しんどいオカマのお悩み相談 その55.夫がゲームに課金しすぎてしんどい?

しんどいオカマがしんどいお悩みにお答えする、しんどくても頑張るあなたのための人生相談。今回は旦那さんがスマホのゲームに課金をしている女性からのお悩みよ。
スマホのゲームっていくら課金してもサービスが終了したら何もかも消えてしまうわけだけど、男に重課金したにも関わらず結局は振られてしまうオカマの人生とちょっぴり似ているわね。

【お悩み】
32歳のパート主婦です。子供はいません。
夫がスマホのゲームに課金をしているのですが、なんとかやめさせる方法はないでしょうか?
毎月の携帯料金は、夫の分だけで5、6万円にものぼっています。
最初は何の料金かわからなかったのですが、キャリアに問い合わせて課金であることが判明しました。
それから何度もやめるように言っているのですが、聞く耳を持ちません。
先月はついにブチギレて泣きながら罵声を浴びせてしまったのですが、それでも効果はありませんでした。
「唯一の趣味だから許してくれ」と言っていますが、最近は本気で離婚を考えています。
できれば別れたくないとは思っているのですが、この生活が続くと思うと本当に苦しいです。何かアドバイスをいただけないでしょうか。

普通のオカマなら、ここで「ご主人の唯一の趣味を取り上げるだなんて!あなたには趣味がないの?好きなものはないの?それなら……」みたいな説教をしているのでしょうけど、アタシはそんなことは言いません。

スマホのゲームには、中毒性の高いものも多いと思う。

もちろん、中には純粋にゲームとして楽しめるものだってあるかもしれない。だけど、射幸心を煽って、ガチャで際限なくお金を搾り取るような一部のゲームは、ハイリスクなギャンブルみたいなものよ。
もし、読者の中にハマっている方がいたら申し訳ないのだけど……はっきり言って、この類のゲームは不愉快極まりないわね!

友人のオカマに、月に十万円単位でゲームに課金する、いわゆる重課金者がいるのよね。
家でも職場でもずっとゲームをやっているようだし、一緒に遊んでいるときも頻繁にスマホを取り出してゲームをしている。
口癖は「今お金ないから」で、食事はいつもファストフードかファミレスの二択。会話もゲームの話題が中心で、話がいまいち広がらないのよ。
まさにネットスラングで言うところの、「廃人」。
昔はそんな子じゃなかったはずなのに、スマホのゲームが彼女を変えてしまったのよね。
そんな状態だから今では疎遠になってしまったけど、SNSではいまだ頻繁にスマホゲームの話をしているのを見かけるわ。
生活を支配されて、友人を失い、年間百万円以上ものお金を使う価値がそこにあるのなら、大いに課金すればいいわよ。
だけど、アタシにその価値は一生わからないし、わかりたくないと思う。

もしも、人生をともに生きるパートナーが重課金者ならば、アタシならきっと別れを切り出すわ。
ただ、あなたは「できれば別れたくない」と思っているようだから、何とか解決方法を見つけないといけないわよね。
ご主人は射幸心を煽られ続けた依存症。きっと長く、辛い戦いになるわ。

程度はわからないけれど、ご主人はゲームに依存している。これは間違いないわね。
だからといって、今すぐにゲームをやめさせることは、なかなか難しいと思うのよね。
どんな依存でも、解消には段階があるの。
無理やりゲームをアンインストールするというような強硬手段を取ってしまうと、ご主人はまるで抜け殻のようになってしまうかもしれないわ。
ゲームをやめさえすれば、ゲームをやる前のご主人にきれいさっぱり戻ってくれるという保証はどこにもないのよ。
ご主人の唯一の趣味であるスマホのゲーム。人の楽しみを奪う権利は誰にもないのだから、百歩譲って、ゲームをすること自体は良しとしてあげましょう。
ゲームによって仕事や家族サービスが疎かになっているなら話は別だけど、現状として、あなたはご主人がスマホのゲームに課金していることに気が付かなかったほどなのだから。
となると、ゲームに使う額だけが問題ということよね。
でも、課金もいきなりやめることは難しいのよ。
ご主人の周りに重課金勢の友人がいれば、お互いにキャラクターの強さを競い合っていたり、協力しあったりしているから、課金をやめると仲間内で置いてけぼりになっちゃうのよね。
もしくは、単純に自己満足のためだけに課金をしている場合もあるけど。
いずれにせよ、もはや無課金の状態には戻れないろくでもない理由があるのよ。
だから、最初はせめて課金の額を抑えてもらうよう、譲歩案を要求するしかないのよね。
このとき、決して感情的になってはいけないわ。
ストレスと反発で余計に課金してしまう可能性も少なからずある。何をしでかすか分からないのよ、何かに依存している人間は。
だから、具体的な交渉の方法としては、まずは「課金をやめてほしい理由」を冷静に示すことね。
たとえば家計簿を見せて、課金が家計をひっ迫させていることや、将来的にどれほどの損失になるのか、自身がどんなに苦しんでいるのか、このままでは家庭が壊れてしまうことを淡々と伝えることが大切だと思うわ。
大抵の男は、数字で示さないと理解してくれないし、何事もストレートに言われないと危機感を覚えない生き物だから。
そして、理由を示したあとは対策ね。
お小遣いの範囲内で課金してもらって、課金した分はお小遣いからマイナスしていくのもいいかもしれない。
そのとき「誓いを破れば離婚」という誓約書を書かせるのもいいかもね。
冷静さを欠けば交渉は決裂すると思っていいわ。そうならないよう、覚悟して臨んでちょうだい。

世知辛い世の中よね。まさかスマホのゲームに人生を壊されそうになるだなんて、誰も想像しないわよ。
あくまで自己責任ではあるけれど、それでも一部のゲーム会社のやり方は阿漕だとアタシは思う。
いつか、この非情なシステムが下火になってくれることを願うわ。
そして、そんなものにあなたの人生が壊されてしまうことが決してないよう、オカマは切に願っているわ。

さて、このコーナーでは、読者の方からのお悩み相談を随時募集しているわ。
恋愛でも学業でも仕事でも、あなたがどんなことで悩み、どんな風に解決したいのか、できるだけ詳しく簡潔に教えてくれると助かるわ。
送り先は、アタシのツイッターアカウント（@BS_dim）のDMか、メールフォーム（okama.onayami@gmail.com）まで。
【お悩み相談内容】と【年齢、性別、職業など簡単な自己紹介】を忘れずにね。いただいた相談内容、個人情報はこのコーナー以外では利用しないし、長期的に保管することもしないから安心して。

そして、ついにお悩み相談が本になったわ。
連載に加筆修正を加えたものに、書籍だけの書き下ろしのお悩みも多数。さらにアタシが異色肌ギャル・浄土真宗僧侶に相談する「逆お悩み相談」のコーナーや、オカマに聞きたい一問一答108問も収録。大ボリュームで絶賛発売中よ!
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