれがイヤだった!」と言われても、なかなか「俺だってアレがイヤだったよ!」とすぐには言い返せません。
これは僕に限った話ではないんです。既婚者の男友達に「結婚生活で悩みとか不満ってある?」と聞いてみた事があるんですけど、みんな口を揃えて「ちょっと考えたけど、なんにもない」と言っていました。逆に、もし既婚者の女性に同じ質問をしたら、きっとめちゃくちゃたくさん出てくると思う。これでは、夫婦で口喧嘩になった時に男が勝てないわけです。いざという時に相手をdisる為の記憶のストック量に、圧倒的な差があるのです。
おそらく、男性は割と結婚生活に不満はなく、逆に女性の方は積年の恨みをずっとストックし続けているのかなと思います。男性は、良く言えば楽観的で細かい事は気にしなくて、悪く言えば鈍感なんですよね。概ね人生に満足している。
しかし、女性はそれを許しはしません。10年前、20年前に自分に向けられた男性の心無い一言を絶対に忘れないのです。男からしたら「そんな一言で!?」と思うわけですが、その態度も含めて許せないわけです。
これを思うと、結婚生活にもなかなか緊張感が出てきますよね。ミスや失言は決して許されません。男として頑張ってきた99の家族への貢献も、たった1の言動でブチ壊しにしてしまう、これが現実なのです。ひょっとすると、熟年離婚にも関係してくるのかもしれません。
第3章 夫婦喧嘩とカップルの喧嘩は、違う
話を昨日の喧嘩に戻します。
僕は、これでは話し合いにもならないし、この下がったテンションでは原稿も書けないと感じたので、寝る事にしました。寝れば朝が来る。明けない夜はない。うまくいかない時は寝るのが一番。しかし、嫁はそれを許さない。布団にくるまる僕を「でた!都合悪くなったら寝るヤツ!」と追撃する。不貞寝も許されないのが結婚生活のツラい所です。カップルならば、ケンカをした時に「もう知らない!」と電話を切る事もできるし、帰る家もある。逃げられるのはカップルの特権です。夫婦に逃げ場なし。ここがカップルと夫婦の大きな違いです。
ここまで読んで、「自分は結婚なんてしないぞ!」と決意を固め始めた方もいるのではないでしょうか。ある意味では、人生を快適に送る為の賢明な判断かもしれません。
しかし、結婚して長い時間そばにいる事で、唯一、良い点があります。それは、仲直りするタイミングも多くあるという事です。
カップルの別れは、ある日突然、あっさりとやってきます。「別れよう」この一言で決まります。夫婦はなかなかそういうわけにはいきません。まずは、役所に離婚届を取りに行かなくてはいけない。それが面倒くさい。その次に、子供の親権や引っ越しなどなど、別れるまでの手続きが山のようにある。それらのタスクをこなす程の情熱は、ない。
第4章 怒る嫁、時が過ぎるのを待つ僕
僕は、たとえケンカをしようが、disられようが、時間は流れ行くものだと考えています。その呑気な姿勢が、時に嫁の感情を逆撫でするのですが、怒りの感情もいつかは収まるはず。僕はただその時を待つだけです。逆に、僕も感情を爆発させたとしたら、それこそ終わりの時を迎えるのだと思う。
怒る嫁と、時が過ぎるのを待つ僕。
この文章を女性が読んだら「呑気な事を言っていないで積極的に問題を解決しろや!」と指摘をされそうですが、僕だって努力を怠っているわけではありません。問題解決に向けて色々とやっているのだけど、不満というのは見つけようとすればいくらでも出てくるのですよ。パーフェクトに生きるのは難しいのです。
夫婦関係だけでなく、人と人とがうまくやっていこうとする時に重要なのは「許し」だと思います。お互いを許し合えるようになれば、僕ら夫婦もうまくいくのにな、と日々感じる。それが簡単にできないからこんなに悩むんですけどね。
そんな事を考えながら、今回はどんな風に謝って許して貰おうか、タイミングを伺っています。
そして、僕の結婚生活はこれからも続くのです。