5歳さん嫁非公認コラム Episode:47「愛されているね」

2019/06/12 UPDATE

ちょっと奇抜な奥さまと元気な息子さん達とのユーモラスなエピソードが大人気!ツイッター界随一の恐(愛)妻家5歳(嫁公認アカウント)さんのコラム!

奥様から日々投げ込まれる豪速球…愛のカタチは人それぞれ!?
5歳さんは今日も全力でキャッチャーやってます!

第1章 「愛されているね」と言われて思う事

ぼくの嫁はかなり恐ろしい。読者のみなさんもとっくに気付いていると思いますが、SNSやコラムでは一応オブラートに包んで嫁の言動を発信しているつもりで、実際はその1.5倍は恐ろしいのです。

恐ろしいにも色々な種類がありますが、うちの嫁の場合、僕に対して自分の感情を120%でぶつけてくるので、“嬉しい”とか“楽しい”の時は「こいつ可愛いな~」なんて思うのですが、それが一転“怒り”の感情に切り替わった時が大変です。世界を滅ぼすのではないだろうか?と思うほどに暴れまくり、あらゆる罵詈雑言を浴びせてきます。そんな嫁の言動を見ていると「命を燃やしているな!」とダイレクトに感じますよ。はい。

昨日も仕事が終わった後、嫁にメッセージの返信をする前にSNSでいいねをつけていたら、【優先順位勘違い罪】の嫌疑がかかり、帰宅したら即家庭内裁判が始まって、検察側(嫁)からものすごい勢いで糾弾されました。もちろん有罪判決ですよ。
ある程度大人になると、人と120%の感情でぶつかる事なんてあまりないと思うし、僕は人と付き合う時は自分の感情の6割で接するのがちょうど良いと思っています。嫁に対してもそうです。ドライだと思われちゃうかもしれませんが、決してそうではなくて、良い意味で親しき仲にも礼儀ありだと思っているのです。
コミュニケーションはキャッチボールだなんてよく言いますけど、スムーズな人間関係を築きたい時にはなるべく相手が取りやすいボールを投げますよね。しかし、嫁は違います。160㎞の豪速球を投げ込んできます。僕はそれを防具に身を包んだキャッチャーのように受け止め、軽く投げ返すのが精一杯という感じです。嫁は物足りなさを感じているのか「もっと本気で投げ返してきなよ!」と言いますが、僕のポジションはキャッチャーなんです。受け取る専門なんですよ。160㎞のボールを受け止めるだけで普通に大変なんです。

こんな夫婦のやりとりを人に話すと、みんな喜んでくれます。確かに、大リーグなんかで豪腕のピッチャーがど真ん中ストレートでストライクを取るのを見ていると楽しいですよね。しかも、球速が速いほど観客は盛り上がる。その気持ちはよくわかります。嫁はスタンドを沸かせるピッチャーとしては非常に優秀な選手なのかもしれません。

第2章 その豪速球は、愛なのか?

そんな僕たち夫婦のやりとりを毎週楽しみにしてくれている人がいます。
その人は仕事関係で毎週会う得意先のおじさんなんですが、僕が行くと「で、今週はどんな事があった?」といつも聞いてきます。良いのか悪いのかはわかりませんが、毎週ちゃんと事件事故があるので「こんな事がありました、、、」と報告すると、おじさんは大喜びで聞いてくれるのです。一通り話を終えると、決まって「いやぁ~君は愛されているね~」と満足そうに言います。

「愛されているね」。こう言ってくるのは決してこのおじさんだけではない。僕のように束縛&凶暴系のパートナーを持つと、お決まりの反応としてよく聞く言葉ではあります。「愛されているね」。このセリフをこれまで耳がタコになるほど聞いてきました。そのたび、「いや、これは愛なのか?」と僕は素直に聞き入れる事ができず、疑問に思っていました。
おじさんとの付き合いはもう4年になるのだけど、僕の話を飽きもせずに「そっか~~本当に君たちは仲がいいんだね~」と聞いてくれます。僕は「そうですかね?」と腑に落ちない返事をしていました。昨日もそのおじさんと会って話をしていたんですが、いきなりこう言われました。
「ちゃんと毎日『愛してる』って奥さんに言ってる?」
毎日か、、、毎日は言ってないな、、そんな顔をしていると、「ダメだよ~」とおじさんは続けた。

「奥さんは君の事が大好きで大好きでしょうがなくて、怒ったり喜んだり、喜怒哀楽を全力で向けているんだから、ちゃんとわかってあげないと。『愛してる』って言葉を言ってあげると細胞レベルで身体が喜ぶんだから、毎日ちゃんと口に出さないと。恥ずかしいとか言っちゃダメ。『おまえが一番大切だよ~愛してるよ~』って言ってあげないと」

なんか、昨日はその言葉が素直に心に沁みた。おじさんは時々、愛の伝道師みたいにこんな言葉をかけてくれる。そして、この言葉が僕の心にスーッと、自然に入ってきたのです。

やっぱり、僕は嫁に愛されているんだな。自分の身の回りで起こっている事って客観視できない部分があるけど、ずっと僕たちを見守ってきたおじさんは、嫁の事を語る僕を見ながら、そして、話に出てくる嫁の事を思いながら、そんな言葉をかけてくれたのです。

第3章 さぁ、全力で投げてこい!

嫁は僕に「愛しているよ」と言ってはくれない。しかし、言動そのものが「あなたのことが大好き」と物語っている。人の心理が一番表れるのは行動だと言われている。無意識にやっている事こそが、その人の本心なのです。
嫁が僕にぶつけてくる喜怒哀楽の感情を思い返すと、そのすべてが「愛」のような気がしてくる。いや、きっと愛だ。「奥さんに愛されていますね」。今まで耳がタコになるくらいに聞いてきたセリフが圧倒的な真実だという事に気がつくと、嫁の言動がすべて愛らしく見えてくるから不思議です。

今日も嫁は160㎞の豪速球で自分の気持ちを投げ込んでくる。僕は身体を張って受け止めたいと思う。だって、僕にしかキャッチできないですからね。

投稿者名

5歳

34歳。嫁と息子2人。
嫁は可愛くて、恐ろしい。
息子達は可愛いくて、可愛い。
そんな4人家族の半径15mの生活。
嫁が快適に生活出来る事を一番に考えながら今日も僕は働いて、そして書く。
普段僕の話を聞いてくれる人はいないので皆さんが聞いて下さい。よろしくお願いします。
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