アイドルが辞めるとき。オタクが終わるとき
皆さんは自分の生活の中心に据え置いてしまうほど熱中し、何かに入れ込む経験をしたことはありますか?今回は「推し」がいる方にはぜひ読んでいただきたい、脳みそドリアさんの儚くエモーショナルな「推し」への想いが詰まったコラムです。
ドルオタだった僕
こんにちは、脳みそドリアです。
今回は僕が好きだったアイドルの話をしようと思います。
もしかしたら、最近フォローしてくれた人達の中には僕がドルオタだったことを知らない人もいるのではないでしょうか。
ところでみなさん、先ほどまでの文章がオタクだったという過去形になっていることに気づきましたか?
そうです、過去の話です。
今、僕の推し(※編集部注 自分が一推ししているアイドルのこと)は卒業してしまったので僕もいわゆるオタ卒をしており、現在は定期的にライブへ行ったり特定の推しがいたりするわけではありません。
僕がアイドルにハマり、推しができたきっかけは3年ほど前に友達に連れていかれたライブハウスです。
それまで地下アイドルはおろか、メジャーデビューしている地上アイドルでさえ名前や顔を知っている程度で特にアイドルが好きというわけではありませんでした。
ですので推しなんて存在はそれまで自分の中にいませんでしたし、趣味としてアイドルのライブに行くということも考えたことすらありませんでした。
それが初めて行ったライブの後に「意外とアイドルのライブも面白いもんね」と思い、友達が行くライブについていくようになり、そこで人生で初めて「推し」と呼べるアイドルに出会いました。
それからは暇さえあればライブに行きチェキを撮る、という完全に推しへどっぷりハマった生活でした。本当に。
生活の中心は推しなのでライブや特典会でどれくらいお金がかかるのかを基準に考え、そのために生活費を節約する。
休日の予定の立て方はライブのスケジュールありきで立てる。
オタクの人からしてみれば当たり前だよって思われることかもしれませんね。
でも、それまでアイドルにハマったことのない僕にとっては新しすぎる生活スタイルでした。
それほど楽しかったんです。ライブが、推しに会えるのが、話せるのが。
しかし、始まりがあれば終わりがあるもの。
ついに僕の推しは卒業してしまうことになります。
彼女の夢。応援の仕方
推しの卒業発表のときは言葉が出ませんでした。
同じアイドルオタクの人はわかると思うのですが、なんとなく辞めそうだな・卒業しそうだなってのは直感でわかるんですよ。
あるじゃないですか、バイトとかでも「あ、この人すぐに辞めそうだな」みたいなやつ。あれと同じ感じ。それを感じるようになっていたので覚悟はしていたんですけど。まぁ、無理だった。わかっていても。
そして、推しの卒業。
こうして僕は人生で初めてできた推しを失いました。
仕方ないんです。
いつかは辞めるし終わるんです。
と思っていたら卒業後まもなく、推しのソロデビューの発表がありました。
彼女は元々歌手志望だったのでそこに向けての卒業だったんですね。
よかったね。
また会えるね。
追いかけられるね。
と思いますよね。
けれど僕はそうはしませんでした。できませんでした。
「なんで?別に好きな子が歌っているんだから応援すればいいじゃん。会いに行けばいいじゃん」と言われたこともあります。
でも僕にはできなかった。
なぜなら、彼女はソロデビューしたのだからアイドルと同じように見てはいけないと思ったんです。
わざわざ大きくなったグループを抜けソロになると決めた時、きっと彼女にはいろいろな葛藤があったと思います。
このグループはどうなるのだろう、とか一人でやっていけるのだろうかとか。
決して軽くはない覚悟で卒業したはずです。
その覚悟を考えたら、アイドルをしていたときと同じような応援の仕方は違うんじゃないかと。
アイドルは辞めたけど、まだライブをするなら会いに行ける!という考えは失礼なんじゃないかと。
だって、その子は歌を聞いて欲しくてソロの歌手になったんですよ。
歌手として応援するのであれば彼女との今までの思い出があるからとか、会いたい、顔が見たいという理由ではなく、曲を聴いてその曲に惚れ込んだら追いかけるのがファンとして正しいムーブなんじゃないかなと思います。(あくまでの僕の考えですが)
彼女の思いや感じたこと、ここまで生きてきたバックグラウンドや音楽性、そういうところを感じて好きになっていく。
それが正統な応援の仕方で。むしろこれからファンになる人はそうであって欲しい。
彼女にはソロとして歌手デビューできるほどの歌唱力や表現力があるのだから。
それが歌手になった彼女への最大のリスペクトだと思いますし、卒業を受け入れるということだと思います。
永遠のアイドル
けれど、今までのことは一生忘れません。
忘れたくても忘れられません。
あんなに夢中で誰かを応援したのは後にも先にも彼女だけです。
あんなに楽しく幸せな日々を与えてくれたんです。
忘れられるわけないでしょ。
はじめに書いた通り、もう定期的にライブに通ってるアイドルグループはいません。
彼女への入れ込みようを考えたら推しと呼べる子もいません。
それだけ僕の中で大きな存在になってしまっているんです。卒業した今も。
きっとこれを超えられる子を見つけるのは難しいと思います。
アイドルって、推しってこういうことなのかなと思います。
最強のアイドルでした。
代わりなんてききません。
だからソロになった今も成功してほしいと願っているし、新しい彼女の一面を見ていきたいし、期待しています。
なんだか泣きそうなのでこのへんで。
では、また。
P.S.
寒いので靴下をはいたまま寝たら蒸れてしまったのか、翌朝とんでもない悪臭を放っていました。大爆笑。