5歳さん嫁非公認コラム Episode:46「嫁のジェラシーは才能かもしれない」

2019/05/24 UPDATE

ちょっと奇抜な奥さまと元気な息子さん達とのユーモラスなエピソードが大人気!ツイッター界随一の恐(愛)妻家5歳(嫁公認アカウント)さんのコラム!

今回は5歳さんの奥さまのジェラシーが今もなお止まらないお話。
全身全霊で夫に執着する奥さまと、懐深く受け止める5歳さん。やっぱりこの夫婦、最高に面白い!!

第1章 嫁、僕に執着して早9年。


「執着できるのも才能だな」と、嫁を見ていると思います。
結婚して9年経つ僕ら夫婦だけど、僕に対する嫁の「執着心」は衰えることなく、まだまだ凄まじい。

新婚当時から比べるとだいぶ収まったかのように見えますが、嫁の言動を客観的に書き出すと、並々ならぬ情念みたいなものさえ感じるのです。
僕も嫁の言動に慣れてきてしまったのか、以前ほど驚かなくなってきています。でも、その数々のエピソードを人に話したりすると「お嫁さん、やっぱりすごいですね…」と驚かれることもしばしば。
そろそろ10年目を迎えるにもかかわらず、新婚当時の執着心をキープし続けるのはむしろ才能なのではないだろうか?と思い始めています。

まだ結婚したばかりの頃は
「アドレス帳から女友達の連絡先消して!」
「飲み会に行かないで!」
「すぐ電話取って!」
「すぐ帰ってきて!」
と言われるたびに「かわいいことを言ってるな〜」なんて思っていましたが、現在も基本的にそのスタンスは変わりません。今でも同じようなことを言い続けているのです。

でも、ちょっと考えて下さい。9年間ですよ?

小学校に入学してから中学校卒業まで同じことをやり続けるって、それだけですごくないですか?
継続は力なり、、、ではないですが、もしそれがスポーツならインターハイとか狙えちゃうレベルだと思うんですよね。もしも執着心の全国大会があったら、嫁ならぶっちぎりで優勝できると僕は信じています。
逆に、僕はそんなに長い間同じことを継続したり、思い続けてきた経験がないので、最近は「嫁はひょっとしてすごい人なのではないか?」と僕の中で密かに話題になっています。

第2章 嫁の愛の重み

最近ではこんなことがありました。ってか、昨夜の出来事です。

僕らは一緒の布団で寝ているのだけど、いつものように「おやすみなさ〜い」と眠りにつこうとしたら、嫁がタコのように手と足を絡ませて抱きついてきて、頭を僕の大胸筋あたりにゴリゴリと押し付けながら「絶対に誰にも渡さない!!!!」と言うのです。いきなり何?って思いますけど、昨夜だけじゃなくて結構頻繁にやられています。抱きつく力がなかなか力強いので、「こいつマジで言ってるんだな、、」という本気度が毎回しっかりと伝わってきます。

また、ある日も仕事を終えて「ただいま〜」と家に帰ると、玄関にダッシュしてきた嫁がジャンピングしがみつきをしながら「私のものだぁぁぁぁああ!!」と叫ぶのです。これも3日に1度はやられているので、自分が嫁の所有物であることを頻繁に認識させられます。そして、しがみつく嫁を抱っこしながら「ハイハイあなたのものですよ〜」とリビングに運びます。

僕だって嫁のことは好きですけど、嫁の想いと比べると勝てる自信がまったくありません。僕の想いはだいぶ軽いような気がしてしまうのです。たまにこの愛の重みのアンバランスさに嫁からクレームを頂くことがあるのですが、「僕が軽いんじゃなくて君が重いんだよ!」と反論しています。

第3章 実はちょっと羨ましい

嫁の愛の重さを日々感じながら生きていると、時々、自分が冷たい人間なんじゃないかと思うことがあります。僕は嫁に引き換え執着心がない性格で、来るもの拒まず去る者追わずで今までの人生を過ごしてきました。僕の人生哲学から、その生き方が一番クールだと思っていました。執着しないことがカッコいいと信じていました。

仏教でも「執着」があらゆる苦悩の根本原因だと教えられています。本来なら、自分の中から執着することを手放すともっと楽に生きていけるはずなんです。僕はいつも「諸行無常」を感じながら生きています。自分を含めて世の中のありとあらゆるものは変化し続けるし、絶対的なものなどはないのです。

しかし、嫁はそんなこと知ったこっちゃありません。僕が諸行無常を説いたとしても「わけのわからない話をするな」ときっと言うことでしょう。でも、それが本来の人間の姿だなとも思います。それに、いきなり嫁が諸行無常の悟りを開いたら面白味にかけるとも思います。嫁の心のままに、言いたいことを言って、やりたいことをやるスタイルに、僕は満足していたりもするわけです。

僕はコラムなどで人生相談にのることが多いのですが、その相談内容を読んでいると、嫁だけではなく多くの人が執着しながら生きているのを感じています。

「元彼のことが忘れられない」
「フラれたけど彼女以外の人を好きになれない」
「今の職場を辞めたいけど勇気がない」
「人生をやり直したい」

ありとあらゆる相談の根本的な原因を探っていくと、そこには「執着心」があるような気がします。

今までは「すべてを捨てて新しい道に進みなさい」と諸行無常的な観点からアドバイスをしてきました。しかし、その「執着」している姿こそが人間らしさだと思うし、その人の面白さなんじゃないかな?と最近思うようになりました。

僕は諸行無常で生きているからこそ、その悩んでいる姿に人間らしさを感じるし、羨ましさを感じたりします。執着も決して悪いことではないのです。だから、世の中の悩める人々もうちの嫁を見習って「諸行無常なんて知らんがな」の精神で開き直ってのびのびと生きていってほしいです。

嫁はきっとこれからも執着しながら、ありのままの姿で生きていくのだと思います。その姿を観察しながら夫婦生活を楽しんでいきたいと思います。僕も僧侶スタイルを気取るのではなく、もう少し俗っぽく生きていきたいと思います。
南無南無。

投稿者名

5歳

34歳。嫁と息子2人。
嫁は可愛くて、恐ろしい。
息子達は可愛いくて、可愛い。
そんな4人家族の半径15mの生活。
嫁が快適に生活出来る事を一番に考えながら今日も僕は働いて、そして書く。
普段僕の話を聞いてくれる人はいないので皆さんが聞いて下さい。よろしくお願いします。
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